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34介護の資格一覧!資格の種類とキャリアパスについて解説

介護の仕事とは、人々の生活を支える大切な専門職です。

その専門性を証明し、キャリアを切り拓くための強力な武器となるのが「資格」といえるでしょう。

しかし「どんな資格があるの?」「どの順番で取得すればいいの?」と、介護資格の種類が多いことから、迷っている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、介護の入門資格から国家資格、さらには特定の分野に特化した専門資格までを詳しく解説します。

併せて、資格を取得するメリットや、取得すべき資格の選び方もご紹介しています。

介護職に興味のある方や、介護の資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

Contents
  1. なぜ介護職に資格が必要?取得する5つのメリット
  2. 介護職のキャリアパス
  3. 【国家資格編】介護・福祉においてプロを目指せる資格
  4. 【公的・民間資格編】キャリアの幅を広げる専門資格
  5. 相談援助・マネジメント系の専門資格
  6. 認知症ケア・高齢者ケア系の専門資格
  7. 医療・リハビリ連携系の専門資格
  8. 生活支援・QOL向上系の専門資格
  9. さらに専門性を高める関連資格
  10. 介護の資格を活かせる「介護以外の職場」とは?
  11. 自分に合った介護資格の選び方
  12. 資格取得の費用を抑える5つの方法
  13. 【介護資格を挫折しない】おすすめの勉強方法5選
  14. 介護資格を取得する際のよくある質問
  15. まとめ

なぜ介護職に資格が必要?取得する5つのメリット

介護の仕事は、無資格・未経験からでも挑戦できるため、非常に間口の広い職種です。

まずは、資格取得がなぜ重要なのか、取得する具体的な5つのメリットを紹介しながら、学習への投資価値を解説していきます。

専門的な知識と技術が身につく

資格取得に向けた学習プロセスを通じて、介護に関する専門的な知識と技術を体系的に学ぶことができます。

介護の理念から倫理、高齢者や障害者の心身の仕組み、そして食事や入浴といった具体的な介護技術まで、根拠に基づいた正しい知識を習得することが可能です。

これにより、利用者一人ひとりの状態に合わせ、より安全で質の高いケアを提供できるようになり、仕事に対する自信にもつながるでしょう。

昇給・キャリアアップに直結する

多くの介護事業所では、資格の有無によって給与体系が明確に分かれています。

一般的に「資格手当」が支給され、例えば「介護職員初任者研修」や、国家資格「介護福祉士」を取得することにより、月々の給与アップが期待できます。

上位資格は、現場のリーダーやサービス提供責任者、管理者といった役職へのキャリアアップの前提条件となり、収入とキャリアの両面でステップアップを目指す上で重要な資格です。

社会的な信用や信頼を得られる

介護関連の資格は、専門性を客観的に証明する公的な証です。

特に「介護福祉士」や「社会福祉士」といった国家資格は、国が定めた基準を満たした専門家であることを示します。

これにより、利用者さまやそのご家族から「この人になら安心して任せられる」という信頼を得ることができるでしょう。

また、他職種の専門家と連携する際にも、対等な立場で意見を交わしながら、スムーズに協働できるようになります。

就職・転職活動で有利になる

介護業界は人手不足と言われていますが、より条件の良い職場や人気の高い施設では、当然ながら応募が集中しやすいです。

その際、資格の有無は採用選考において、重要な判断基準となります。

資格を保有していることは、介護職への高い意欲と、即戦力として活躍できる可能性を示す強力なアピールポイントとなります。

そのため、資格取得をきっかけに、希望に合った職場の選択肢を広げることが可能でしょう。

担当できる業務の幅が広がる

無資格の場合、担当できる業務には制限があります。

特に、利用者の身体に直接触れる「身体介護(食事・入浴・排泄介助など)」は、無資格の方が単独で行うことができません。

しかし「介護職員初任者研修」などの資格を取得することで、すべての介護業務を担当できるようになります。

仕事の幅が広がるのみならず、利用者一人ひとりとより深く関わり、一貫したケアを提供できるようになるため、仕事へのやりがいも一層深まるでしょう。

介護職のキャリアパス

介護業界で着実にキャリアを築いていくためには、どのような過程を経て資格を取得していくか、計画的に考えることが重要です。

ここでは、未経験からスタートし、介護のプロフェッショナルへと成長できるよう、代表的なステップアップルートをご紹介していきます。

ステップ1:介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、介護業界への第一歩を踏み出すための「入門資格」です。

