「介護士としてキャリアアップしていくにはどうすればいいの?」
「お給料を上げたいけど、具体的な方法がわからない」
介護でキャリアアップ・給料アップを目指すなら、主に資格取得・役職アップ・職場の変更の3つの選択肢があります。
本記事では、3つのうち今の自分がやるべきものはどれか、行動したら具体的にいくら増えるのかをまとめました。
「自分は何をすればいいか」「どの道に進めば納得して給料を上げられるか」が知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 介護でキャリアアップ・給料アップする方法は3つ
- 介護の役職別の平均給与額一覧
- 介護1年目から取り組めるキャリアアップのロードマップ
- 【一覧】キャリアアップに使える資格に必要な費用・期間・条件
- 介護職員初任者研修
- 実務者研修
- 介護福祉士
- 介護福祉士の試験は簡単?合格率が高い理由や注意点、取得のメリットも解説
- ケアマネジャー
- 現場・管理職・相談職から自分に合うキャリアを選ぶ基準
- 研修や講演会で介護に関する知識を身に付けつつ評価を上げる方法もある
- 介護のキャリアアップに関してよくある質問
- まとめ
介護でキャリアアップ・給料アップする方法は3つ
介護の仕事でキャリアアップ・給料アップする方法は、主に3つあります。
- 資格を取る
- 役職をもらう
- 職場を変える
本章では、3つの方法の具体的な行動について解説します。
資格を取る
3つの方法のなかで、比較的手をつけやすいのが資格取得です。
しかし、資格を取って増えるのは資格手当だけで、いくら増えるかは職場によって異なります。
以下の表は、資格によって受け取れる手当の一例です。
| 資格・研修 | 資格手当の例(月) |
| 介護職員初任者研修 | 5,000円程 |
| 実務者研修 | 7,000円程 |
| 介護福祉士 | 10,000〜15,000円程 |
| 社会福祉士 | 10,000円程 |
| ケアマネジャー | 20,000円程 |
役職をもらう
役職をもらえば、基本給が上がったり、役職手当がついたりして、キャリアと給与の両方でプラスになります。
しかし、役職は資格の有無や勤続年数のみによって任されるとは限りません。
役職を得たいと考えているなら、資格の勉強をしながら、毎日の働き方も意識する必要があります。
職場を変える
職場を変える場合、資格や仕事内容は変わらないまま、給与がアップするケースがあります。
事業所によって、基本給や資格手当の基準が異なるためです。
ただし、職場の変更はキャリアアップではなく、給料を上げたいときの方法です。
同時にキャリアも上げたい場合は、望んでいる役職や役割で募集している求人を選ぶ必要があります。
介護の役職別の平均給与額一覧
実際に資格を取得したり、役職をもらったりした後の給与についてまとめました。
| 職種 | 基本給/月 | 手当/月 | 給与の合計/月 |
| 介護職員 | 192,660円 | 61,150円 | 253,810円 |
| 生活相談員・支援相談員 | 220,560円 | 57,240円 | 277,800円 |
| ケアマネジャー (介護支援専門員) | 224,280円 | 66,060円 | 290,340円 |
※処遇改善加算を取得している事業所に勤務する、常勤・月給者の平均給与額(令和6年度)
このように、資格手当や役職手当は基本給にプラスされるため、職種や役職によって給与の差が出ます。
また、基本給が上がればボーナスも増え、次の昇給も上がった基本給から積み上がります。
給料アップを目指すなら、役職が付いたときに基本給も上がるのかを確認しておきましょう。
参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
介護1年目から取り組めるキャリアアップのロードマップ
介護の仕事を始めた1年目から、キャリアアップや給与アップへ向けて動き始めることができます。
具体的なロードマップは以下のとおりです。
- 1年目|初任者研修を修了して、介助の基礎を学ぶ
- 2年目|実務者研修を修了して、介護福祉士の受験資格を確保
- 3年目以降|介護福祉士を取得して、リーダーを任せてもらえるようにする
- 5年目以降|管理職かケアの調整役になるかの方向性を決める
