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20特養職員の給料は高い?働くメリットやデメリットについても解説

特養とは「特別養護老人ホーム」の略で、介護が必要な高齢者が入居し、日常生活全般の介護サービスを受けながら生活する施設です。

では、特養で働く職員の給料はどのくらいなのでしょうか。

この記事では、特養で働く主な職種ごとの給料相場を詳しく紹介しています。

併せて、特養で働くメリットやデメリットについても解説しているので、就職や転職を検討している方はぜひ参考にしてください。

特養で働く職員の給料相場

特養で働く職員の給料相場を紹介します。

介護職員

厚生労働省が実施した「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護老人福祉施設(特養)で働く介護職員の平均給与(月給)は、常勤で36万1,860円、非常勤で25万7,620円となっています。

勤務形態別の平均給与額は、以下のとおりです。

勤務形態平均給与額
月給常勤:36万1,860円 非常勤:25万7,620円
日給常勤:24万7,320円 非常勤:20万5,910円
時給常勤:24万4,520円 非常勤:15万7,140円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

このように、月給制・日給制・時給制のすべてにおいて常勤の給与が非常勤を上回っていることが分かります。

勤務形態によって収入に差が出る点は、就業先を選ぶ際の重要なポイントとなります。

 

<ほかの施設との比較>

特養で働く介護職員と、そのほかの介護施設や事業所で働く介護職員の平均月給は、次のとおりです。

施設平均給与額(月給)
介護老人福祉施設(特養)  常勤:36万1,860円 非常勤:25万7,620円
介護老人保健施設(老健)常勤:35万2,900円 非常勤:22万6,310円
介護医療院常勤:33万30円
訪問介護事業所常勤:34万9,740円 非常勤:17万7,090円
通所介護事業所常勤:29万4,440円 非常勤:21万8,710円
通所リハビリテーション事業 所常勤:31万9,310円 非常勤:22万1,800円
特定施設入居者生活介護 事業所常勤:36万1,000円 非常勤:23万360円
小規模多機能型居宅介護 事業所常勤:30万5,220円 非常勤:23万6,060円
認知症対応型共同生活介護 事業所常勤:30万2,010円 非常勤:20万1,810円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

特養や老健で働く介護職員の給料は、介護施設・事業所の中でも高水準にあります。

これは、介護度の高い利用者が多く、日常的に医療やリハビリに関する知識や対応が求められるためです。

そのため、優秀な人材を確保するために給与が高めに設定されていると考えられます。

 

<取得資格別の給料比較>

資格を取得している介護職員の平均給与額は以下のとおりです。

資格名平均給与額
介護福祉士37万2,960円
社会福祉士40万490円
介護支援専門員41万6,060円
実務者研修34万8,210円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

資格を持っていない介護職員の平均給与額は30万3,410円となっており、資格を取得している方のほうが、明らかに高い給与水準であることが分かります。

そのため、給与アップを目指すのであれば、介護福祉士や介護支援専門員などの資格取得を積極的に検討することが重要です。

看護師

厚生労働省が実施した「令和5年度介護事業経営実態調査結果」によると、特養で働く看護師の平均給与(月給)は、常勤で45万5,491円となっています。

勤務形態別・免許別の平均給与額は以下のとおりです。

免許の種類平均給与額
看護師常勤:45万5,491円 非常勤:37万4,513円
准看護師常勤:41万9,447円 非常勤:36万1,061円

出典:厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果

常勤のほうが非常勤よりも給与が高く、准看護師よりも看護師のほうが高い給与水準にあることが明確です。

特養では、医療ニーズのある高齢者も多く、看護職の役割が非常に重要とされていることから、こうした給与差が反映されていると考えられます。

 

<ほかの施設との比較>

特養で働く看護師と、そのほかの介護施設や事業所で働く看護師の平均給与額は、次のとおりです。

施設平均給与額
介護老人福祉施設(特養)常勤:45万5,491円 非常勤:37万4,513円
介護老人保健施設(老健)常勤:46万9,573円 非常勤:36万1,973円
介護医療院常勤:46万520円 非常勤:38万5,451円
訪問入浴介護施設常勤:42万318円 非常勤:40万7,370円
訪問介護施設常勤:46万3,927円 非常勤:39万3,566円
訪問リハビリテーション事業所常勤:37万9,586円 非常勤:32万4,270円
通所介護施設常勤:37万5,327円 非常勤:33万9,893円
通所リハビリテーション事業所常勤:41万7,917円 非常勤:36万2,207円
短期入所生活介護施設常勤:40万6,857円 非常勤:35万670円