この研修を修了することで、これまでできなかった身体介護(食事・入浴・排泄介助など)が可能となり、介護職として本格的なキャリアをスタートできます。

訪問介護員(ホームヘルパー)として働くためには必須であり、施設介護においても取得が推奨されています。

介護の基本的な知識と技術を体系的に学べるため、未経験から介護職に挑戦する方は、まず介護職員初任者研修の取得を目指しましょう。

ステップ2:介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、初任者研修の上位資格であり、介護福祉士を目指すための必須資格です。

「実務者研修」を修了することで、より専門的な知識と技術が身につき、医療的ケア(喀痰吸引など)の基礎も学べます。

また、訪問介護事業所において、サービス内容の管理やヘルパーの指導を行う「サービス提供責任者(サ責)」になるための要件も満たせます。

キャリアアップを目指す上で、避けては通れない重要な資格といえるでしょう。

ステップ3:介護福祉士

介護福祉士は、介護分野における唯一の国家資格であり、介護のプロフェッショナルであることの公的な証明となります。

この資格を取得するには「3年以上の実務経験」と「実務者研修の修了」の両方を満たした上、年に一度の国家試験に合格する必要があります。

介護福祉士になると、給与面での待遇が向上するのみならず、現場のリーダーや教育担当など、より責任のある役割を任されるようになるでしょう。

ステップ4:ケアマネジャー・認定介護福祉士などのさらなる専門職へ

介護福祉士の資格を取得した後も、より専門性を高める道があります。

代表的な専門職が、介護保険サービスの利用計画(ケアプラン)を作成する「介護支援専門員(ケアマネジャー)」です。

介護福祉士として5年以上の実務経験を積むことで、受験資格を得ることができます。

また、介護福祉士の上位資格として「認定介護福祉士」もあります。

これは、介護実践におけるリーダーとして、高度な能力を証明する資格です。

【国家資格編】介護・福祉においてプロを目指せる資格

数ある介護・福祉関連の資格の中でも、もっとも権威と信頼性が高いものは、国が法律に基づいて認める「国家資格」です。

国家資格は取得までのハードルが高い分、専門職としての確固たる地位と、社会的信用を得ることができます。

介護の現場で長くキャリアを築いていきたいと考えるならば、最終的な目標として国家資格の取得を見据えることが重要でしょう。

介護福祉士

先述のとおり「介護福祉士」は、介護分野における唯一の国家資格です。

専門的な知識と技術を用いて、身体上または精神上の障害がある方に対し、心身の状況に応じた介護を行う専門職です。

現場で直接ケアを行えるプロであり、チームリーダーとしてほかの介護職員を指導・育成する役割も担います。

社会福祉士

社会福祉士とは、身体的・精神的・経済的な困難を抱える方の相談に乗り、その問題解決のために最適な社会資源(制度やサービス)と結びつける「相談援助」の専門職です。

「ソーシャルワーカー」とも呼ばれており、高齢者施設のみならず、医療機関や行政、児童福祉施設など、活躍の場が広い点が特徴です。

利用者の生活環境全体を整える役割を担えるため、高いやりがいを感じられるでしょう。

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神科病院や地域の生活支援センターなどにおいて、精神的な障害を持つ方々の社会復帰や、自立を支援する相談援助の専門職です。

別名「PSW(Psychiatric Social Workerの略称)」とも呼ばれます。

さまざまな精神疾患を抱える方々が、その人らしい生活を送れるよう、医療機関や行政、家族との間に立って調整役を担います。

介護現場でも、認知症やうつ病を抱える高齢者への対応に、専門知識が生かせるでしょう。

【公的・民間資格編】キャリアの幅を広げる専門資格

国家資格に加えて、都道府県が認定する公的資格や、各団体が認定する民間資格を取得することにより、特定の分野における専門性を高めながら、キャリアの幅を広げることができます。

ここでは、代表的な公的・民間資格について解説していきます。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修とは、介護職の入門として、一般的とされる公的資格です。

介護の基本的な知識とスキルを130時間のカリキュラムで学び、身体介護を含むすべての介護業務を行えるようになります。

訪問介護員として働くためには必須であり、施設介護においてもキャリアの第一歩として位置づけられています。

最短1カ月程度で取得可能であり、介護の世界に飛び込むためのパスポートともいえる資格でしょう。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修とは、初任者研修の上位に位置づけられる公的資格で、より質の高い介護を実践するための知識・技術を450時間のカリキュラムで学べます。