(※ロードマップはあくまでも一例です)
本章では、年数ごとの「目指すべき資格」「業務で意識すること」を解説します。
なお、それぞれの資格にかかる費用や受験の条件は、本記事の「【一覧】キャリアアップに使える資格に必要な費用・期間・条件」の見出しでまとめて解説します。
費用が気になる方は、そちらも参考にしてみてください。
1年目|初任者研修を修了して、介助の基礎を学ぶ
無資格で働き始めた場合、最初の目標は介護職員初任者研修の修了です。
無資格のままだと身体介助ができないため、介護職員として携われる準備をしておきましょう。
業務では、以下の3点を意識するのが大切です。
- 迷ったら些細なことでも先輩に伝え、自分のさじ加減で判断しないようにする。
- 「なぜこの声のかけ方をするのか」など、理由を考えながら動く。(これにより学びが深まる)
- 積極的に挨拶やコミュニケーションを心がけ、信頼を積み上げていく。
なかでも報連相は、事故の防止にもつながる大切なポイントです。
2年目|実務者研修を修了して、介護福祉士の受験資格を確保
2年目に入った頃は、実務者研修の受講を進めておきましょう。
働きながら介護福祉士の国家試験を受けるために必要で、修了するのに6カ月ほどかかります。
3年目になってから進めると、介護福祉士の受験日までに修了しない可能性があります。
業務の中では、以下の点ができているか意識しましょう。
- 自分が行っている介助・関わりが、計画のどこにつながっているのかを意識できるようにする。
- 体調や表情の変化を観察し、言葉にできないサインを読み取れるよう意識する。
- ヒヤリハットなど、危険を先に予測できるようにし、事故が発生する前の予防を意識する。
2年目で気をつけたいのは、決まった作業をこなすだけで終わってしまわないことです。
ケアプランの内容を理解し、流れ作業にならないよう、目的を持って介助するようにしましょう。
3年目以降|介護福祉士を取得して、リーダーを任せてもらえるようにする
3年目に入ると、介護福祉士の受験が可能になります。(※)
キャリアアップを目指す上で必要不可欠な資格のため、必ず取得しておきましょう。
業務では、後輩になぜこの声のかけ方をするのか、なぜこの介助方法を選ぶのかなど、ケアの理由を言葉で説明できるようになっておくのが理想です。
(※)厳密には、従業期間1095日以上(在籍期間3年以上)と従事日数540日以上
5年目以降|管理職かケアの調整役になるかの方向性を決める
5年目に入ったら、今後進むべき方向性を少しずつ決めておきましょう。
管理職を目指す場合、ポストが空いた際に声をかけてもらえるよう、毎日の働き方・考え方を意識する必要があります。
相談員を希望する場合には、家族対応や役所との連絡を担当しつつ、施設がどう回っているかを学んでおくのもおすすめです。
運営側の知識を先に持っておくと、管理職になったあとの仕事にもつながりやすくなります。
ケアマネジャーを目指すのであれば、介護支援専門員の資格取得が目標です。
【一覧】キャリアアップに使える資格に必要な費用・期間・条件
キャリアアップの助けになる資格は、主に5つあります。
- 介護職員初任者研修
- 実務者研修
- 介護福祉士
- ケアマネジャー
上記の資格について、費用・取得までの期間・取得するための条件をまとめました。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、無資格から介護を始める方が最初に受ける研修です。
試験はありますが修了試験のため、授業を受けていれば合格できます。
| 項目 | 内容 |
| 費用の目安 | 約5〜8万円 |
| 学ぶ時間 | 130時間 |
| 通う期間 | 約1〜4カ月 |
| 受講の条件 | なし |
夜間や土日に開いているスクールもあるため、働きながらでも通学可能です。
修了すると、利用者の体に直接触れる介助をすることが可能になります。
実務者研修
実務者研修は、働きながら介護福祉士を受験するために必要な研修です。初任者研修を修了していれば学習時間が320時間に短縮されます。
| 項目 | 内容 |
| 費用の目安 | 約10万円 (初任者研修を持っている場合) |
| 学ぶ時間 | 無資格:450時間 初任者研修の修了者:320時間 |
| 学ぶ期間 | 約6カ月 |
| 受講の条件 | なし |