出典:厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果

介護施設や事業所別に見ると、看護師の給与も介護職員と同様に、特養や老健での給与水準が比較的高い傾向があります。

医療的なケアや専門的な知識が求められる環境であることが、給与に反映されていると考えられます。

特養の給料が高い理由

特養で働いている介護職員の平均給与額は、ほかの介護施設や事業所よりも高いです。

特養の給料が高い理由について詳しく解説します。

夜勤手当や深夜手当がある

特養は24時間体制で利用者の見守りを行っているため、基本的に日勤と夜勤の2交代制で運営されています。

夜勤に入ると夜勤手当や深夜手当が加算されるため、給与が高くなる傾向があります。

そのため、夜勤シフトがない訪問介護や通所リハビリ施設と比較すると、特養の給与は高くなりやすいといえるでしょう。

職員の負担が大きい

特養に入所できる条件は、原則として要介護度が3以上の方です。

そのため、特養の介護職員は中度から重度の要介護者の生活を支援する必要があり、介護度の低い施設や事業所と比べて責任や業務量が多くなります。

これを踏まえ、特養では介護職員の仕事量や責任の重さに見合った給与が高めに設定されているといえるでしょう。

社会福祉法人が運営している

特養の施設は主に社会福祉法人が運営しています。

社会福祉法人とは、社会福祉事業を行う民間の非営利団体で、市民からの会費や寄付金、共同募金、市区町村からの補助金や受託金などを主な財源としています。

また、介護保険事業に関しては、介護保険制度からの介護報酬などの公的な財源も得ています。

こうした潤沢な財源により経営が安定しているため、ほかの施設と比べて比較的高く安定した給与を支払っていると考えられます。

特養の介護職員が給料をアップさせる方法

特養で働く介護職員がさらに給料をアップさせる方法を解説します。

手当につながる資格を取る

介護に関わる資格を取得すると、毎月の給料にプラスして資格手当が支給される可能性があります。

介護職員の保有資格別の平均給与額は以下のとおりです。

資格名平均給与額
介護福祉士35万50円
社会福祉士39万7,620円
介護支援専門員38万8,080円
実務者研修32万7,260円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

資格を持っていない場合の平均給与額は33万9,960円であるため、資格を取得するだけで数万円の給与アップが期待できることが分かります。

また、資格があることで手当が支給されるだけでなく、就職や転職の際にも有利になるため、まだ資格を持っていない介護職員は取得を積極的に検討することをおすすめします。

夜勤を多く担当する

夜勤のシフトを増やすことで、給料をアップさせることができます。

労働基準法では、午後10時から午前5時までの間に働いた場合、日中の賃金に加えて25%以上の割増賃金を支払うことが義務付けられています。

そのため、夜勤手当がつくだけでなく、基本給も含めて給料が多くなる仕組みです。

なお、法律上は夜勤の回数に制限はありませんが、無理のない範囲で多くても月に10回以下を目安にすることが推奨されています。

体調管理に気を付けながら、適切な範囲で夜勤シフトをこなしましょう。

同じ施設で長く働く

一般的に勤続年数が増えると基本給も上がる傾向があります。

勤続年数ごとの介護職員の平均月給は、以下のとおりです。

勤続年数平均月収
1年31万1,630円
2年32万5,870円
3年33万2,730円
4年33万8,180円
5~9年35万1,010円
10年以上38万9,280円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

勤続年数が5年未満の間は給与の伸びは緩やかですが、5年を超えると徐々に給与が上がり始めます。

また、同じ職場で長く働き続けるメリットは給与面だけでなく、他職種や同僚からの信頼を得やすくなり、仕事がよりスムーズに進められる点にもあります。

上の役職に就く

老健で役職がつくと、役職手当が支給されるようになります。

老健で働く管理者の給与相場は、次のとおりです。

管理職43万6,850円
管理職でない35万4,900円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