国家資格である「介護福祉士」の受験には、この介護福祉士実務者研修の修了が必須です。

また「サービス提供責任者」になるための要件も満たすことができ、キャリアアップに有効な資格といえるでしょう。

認定介護福祉士

認定介護福祉士は、国家資格である介護福祉士の上位資格として、一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構が認証する民間資格です。

介護福祉士としての実務経験を積み、さらに高度な知識と実践力を身につけたリーダーを養成することを目的としています。

介護チームのマネジメントや、他職種との連携など、より広い視野で介護を実践する能力を身につける機会となるでしょう。

同行援護従業者

同行援護従業者は、視覚障害によって移動が著しく困難な方の外出を支援する専門職(ガイドヘルパー)の公的資格です。

移動の援護のみならず、外出先での代読や代筆、食事などの介護も行います。

視覚障害者の方の「目の代わり」として、安全な移動を確保し、社会参加を促進する重要な役割を担います。

障害者支援に特化したスキルを身につけたければ、取得をおすすめしたい資格です。

行動援護従業者

行動援護従業者は、知的障害や精神障害により、行動上著しい困難がある方の外出や、社会参加を支援する専門職の公的資格です。

主に、危険を回避するための援護や、移動中の介護を行います。

障害の特性を深く理解し、本人の行動の意図を読み解きながら、安全に行動できるようにサポートする高度な専門性が求められるでしょう。

相談援助・マネジメント系の専門資格

介護の現場で経験を積むと、直接的なケアのみならず、利用者や家族の相談に乗ったり、ケアプランを作成したり、チーム全体を管理したりといった役割に興味を持つ方も増えるでしょう。

ここでは、相談援助・マネジメント系の専門資格について解説していきます。

介護支援専門員(ケアマネジャー)

介護支援専門員(ケアマネジャー)は、要介護認定を受けた方が適切な介護保険サービスを利用できるよう、ケアプランの作成や、サービス事業者との連絡・調整を行う公的資格です。

介護保険制度の要となる存在で、利用者本人や家族の希望を聞き取り、最適なサービスの組み合わせを提案します。

受験資格は、介護福祉士などの国家資格を取得した上で、5年以上の実務経験を積むことが条件です。

主任介護支援専門員

主任介護支援専門員は、ケアマネジャーの上位資格で、地域のケアマネジャーへの指導・助言などを行います。

ほかにも、困難事例への対応や地域包括支援センターの中核を担うなど、より高度な役割を担えるようになる資格です。

主任介護支援専門員になるには、ケアマネジャーとして5年以上の実務経験を積むなど、一定の要件を満たした上で、専門の研修を修了する必要があります。

サービス提供責任者

サービス提供責任者とは、訪問介護事業所において、訪問介護計画書の作成や、担当ヘルパーの指導・管理、業務調整を行う職種です。

通称「サ責」と呼ばれ、事業所に必ず配置しなければならない重要な役職です。

介護福祉士または実務者研修修了者であることが主な要件であり、訪問介護サービスの質の司令塔といえる存在です。

生活相談員(ソーシャルワーカー)

生活相談員(ソーシャルワーカー)は、特別養護老人ホームやデイサービスなどの介護施設に配置され、利用者や家族からの相談に応じたり、入退所の手続きや関係機関との連絡・調整を行ったりする専門職です。

