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更新日:
129

【介護職経験者100人にアンケート】介護職の転職理由と転職タイミング|アンケート結果から解説

介護職は、人の生活を支えるやりがいのある仕事である一方、身体的・精神的な負担や職場環境の影響から、転職を検討する人も少なくありません。

では実際に、どのような理由で転職を決断し、どのタイミングで行動に移しているのでしょうか。

本記事では、2026年5月に当社が介護職経験者100名を対象に実施したアンケート調査(有効回答数100)をもとに、リアルな転職理由と具体的な転職タイミングの傾向を明らかにします。

現場の声から見えてきた「辞めたくなる瞬間」や「動くべきサイン」を整理し、介護職として今後のキャリアを考えるうえでの判断材料となる情報をお届けします。

Contents
  1. 現在介護職からの転職を視野に入れていますか?
  2. 介護職からの転職を考え始めた時期はいつですか?
  3. 介護職から転職しようと思った理由は?
  4. 介護職からの転職を考えてから実際に動き出すまでの期間は?
  5. 介護職から転職する際の方法は?
  6. 転職をしてよかったですか?
  7. 転職をして改善された点は?
  8. 転職をしたのに改善されなかった点は?
  9. 介護職からの転職に最適な時期
  10. 円満に退職するための方法
  11. まとめ

現在介護職からの転職を視野に入れていますか?

今回アンケートにご参加いただいた方のうち、約半数が過去に転職をしていました。

また、約3割の方が現在転職を考えているという結果になりました。

自ら望んで介護の仕事に就いたものの、思い描いていた理想との違いに悩む方は多いでしょう。

介護職にとって、転職自体は珍しいものではないように感じられます。

介護職からの転職を考え始めた時期はいつですか?

  • 0~3ヶ月前:1.5%
  • 3~6カ月前:7.5%
  • 6~12ヶ月前:13.4%
  • 1~2年前:16.4%
  • 2~3年前:13.4%
  • 3~5年前:19.4%
  • 5~10年前:17.9%
  • 10年前:9%
  • 不明・その他:1.5%

※転職を考えている方のみ回答

結果にはかなりのばらつきがみられました。

3~5年前と答えた方が最も多かったですが、中には10年以上悩んでいる方もいるようです。

転職を考えることはあっても、すぐ行動に移す人はそれほど多くないのでしょう。

また、「転職を意識し始めたきっかけの時期は?」というアンケートでは、約7割の方が「明確な時期はない」または「入社1年以降」と答えていました。

何らかのトラブルが起こる前から、日々のストレスや不満の積み重ねが根底にあると考えられます。

介護職から転職しようと思った理由は?

介護職の方が実際に転職したいと思った理由について尋ねてみました。

アンケートの結果から、上位3つを紹介します。

1位 人間関係

介護の現場はチームでの連携が重要です。

しかし、同僚や上司との関係に問題があると、業務遂行に影響を及ぼします。

また、施設や事業所のルールと利用者の要望との板挟みで、ストレスを感じることも少なくありません。

転職を考えた理由としては人間関係が2位でしたが、「転職を最終的に決断した出来事」では、パワハラや嫌がらせ、いじめなど人間関係のトラブルが最も多くみられました。

日々の不満としては、給与や待遇面によるものが大きいですが、転職の決定打には人間関係が大きく影響していると考えられます。

2位 給与が低い

厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、令和6年度(2024年度)における常勤介護職員の平均年収は405万8400円(基本給+手当+一時金の12ヶ月分)でした。

全産業の平均年収は約478万円のため、年間で70万円以上の差があります。

身体的にも精神的にも負担の大きい職業でありながら、給与が見合っていないと思う方は少なくありません。

規模の小さい事業所では昇給や昇進の機会も少ない場合があり、将来への不安を感じることも多いようです。

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」 P126

3位 精神的ストレス

長時間の勤務や命を預かる責任感、人員不足による業務過多など、介護職は精神的なストレスを感じやすい職業です。

特に夜勤は、急変時の対応やワンオペによる負担、体内リズムの乱れなどで、休日も疲れがとれず、ぐったりしているという方も少なくありません。

疲労が残ったまま出勤しなければならないこともあり、燃え尽き症候群やうつなどのリスクには注意が必要です。

介護職からの転職を考えてから実際に動き出すまでの期間は?

※実際に、転職活動を行った方のみ回答

転職を考え始めてから、3ヶ月以内に動き出す方が全体の約3分の2でした。

すぐに動き出したという方もいる一方で、1年以上悩んだという方も一定数います。

職場や給与に不満があっても、利用者との関係が途切れることを不安に感じ、転職をためらう人もいるのでしょう。

しかし、転職活動を始めてすぐに結果が出るわけではありません。

希望する勤務地、給与、待遇面など、転職のための情報収集や条件の整理からはじめた場合、概ね3ヶ月程度かかると思っておきましょう。

もし、希望する転職時期があれば、早い段階から準備を始めておくことが大切です。

介護職から転職する際の方法は?