管理職は管理職でない場合と比べて、約8万円も月給が高いことが分かります。

介護職員が管理者になるためには、資格の取得や豊富な実務経験が必要です。

特養などの現場で経験を積みながら、コミュニケーション能力やリーダーシップ、マネジメント能力を磨いていくことが重要です。

高待遇の職場に転職する

現在の職場の待遇に納得できない場合は、ほかの施設や事業所への転職を検討するのも一つの方法です。

転職先は特養に限定せず、介護老人保健施設(老健)や介護医療院、訪問介護施設なども視野に入れてみましょう。

これらの施設は、特養と同様に比較的高い給与水準が期待できます。

ただし、給与の高さだけで判断するのではなく、介護職員として成長できる環境か、働きやすい職場かどうかも重要なポイントです。

自分に合った職場を見極めることが、長く安心して働くための鍵となります。

特養の介護職員におすすめの資格

特養で働く介護職員におすすめの資格を紹介します。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、介護の基礎から応用まで幅広く学べる公的資格です。

取得方法は主に民間のスクールや通信講座で、130時間のカリキュラムを修了し、終了試験に合格することが必要です。

最短では約1カ月で取得可能ですが、働きながら取得する場合は夜間や土日のコースを選ぶとスムーズに学べるでしょう。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、国家資格である介護福祉士の受験資格を得るために必ず受講しなければならない講座です。

この研修は、介護福祉士の受験準備だけでなく、利用者により質の高い介護サービスを提供するための実践的な知識やスキルの習得も目的としています。

また、この資格を取得すると、訪問サービス提供事業所でサービス提供責任者として働くことが可能になります。

介護福祉士実務者研修は、資格や実務経験がなくても受講できるため、介護のキャリアアップを目指す方に特におすすめの資格です。

介護支援専門員

介護支援専門員(ケアマネジャー)の受験資格は、指定された介護関連業務を5年以上かつ900日以上経験していることです。

受験資格を得た後は、毎年実施される「介護支援専門員実務研修受講試験」を受験します。

試験では、介護支援分野と保健医療福祉サービス分野で70%以上の正答率を達成することが合格の基準となっています。

勉強方法は独学や通信講座の利用が一般的で、介護系資格の中でも難易度が高めです。

標準的な学習期間は約6カ月程度とされているため、無理のないペースで計画的に学習を進めることが大切です。

介護事務

技能認定振興協会が主催する「介護事務管理士技能認定試験」は、介護事業所でのレセプト処理や会計業務を担当する事務スタッフのスキルを証明する資格です。

日本で初めて設立された介護事務の資格でもあります。

試験の概要は以下のとおりです。

受験資格特になし
試験日程毎月(毎月第4土曜日翌日の日曜日)
試験方法在宅受験 ・実技と学科を合わせて120分
受験料5,500円(税込)
合否判定実技と学科80%以上