「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」のうち、いずれかの資格を持つことが主な要件です。

現場と利用者・利用者家族の橋渡し役を担い、安心して生活できるようサポートすることが主な役割となります。

認知症ケア・高齢者ケア系の専門資格

日本の高齢化に伴い、特に認知症の方への専門的なケアの需要は、ますます高まっています。

ここでは、認知症ケアや高齢者のQOL(生活の質)向上に特化した専門資格を紹介していきます。

認知症ケア専門士

認知症ケア専門士は、一般社団法人日本認知症ケア学会が認定する民間資格で、認知症ケアに関する高度な学識と技能、倫理観を備えた専門家を養成しています。

「3年以上の実務経験」が受験資格となっており、筆記試験に合格すると認定されます。

介護現場における認知症ケアのリーダーとして、活躍が期待される信頼性の高い資格です。

認知症介助士

認知症介助士とは、公益財団法人日本ケアフィット共育機構が認定する民間資格です。

認知症の方と接する際の心構えや、コミュニケーション方法など、適切な支援の方法を学びます。

介護従事者のみならず、サービス業に従事する方々も、地域で認知症の方を支えるために取得するケースが増えており、社会的な意義も高い資格といえるでしょう。

認知症ライフパートナー

認知症ライフパートナーとは、一般社団法人日本認知症ライフパートナー協会が認定する民間資格です。

認知症の方を「生活者」として捉え、一人ひとりの個性や能力を生かしたアクティビティを通じて、生きがいや楽しみのある生活をサポートする専門家です。

音楽や園芸など、さまざまなアクティビティを企画・実践するための知識と技術を学べます。

介護予防指導士

介護予防指導士は、NPO法人日本介護予防協会が認定する民間資格です。

高齢者が要介護状態になることを予防し、自立した生活を送れるように支援するための専門知識を学びます。

「筋力訓練」「ストレッチング」「転倒予防」など、具体的な運動プログラムの指導技術を習得できるため、地域の介護予防教室などで活躍できるでしょう。

高齢者コミュニケーター

高齢者コミュニケーターは、一般社団法人日本高齢者コミュニケーション協会が認定する民間資格で、高齢者との円滑なコミュニケーションに特化したスキルの保有を証明できます。

加齢による心身の変化を理解し、高齢者が抱える不安や孤独に寄り添いながら、信頼関係を築くための対話技術を学んでケアの質を高めます。

終末期ケア専門士

終末期ケア専門士とは、一般社団法人日本終末期ケア協会が認定する民間資格です。

人生の最終段階にある方とそのご家族に対して、その方らしい最期を迎えられるよう、身体的・精神的・社会的な側面から総合的に支援する「終末期ケア」の専門家です。

個人の尊厳を大切に支えるための知識と倫理観が求められ、やりがいの大きい資格といえるでしょう。

医療・リハビリ連携系の専門資格

介護と医療は、高齢者を支える上で切り離せない密接な関係にあります。

ここでは、医療やリハビリとの連携を深める上で役立つ専門資格をご紹介します。

喀痰吸引等研修

喀痰吸引等研修とは、これまで医師や看護師にしか認められていなかった「喀痰吸引」や「経管栄養」といった医療的ケアを、介護職員が特定の条件下で実施できるようにするための公的研修です。

研修を修了して都道府県に登録することにより、指定された利用者に対して、上記の医療的ケアが可能となります。

医療依存度の高い利用者が増えている現代において、需要の高いスキルを取得できるでしょう。

介護口腔ケア推進士

介護口腔ケア推進士とは、一般社団法人総合健康支援推進協会が認定する民間資格です。

高齢者の口腔ケアに関して、専門的な知識と技術を証明します。

口腔ケアは、誤嚥(ごえん)性肺炎の予防や、食事をおいしく食べる意欲の向上につながり、高齢者のQOLを大きく左右します。

そのため、歯科専門職と連携しながら、日々の介護の中で効果的な口腔ケアを実践できるようになることは、非常に重要なのです。

福祉用具専門相談員

福祉用具専門相談員は、介護ベッドや車いすといった福祉用具の選定や使用方法について、専門的なアドバイスを行う公的資格です。

福祉用具の貸与・販売事業所には、必ず配置が義務付けられています。

利用者一人ひとりの身体状況や住環境を評価し、もっとも適した福祉用具を提案することで、自立した生活を支援する重要な役割を担います。

難病患者等ホームヘルパー

難病を抱える方々への介護には、一般的な高齢者介護とは異なる専門知識が求められます。

難病患者等ホームヘルパーの資格は、難病患者特有の心身の状態や、コミュニケーション方法、必要な医療的ケアの知識などを学ぶ公的研修です。

難病の方への在宅支援サービスの需要は年々高まっており、専門性の高いヘルパーとして活躍の場を広げることができるでしょう。

生活支援・QOL向上系の専門資格

介護の目的は、単に身の回りのお世話をすることだけではありません。

利用者一人ひとりが生きがいや楽しみを持ち、その方らしい豊かな生活を送れるように支援することも、介護の重要な役割です。

中でも、レクリエーションや食事、住環境の整備などのQOL(生活の質)を向上させるための専門知識やスキルは、あらゆる介護現場で役立ちます。

レクリエーション介護士

レクリエーション介護士は、一般財団法人日本アクティブコミュニティ協会が認定する民間資格で、高齢者向けのレクリエーションを企画・実践するための専門知識とスキルを持つことを証明します。