求人を探す際に利用する求人媒体についてアンケートを実施しました。

結果は以下のとおりです。

  • 求人サイト :80.6%
  • ハローワーク :40.3%
  • 転職エージェント : 33.9%
  • 知人紹介 :16.1%
  • スカウト :3.2%
  • その他:  1.6%

複数回答のため合計は100%を超えていますが、最も多く利用されているのは求人サイトでした。

ほかには、ハローワークや転職エージェントの利用も多くみられ、この3つが大部分を占めています。

本章では、上位に挙がった3つの媒体について解説します。

1位 求人サイト

求人を探す際に、最も利用されている媒体は求人サイトでした。

スマホやパソコンで自宅にいながら求人を検索できるため、転職活動を手軽に進められます。

勤務地や給与、勤務時間などの条件を絞って検索できるのも利点の一つです。

スキマ時間などを利用して、自分のペースで転職活動を進めたい人にはおすすめの媒体です。

2位 ハローワーク

勤務地を地元に絞って求人を探す場合、ハローワークもおすすめです。

失業保険の申請や、教育訓練給付制度を活用したリスキリングも利用できます。

介護関係の求人だけでなく、他業種への転職についても相談が可能です。

ただ、求人情報だけでは職場の雰囲気が分かりにくいことも多く、公式のサイトや面接などで実際の様子を確かめることが大切です。

3位 転職エージェント

転職エージェントは、数ある求人の中から面談を通じて自分に合った仕事を紹介してくれるサービスです。

例えば、前職が人間関係による離職の場合、エージェントは人間関係の良い職場を中心に提案してくれることもあります。

求人だけでなく、履歴書の書き方や面接対策の相談も可能です。

自分で一から情報収集をする時間が取りにくい場合でも、効率的に転職活動を進められます。

転職をしてよかったですか?

転職してよかったと感じた人の割合についても調査しました。

アンケート結果は以下のとおりです。

  • とても良かった : 37.5%
  • やや良かった :58.9%
  • 変わらない :3.6%

※実際に転職をした方のみ回答

転職をしたほとんどの方が、「とても良かった」「やや良かった」と回答しました。

転職前と状況が「変わらない」と答えた人はわずか3.6%にとどまり、多くの方が転職によって何らかの改善を実感していることが分かります。

ただし、転職によってすべての問題が解消されるわけではないでしょう。

転職してよかったと思える結果にするためには、転職活動中の情報収集や希望条件の整理などをしっかり行うことが大切です。

転職をして改善された点は?

転職によって何が改善されたか、具体的な回答を集めました。

回答の上位3つは以下のとおりです。

  • 1位:労働環境・働きやすさの改善(残業・休日・勤務体制)
  • 2位:人間関係・職場環境の改善
  • 3位:給与・待遇の改善

1位 労働環境・働きやすさの改善

転職によって最も改善がみられたのは、労働環境や働きやすさに関することでした。

具体的には、「残業が減った」「休日が増えた」「夜勤の回数が減った・なくなった」などの回答がありました。

負担が少なくなったことで、ワークライフバランスの改善につながった例が多いようです。

転職の際に自分に合った働き方を模索し、職場選びを十分に行った結果と考えられます。

2位 人間関係・職場環境の改善

人間関係や職場環境が改善されたとの回答も多く得られました。

転職の最終的な決定打として人間関係を挙げた方が多く、転職によってこれまでの人間関係がリセットされるのは大きなメリットといえます。

良好な人間関係は、やりがいやスムーズな業務遂行にもつながり、働きやすさを感じられることでしょう。

このような環境面の変化が、転職後の満足度を高めていると考えられます。

3位 給与・待遇の改善

給与や待遇面の改善についても多くの方が回答しています。

具体的には基本給や手当、賞与、福利厚生の向上が挙げられます。

未経験での入社時は基本給も低く、なかなか昇給できない場合もありますが、転職する際には経験が評価され、以前より高い給与で就職できる可能性もあります。

特に介護現場では、処遇改善加算をどのように職員に配分しているか、キャリアパス制度があるかなども重要です。

昇給の基準が明確で、将来的なライフプランまで描けると、今後の不安の解消につながります。

転職をしたのに改善されなかった点は?