合格ラインは80%以上とやや高めに設定されていますが、テキストを見ながら回答できる形式のため、難易度はそれほど高くありません。

未経験者でも比較的挑戦しやすい資格となっています。

介護福祉士

介護福祉士は、日常生活に支障がある方に対して専門的なスキルと知識をもって介護を行い、介助者への指導もできる国家資格です。

介護福祉士を取得するための国家試験を受ける方法は、主に以下の3つです。

  • ・介護福祉士養成施設を卒業する
  • ・3年以上介護の実務経験を積む
  • ・福祉系の高校で必要な科目を履修する

これらのいずれかの条件を満たすことで、介護福祉士の受験資格を得ることができます。

特養で職員として働くメリット

特養で介護職員として働くメリットを解説します。

介護技術のスキルを高めることができる

特養に入所する利用者は、要介護度3以上の方が多く、比較的介護度が重い傾向があります。

そのため、食事や排泄、着替え、移動などの身体介助を日常的に行う機会が多く、介護技術の向上が期待できます。

知識は学習によって身に付けられますが、介護のスキルは実際に現場で体験し、経験を積むことで身につくものです。

福利厚生が手厚い

福利厚生が充実している点も、特養で働く大きな魅力の一つです。

特養で働く介護職員には、豊富な知識と高い技術が求められるため、優秀な人材を確保する目的で福利厚生が手厚く整えられています。

さらに、特養は社会福祉法人や地方自治体などの公的法人が運営母体となっていることが多く、国からの補助金を受けやすいため、財政状況が安定しています。

その結果、職員の福利厚生に力を入れている施設が多いのも特徴です。

ほかの職種の専門知識が身につく

特養では、介護職員のほかに医師や看護師、理学療法士といった多様な専門職が働いています。

ほかの介護施設では介護に特化した知識を身につけることが多いですが、特養では医療やリハビリなど、他職種の専門的な知識も学べる環境が整っています。

こうした多職種との連携により、利用者のケアを行いながら、それぞれの専門知識を吸収し、多角的な視点で質の高い介護サービスを提供できるようになるでしょう。

利用者と長期間関われる

特養は原則として終身利用が可能な施設であるため、担当した利用者と長期間にわたり関わることができます。

じっくり時間をかけてコミュニケーションをとることで、利用者一人ひとりに適した介護サービスを提供することが可能です。

また、毎日の健康状態の観察を通じて、利用者の些細な変化にも気づきやすくなります。

さらに、看取りケアを行う場合もありますが、利用者やその家族と話し合いながらよりよい最期をサポートできる点は、ほかの介護施設にはない大きなメリットといえるでしょう。

特養の介護職員の仕事内容

特養の介護職員の仕事内容を解説します。

利用者の身体介護

身体介護とは、利用者の体に直接触れて行う介護のことを指します。

特養で主に行われる身体介護には、以下のようなものがあります。

  • ・入浴介助
  • ・食事介助
  • ・排泄介助
  • ・移乗介助
  • ・移動介助

特養に入所している要介護度3以上の方は、部分的な介護だけでなく全面的な介護が必要となる場合が多いです。

利用者の生活援助

生活援助とは、利用者の体に直接触れずに行う日常生活の支援のことを指します。

特養で主に行われる生活援助には、以下のようなものがあります。

  • ・掃除
  • ・洗濯
  • ・ベッドメイク
  • ・食事の配膳・片付け

生活援助の内容は、施設の方針や利用者の希望によって変更されることもあります。

特養は身体介護を主に行う施設のため、生活援助を外部の業者に委託しているケースも少なくありません。

誰が生活援助を担当するかは、施設の判断に委ねられています。

特養職員のボーナスについて

最後に、特養職員のボーナスについて解説します。

平均額

特養で働く介護職員の平均賞与額は、約79万円になります。

ほかの介護施設や事業所の平均賞与額は、次のとおりです。

施設平均賞与額
介護老人福祉施設(特養)  79万8,580円
介護老人保健施設(老健)73万8,102円
介護医療院71万8,173円
訪問介護事業所49万8,876円
通所介護事業所52万3,462円
通所リハビリテーション事業 所66万6,732円
特定施設入居者生活介護 事業所56万3,331円
小規模多機能型居宅介護事業所50万7,965円
認知症対応型共同生活介 護事業所44万1,964円

出典:公益財団法人介護労働安定センター「令和4年度 介護労働実態調査結果

特養は賞与も、ほかの介護施設や事業所より多く支給されていることが分かります。

賞与は月収に応じて金額が決まるため、給料が多い特養は賞与も多く支給されると考えられるでしょう。

支給時期や支給回数

ボーナスの支給時期や支給回数は、夏と冬の年2回で、一般的な企業と同様のスケジュールとなっています。

特養で働く介護職員の平均賞与額は約79万円とされており、1回あたり約40万円近くが支給される計算です。

経営状況が厳しい施設では、ボーナスの支給がなかったり減額されたりすることもありますが、経営が安定している特養では、賞与がしっかり支給されるケースが多く見られます。

特養への就職や転職を検討している場合は、賞与の有無や支給条件についても事前に確認しておくと安心です。

増やすためのポイント

賞与の金額も給料と同様に、勤続年数に応じて徐々に増加していきます。

同じ施設で長く勤務を続けることで、賞与額も安定的に伸びていく傾向があります。

また、日頃からスキルアップや資格取得など、給料を上げる努力を重ねることで、自然と賞与額にも反映されやすくなるでしょう。

まとめ

今回は、特養で働く職員の給料相場について解説しました。

ほかの介護施設や事業所と比べて、特養で働く介護職員の給料はやや高めの水準にあります。

これは、24時間体制で要介護度3以上の利用者を支えるという、負担の大きな業務に見合った待遇が反映されているためです。

給料をさらに増やすためには、実務経験を積み重ねることや、介護福祉士などの資格取得が大きなポイントになります。

また、特養は社会福祉法人や地方自治体といった公的法人が運営母体であることから、経営が安定しており、長く安心して働ける環境が整っているのも大きな魅力です。

今後のキャリア形成においても、特養は十分に検討する価値のある職場といえるでしょう。