単に利用者の方々を楽しませるだけでなく、レクリエーションを通じて、身体機能の維持・向上や、他者との交流促進などを図ることを目的としています。

福祉レクリエーション・ワーカー

福祉レクリエーション・ワーカーとは、公益財団法人日本レクリエーション協会が認定する公的資格です。

高齢者や障害者といった支援を必要とする方々に対し、レクリエーションを通じて、心身の健康や社会参加を支援する専門家です。

レクリエーション介護士よりも、より福祉全般にわたる広い知識と応用力が求められ、地域活動などの場でも活躍できます。

「レクリエーション介護士」「福祉レクリエーション」、2つのレクリエーション資格を取得し、活躍の場を広げるのも1つの方法です。

福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障害者の方が自宅で安全に、かつ快適に生活できるよう、住環境を整えるための専門的なアドバイスを行う公的資格です。

手すりの設置や段差の解消といった住宅改修のプランニングや、福祉用具の選定などについて、医療・福祉・建築の幅広い知識を使ってサポートします。

ケアマネジャーなどの介護専門職が取得すると、日々の業務で役立てる場面が増えるでしょう。

介護食士

介護食士は、公益社団法人全国調理職業訓練協会が認定する民間資格で、高齢者の咀嚼・嚥下(えんげ)機能に配慮した介護食を作れる専門的な調理技術を証明できます。

栄養学の知識はもちろん、食材の選び方や調理法、衛生管理までを体系的に学べるのが特徴です。

利用者の「食べる楽しみ」をサポートする、大切な役割を担える資格です。

高齢者傾聴スペシャリスト

高齢者傾聴スペシャリストとは、NPO法人日本傾聴能力開発協会が認定する民間資格です。

高齢者の話に深く耳を傾ける「傾聴」の専門的なスキルを身につけたことを証明できます。

高齢者の孤独感や不安な気持ちを受け止め、共感的に寄り添うことにより、心の安定をサポートすることが可能です。

その結果、信頼関係を深めながら、悩みの根本的な解決に取り組めるようになるでしょう。

介護アロマコーディネーター

介護アロマコーディネーターとは、NPO法人日本介護アロマ推進協会などが認定する民間資格です。

アロマテラピーの知識と技術を介護分野に応用し、高齢者の心身の不調を和らげ、リラクゼーションを促進する専門家を目指せます。

介護アロマコーディネーターは、ハンドトリートメントなどを通じて、ストレスの緩和や不眠の改善などを図り、普段のケアに「癒し」の要素を取り入れます。

さらに専門性を高める関連資格

介護の専門性を深める方法は、介護・福祉分野の資格取得だけではありません。

ここでは、介護の知識と親和性が高く、キャリアの選択肢をさらに広げたい方におすすめの関連資格をご紹介します。

ケアクラーク

ケアクラークは、介護事務のスキルを証明する民間資格で、日本医療教育財団が主催しています。

取得する際には、介護報酬請求事務(レセプト作成)や、窓口業務、介護に関する基本的な知識などが問われます。

介護現場の知識を持つ人が介護事務スキルを身につけることで、事業所の運営を支える重要な役割を担うことができます。

ガイドヘルパー(移動介護従事者)

ガイドヘルパー(移動介護従事者)は、高齢や障害により、一人での外出が困難な方の移動を支援する専門職の総称です。

対象者によって「同行援護従業者(視覚障害)」「行動援護従業者(知的・精神障害)」などと分かれています。

介護職員がこの資格を取得することで、利用者の社会参加をより積極的に支援できるようになります。

社会福祉主事任用資格

社会福祉主事任用資格は、公務員として福祉事務所などで働く(ケースワーカーなど)際に、必要となる任用資格です。

この資格を保有していると、特別養護老人ホームの「生活相談員」など、民間施設でも相談援助職として働く際の要件を満たすことができ、キャリアの幅が大きく広がります。

大学での単位修得でも取得可能なため、将来を見据えて勉強をしておくのもおすすめです。

ファイナンシャルプランナー(FP)

ファイナンシャルプランナー(FP)は、個人の資産設計や資金計画についてアドバイスを行うお金の専門家です。

介護の知識を持つFPは、利用者の生活状況を深く理解した上で、介護保険制度なども含めた総合的なライフプランの相談に乗ることができます。

生活相談員やケアマネジャーを目指す人にとっては、非常に強力な武器となる資格です。

サービス介助士

サービス介助士とは、公益財団法人日本ケアフィット共育機構が認定する民間資格で「おもてなしの心」と「安全な介助技術」を学ぶことができます。

介護施設のみならず、駅や商業施設、ホテルなど、あらゆるサービス業で役立ちます。

そのため、介護の専門知識をより広い社会貢献に活かしたいと考える方におすすめです。

介護の資格を活かせる「介護以外の職場」とは?