転職ですべての問題点が解決するわけではありません。

改善されなかった点についても理解し、対策することが大切です。

本章では、アンケートで寄せられた内容の上位3つについて解説します。

1位 業務負担・人手不足・労働環境の厳しさ

介護業界全体が人手不足のため、転職しても業務過多が改善されなかったとの意見が多く寄せられました。

特に、年間を通して求人を出し続けている事業所や、給与が高すぎる求人には注意が必要です。

業務がハードなために新人が続かずに辞めてしまい、給与を高めに設定してでも入社してほしいという意図が隠れている場合があります。

2位 給与・待遇の不満(変わらない・低いまま)

転職しても、給与や待遇面が変わらなかったとの意見も多くみられました。

基本給は増えたものの、手当や賞与が減った、休日が少なくなったといったこともあります。

しかし、職場選びは給与面だけで決めるわけではありません。

転職は、理想の働き方を実現するためのものであるため、給与や待遇面、心身の負担など、さまざまな条件を考慮する必要があります。

3位 体力的負担・健康面の問題

「体力的負担が変わらない」「疲労が残る」など、転職しても体力的な負担が変わらない場合もあります。

転職先や働き方によっては、入浴介助や移乗介助、夜勤の回数が増えることで、腰痛や肩こり、疲労の蓄積につながるケースもみられます。

介護職の場合、体力的な負担や腰痛などのリスクを減らすには、サ高住のような比較的介護度の低い施設への転職や、ケアマネや管理者などへの転身も検討してみましょう。

介護職からの転職に最適な時期

介護業界は慢性的な人手不足のため、一年を通して一定数の求人はあります。

しかし、募集の少ないときに転職活動をすると、希望条件に見合った職場が見つからないことにもなりかねません。

また、転職を考えるときは、いつ辞めるかも重要です。

タイミングによっては、賞与を受け取れなかったり、円満退職が困難になったりすることもあります。

希望通りの転職ができるように、転職における最適なタイミングについて解説します。

4月 新卒社員や新規入職者が多い時期

一般的に4月は新卒や新規入職者を迎えることが多い時期です。

3月の年度末で退職する人も多く、4~5月は求人数が増える傾向があります。

現場でも新人教育のOJTが盛んになる頃です。

その中で、同じ時期に入社した職員同士が同期のような関係を築くこともあり、お互いに相談しながら業務の習得を進めることもできます。

未経験からの転職や業務に慣れていない人にとっても、4月入社はメリットが大きいといえるでしょう。

6~7月 比較的手厚いサポートを受けやすい時期

職場にもよりますが、6~7月になると4月入社のOJTが一旦落ち着き、中途入社の育成に時間をかけやすくなります。

新人が多いと教える側も急ピッチになり、余裕があるとは言えません。

また、ほかの新人と比べられてしまうこともあるため、じっくり時間をかけて学びたい場合、4月よりも6~7月入社のほうが適しているかもしれません。

ある程度自分のペースで成長したい人や、すでに経験があり短期間のOJTで働けるようになる人には、この時期の入社もおすすめです。

1~3月 繁忙期のため経験者は即戦力になれる

冬のボーナス直後は退職者が増えるため、年明けの1月以降は求人が増える傾向にあります。

その分条件の良い求人は倍率も高くなり、募集枠がすぐに埋まってしまう可能性も少なくありません。

また、年末年始から3月の決算月までは介護業界も多忙になるため、事業所側は介護経験のある人を採用したいと考えます。

短期間で即戦力になれる方は、1~3月は求人情報をこまめにチェックし、すぐに応募できるようにしておきましょう。

円満に退職するための方法

介護業界は意外と狭く、転職先に前の職場にいた職員が働いていたなどということも少なくありません。

退職後にどこかで顔を合わせる可能性もあるため、円満な退職を心掛けましょう。

本章では、円満退職のための具体的な方法を紹介します。

直属の上司に相談する

退職の予定が決まったら、直属の上司に相談しましょう。

相談は自分と上司だけでできるように、別室などで行います。

ほかの職員に聞かれると、噂に尾ひれがつき、事実と異なる形で広まってしまうことがあります。

自分と上司だけで、これまでの感謝を伝え、具体的な退職日や手順について話し合いましょう。

退職日を余裕をもって伝える

上司への退職の相談は、少なくとも最終出勤日の1〜2ヶ月前には行いましょう。

退職の申請について、「◯ヶ月前までに行う」など、就業規則がある場合はそれに従います。

余裕をもって伝えると、担当業務の引き継ぎもスムーズに行うことができ、事業所側も欠員の補充やOJTの期間を十分に確保できるため、円満退職につながります。

待遇に関することを理由にしない

退職理由を聞かれた際に、「給与が低い」「夜勤が多い」など待遇面の不満をそのまま伝えるのは避けた方が無難です。

待遇面の理由を伝えると、給与アップなどの提案によって引き止められる可能性もあります。

円滑に退職手続きを進めるためには、キャリアアップのためや新しい環境で挑戦したいといった前向きな表現に言い換えて伝えるようにしましょう。

まとめ

介護職経験者100人への転職に関するアンケート結果をもとに、介護職における転職の実態を紹介しました。

介護職は理想と現実のギャップから転職を考える人が多い一方で、環境を変えることへの不安から行動に移せないケースも少なくありません。

人間関係のトラブルなどをきっかけに気持ちが大きく変化することもありますが、転職によって改善する場合と、状況が変わらない場合の両方が見られます。

転職を成功させるためには、事前の情報収集を丁寧に行い、自分が重視する条件を明確にしたうえで判断することが重要となるでしょう。