介護の資格や経験を通じて得られる知識やスキルは、介護施設や訪問介護事業所以外においても、多種多様な業界で高く評価されます。

ここでは、介護の資格を強みとして生かせる「介護以外の職場」の可能性について、詳しくご紹介していきます。

福祉用具・介護用品メーカー/販売・レンタル会社

介護ベッドやおむつ、介護食といった製品を開発・販売する業界では、介護現場のリアルな知識を持つ人材が不可欠です。

「利用者が本当に求めているものは何か」といった現場目線のアイデアは、商品開発やマーケティングにおいて非常に価値があります。

営業職においても、専門的な視点から適切な商品を提案できるため、介護関係の知識・技術は大きな強みとなります。

高齢者向け住宅・不動産業界

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や、シニア向け分譲マンションなど、高齢者の住まいを提供する業界でも、介護の知識は重要です。

入所希望者に対し、建物のバリアフリー性能だけでなく、提携している介護サービスの内容などを具体的に説明できれば、事前に安心感と信頼を与えることができます。

保険業界(生命保険・損害保険)

生命保険会社や損害保険会社では、介護状態になった際に給付金が支払われる「介護保険」などの商品を扱っています。

介護の現場知識を持つ方は、介護にかかるリアルな費用や公的介護保険でカバーされる範囲などについて、顧客へ具体的に説明することが可能です。

説得力のあるコンサルティング営業が可能となれば、結果的に利用者の生活支援につながるでしょう。

公務員(福祉職・行政職)

公務員(福祉職・行政職)は、市役所の高齢福祉課や福祉事務所、地域包括支援センターなどで働く公務員(福祉職)として、地域の福祉制度の運用や住民からの相談に応じる仕事です。

介護の現場経験を持つことは、住民が抱える問題を的確に理解し、適切な制度やサービスに繋げる上で大きなアドバンテージとなります。

一般企業(人事・総務・商品開発など)

一般企業においても、介護の知識が役立つ場面は増えています。

例えば、人事・総務部門では、社員の「仕事と介護の両立」を支援するための制度整備や、相談窓口としての役割が期待されます。

また、あらゆる業界の商品開発において、高齢者の身体・認知機能への理解は、使いやすい製品を生み出すヒントを得るきっかけになり得るでしょう。

自分に合った介護資格の選び方

これまで見てきたように、介護に関連する資格は多種多様です。

ここでは、自分にぴったりの資格を見つけるための視点や、考え方について解説していきます。

ポイント1:「目的」から選ぶ

まずは「何のために資格を取りたいのか」と、目的を明確にしましょう。

未経験から介護職に就きたいのならば「介護職員初任者研修」が必須です。

また、給与を上げたいのが理由ならば「介護福祉士」が目標となるでしょう。

相談援助職を目指す場合は、社会福祉士やケアマネジャーなど、方向性に応じた資格を選ぶのがおすすめです。

ポイント2:「現在の状況」から選ぶ

自分の立場や状況に応じて、取得可能な資格を考えることも大切です。

「全くの未経験」なのか、「すでに介護職として働いている」のか、もしくは学歴や実務経験の年数によっても、受験資格や取得ルートは異なります。

ケアマネジャーや介護福祉士は、一定の実務経験がなければ受験できません。

そのため、まずは今の自分のポジションを明確にし、挑戦できる資格を選びましょう。

ポイント3:「学習スタイル」から選ぶ

資格取得には、当然ながら学習時間が必要です。

「働きながら学びたい」のか、「集中的に学びたい」のかといった点について考え、自分のライフスタイルに合った学習方法を選ぶのも重要なポイントです。

通信講座と通学を組み合わせた資格もあれば、養成施設に長期間通う必要がある資格もあります。

ほかにも、費用のみならず、学習期間や通学の頻度などの詳細も事前に確認しましょう。

資格取得支援制度の活用も検討しよう

近年は、資格取得の費用負担を軽減するための制度も、多くの企業で採用されています。

多くの介護事業所では「資格取得支援制度」を設けており、受講費用を補助してくれます。

これから就職・転職する方は、この支援制度の有無についても、職場選びの条件に加えるのがおすすめです。

また、ハローワークの「教育訓練給付制度」など、国や自治体の支援制度を活用するのも選択肢の一つです。

資格取得の費用を抑える5つの方法

介護資格に挑戦したいと思っても、学習にかかる費用が悩みの種となる方も多いのではないでしょうか。

ここでは、資格取得にかかる費用を賢く抑えるための代表的な5つの方法を解説します。

ハローワークの「教育訓練給付制度」を活用する

ハローワークの「教育訓練給付制度」は、雇用保険の被保険者(または元被保険者)が、厚生労働大臣の指定する教育訓練講座を受講・修了した場合に、受講費用の一部が支給される制度です。

介護職員初任者研修や実務者研修など、多くの介護資格講座が対象となっています。

なお、利用には一定の条件があるため、まずは近くのハローワークに相談してみましょう。

「資格取得支援制度」のある職場に就職・転職する

多くの介護事業所では、働きながら資格を取得する職員を応援するための「資格取得支援制度」を設けています。

研修の受講費用を事業所が全額または一部負担してくれたり、研修日を出勤扱いにしてくれたりする場合もあります。

また、資格取得を目標にしつつ仕事をする場合には、求人情報で「資格取得支援あり」と記載されている事業所を選ぶのがおすすめです。

自治体独自の助成金や貸付制度を調べる

お住まいの都道府県や市区町村が、独自に介護人材育成のための助成金や貸付制度を設けている場合があります。

例えば、受講料の一部を補助してくれるケースや、一定期間その地域で働くことを条件に返済を免除する「修学資金貸付制度」などがあります。

ただし、導入している制度は場所によって異なり、既に募集を締め切っているパターンも多いです。

まずは、自治体の福祉担当課や社会福祉協議会のウェブサイトを確認しましょう。

キャンペーンや割引制度があるスクールを選ぶ

介護資格の講座を開講しているスクールは、さまざまなキャンペーンや割引制度を実施することがあります。

「期間限定割引」「ペア割引」「セット割引」など、その種類は多種多様です。

そのため、複数のスクールの資料を請求し、講座内容のみならず、割引制度も含めてしっかりと比較検討することがポイントです。

割引制度を上手く使うと、数万円単位で費用を抑えることも可能でしょう。

独学が可能な資格は市販テキストだけで挑戦する

福祉住環境コーディネーターなど、一部の資格はスクールに通わず、市販のテキストや問題集を使い、独学で合格を目指すことが可能です。

その場合、かかる費用は数千円のテキスト代と受験料のみとなり、非常に経済的な方法といえるでしょう。

ただし、独学だと「モチベーションの維持が難しい」というデメリットもあります。

勉強のスケジュールを自分で立て、計画的に学ぶことができると、確実に力を身につけることが可能です。

【介護資格を挫折しない】おすすめの勉強方法5選

働きながら、あるいは家事や育児と両立しながら、介護の資格取得を目指すことは、決して簡単なことではありません。

ここでは、資格取得を目指す際に参考にしたい、挫折しないためのおすすめの勉強方法を5つ紹介します。

具体的な学習計画を立ててスケジュールを可視化する

まずは、資格試験日から逆算して、具体的な学習計画を立てることから始めましょう。

「いつまでにテキストを一周する」といったように、月・週・日の単位でやるべきことを細かく設定し、手帳やカレンダーに書き込んで「可視化」します。

達成可能な小さな目標を一つひとつクリアしていくことで、進捗が目に見えて実感しやすくなり、モチベーション向上につながるでしょう。

スキマ時間を徹底的に有効活用する

まとまった勉強時間を確保するのが難しい社会人にとって、通勤電車の中や昼休み、就寝前の15分といった「スキマ時間」の活用は、合否を分ける重要なポイントです。

スマートフォンのアプリや、一問一答形式のWEBサイトなどを活用し、時間や場所に縛られずに学習できる環境を整えましょう。

スキマ時間を使った勉強と、週末のまとまった勉強時間を合わせることで、働きながらでも合格に必要な学習量は確保できます。

「塵も積もれば山となる」の精神で、短い時間を有効に使う習慣が重要です。

インプットとアウトプットを繰り返す

テキストを読むだけ(インプット)では、知識はなかなか定着しません。

学んだ知識を実際に使ってみる(アウトプット)ことにより、学習した内容の記憶は強化されます。

具体的には、1つの章を読み終えたら、すぐに該当する練習問題を解いてみる方法が効果的でしょう。

実際に問題を解くことにより、自分がどこを理解できていないかが明確になります。

その上で、苦手分野を自分なりに分析し、どの領域に勉強時間を多く割くべきなのか考えると、効率的な学習が可能となるでしょう。

分からないことを放置しない

学習を進めていると、どうしても理解できない部分や疑問点が出てくるでしょう。

分からないまま放置してしまうと、学習意欲が低下し、挫折の原因になりかねません。

スクールに通っている場合は講師に質問し、独学の場合は同じ資格を目指す仲間と情報交換する方法などが、解決策として挙げられます。

可能な限りその場で解決し、疑問や不明点を残さないことが重要です。

分からない部分を解決すると、達成感も得られるため、結果的に学習モチベーションの向上にもつながるでしょう。

モチベーションを維持するための工夫をする

長期にわたる勉強において「モチベーションの維持」は、もっとも難しい課題かもしれません。

ときには勉強のやる気を失い、参考書や学習から距離を取ってしまうこともあるでしょう。

そんなときは「なぜこの資格を取りたいのか」と、初心を思い出したり、合格して活躍している自分の姿を具体的にイメージしたりすることが大切です。

また、週に一度は勉強から離れる日を作ってリフレッシュするなど、意識的に休息を取ることも重要です。

勉強する習慣を継続していくためにも、あえて休むという選択肢を取ることも、勉強に挫折しないためにも有効でしょう。

介護資格を取得する際のよくある質問

介護の資格取得を検討する中で、多くの方が共通の疑問や不安を抱えています。

そこで以下では「働きながらでも本当に取れるの?」「年齢的に今からでも遅くない?」など、よくある質問とその回答をまとめました。

資格取得に関する悩み・不安を解消し、安心して一歩を踏み出す準備をしていきましょう。

Q1. 働きながらでも資格は取れますか?

十分に可能です。

実際に、介護職員初任者研修などの受講生の多くは、働きながら学んでいます。

また、多くのスクールが「土日コース」や「夜間コース」など、社会人が学びやすいカリキュラムを用意しています。

具体的な学習計画を立て、スキマ時間を有効活用することにより、資格取得を実現することは可能です。

Q2. 資格取得までにかかる期間はどれくらいですか?

資格によって大きく異なります。

入門資格である「介護職員初任者研修」は、最短で約1カ月、働きながらであれば3〜4カ月程度が一般的です。

「介護福祉士」や「ケアマネジャー」は、数年間の実務経験が受験資格として必要となることから、未経験から取得するならば長期的な計画が必要となります。

Q3. 資格を取得するのに年齢制限はありますか?

介護の資格を取得するに当たり、基本的に年齢の上限はありません。

介護業界の特徴として、40〜50代から未経験でキャリアをスタートする方も多いです。

人生経験の豊かさが、利用者とのコミュニケーションに生かせる場面も多くあります。

そのため、資格取得の意欲があれば、何歳からでも挑戦することは可能です。

Q4. 実務経験がないと受けられない資格はありますか?

あります。

例えば「介護福祉士」は、実務経験ルートで受験する場合、3年以上の実務経験が必要です。

また「ケアマネジャー」は、介護福祉士などの国家資格を取得してから、5年以上の実務経験が求められます。

このことから、まずは「初任者研修」など、実務経験がなくてもよい資格から目指すのが一般的です。

Q5. 複数の資格を持つことにメリットはありますか?

大きなメリットがあります。

複数の資格を組み合わせることで、あなた独自の専門性を確立し、他者との差別化を図ることが可能です。

例えば「介護福祉士」と「福祉住環境コーディネーター」を持っていれば、ケアのみならず、住環境の提案もできる専門家として高く評価されるでしょう。

複数の資格を取得する計画を立てるのも、将来のキャリアの選択肢を広げるためには、効果的な方法の一つです。

まとめ

介護の仕事は無資格からでも始められますが「介護職員初任者研修」といった資格を取得することで、給与アップや業務範囲の拡大など、数多くのメリットが得られます。

そして「実務者研修」「介護福祉士」「ケアマネジャー」へと段階的にステップアップすることにより、介護のプロとしてのキャリアを確かなものにできます。

また、認知症ケアや医療連携など、自分の興味に合わせて専門資格を取得すれば、キャリアの幅はさらに広がるでしょう。

大切なことは、自分の将来像を明確にし、それに合った資格を計画的に取得していくことです。

この機会に、ぜひ自分のやりたいことや将来像を見つめ直し、具体的なキャリアプランを考えてみてはいかがでしょうか。