| 学び方 | 自宅での学習+月に数回の通学 |
かかる費用は高額ですが、事業所によっては費用を負担してくれるところもあるため、確認してみるのがおすすめです。
また、社会福祉協議会で利用できる貸付制度(条件によっては返済不要)もあります。
介護福祉士
介護福祉士は、介護の分野で唯一の国家資格です。
学科試験のみのため、毎日少しずつ勉強し、試験日に向けて知識を増やしておきましょう。
| 項目 | 内容 |
| 受験の条件 | 実務者研修の修了+実務経験3年以上 (実務で学びながら受験する場合) |
| 受験手数料 | 20,510円 |
| 登録にかかる費用 | 12,320円 |
| 試験形式 | 125問。5つの選択肢から1つ選ぶ形式が基本 |
| 試験の時期 | 年1回(例年1月ごろ) |
介護福祉士で気をつけたいのが「実務経験3年」の数え方です。
在籍していた期間が3年以上あることに加えて、実際に介護の仕事をした日数が540日以上必要です。
詳しくは以下の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
参考:社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」「資格登録」
ケアマネジャー
ケアマネジャーは、正式名称「介護支援専門員」という資格です。
取得していれば、施設や居宅支援事業所でケアマネジャーとして勤務できます。
| 項目 | 内容 |
| 受験の条件 | 介護福祉士等の資格に基づく業務または相談援助業務に5年以上かつ900日以上従事 |
| 受験手数料 | 都道府県によって異なる |
| 試験形式 | 60問/120分 |
| 合格後 | 実務研修の修了+都道府県への登録が必要 |
合格後も実務研修と都道府県への登録が必要なため、実際に働けるようになるまでには数カ月以上かかります。
現場・管理職・相談職から自分に合うキャリアを選ぶ基準
介護職でのキャリアには、主に以下の4つがあります。
- 現場で介護を極める
- 管理職になる
- 相談・調整役になる
- 独立・開業する
以降では、それぞれの働き方の特徴と選ぶときの判断材料を解説します。
現場で介護を極める
利用者と関わり続けたい方には、現場で専門性を深める道があります。
「グループホームで認知症ケアを極める」「特別養護老人ホームで看取りケアを極める」といったイメージです。
体の負担は変わらず、昇給の幅も管理職ほどではありませんが、長く現場で働き続けたい方に向いている進路です。
管理職になる
人をまとめる仕事に関心がある方には、管理職を目指す道があります。
昇進はリーダー・主任・係長・施設長という流れが一般的です(※事業所によって異なります)。
ただし施設長は1人だけのため、基本的には前の担当者が退職等しない限り席は空きません。
また、施設長の仕事はシフト調整・採用・お金の管理が中心となり、利用者に関わる時間は減って、事務作業と会議が増えます。
相談・調整役になる
段取りを組むのが得意な方や、事務作業が苦手でない方には、介護サービスの調整役になる道があります。代表的なのは以下の3つです。
- 生活相談員
- ケアマネジャー
- サービス提供責任者
3つに共通するのは、利用者を抱えたり支えたりする場面が減り、腰への負担が軽くなる点です。
なお、ケアマネジャーに関しては、キャリアアップというより「違う職種になる」という表現が近いです。
独立・開業する
「独立・開業」は、役職を上げていく道とは違い、会社をつくって経営者になる選択肢です。
職員を抱える責任はもちろん伴いますが、「自分の理想とする施設を運営したい」という思いがある方なら、目指す価値はあります。
研修や講演会で介護に関する知識を身に付けつつ評価を上げる方法もある
「資格を取る以外で介護の勉強をしたい」という場合、研修や講演会に参加する方法があります。
自治体・地域包括支援センター・介護の団体が主催するものは、多くが無料です。
案内は各事業所に届いているため、上司や事務の担当者に「勉強がしたいので、研修があったら教えてください」と伝えておくと、情報が入りやすいです。
前もって伝えておけば意欲のある職員だと受け止めてもらえるため、役職を任される可能性も高くなります。
介護のキャリアアップに関してよくある質問
本章では、介護のキャリアアップや給料アップに関してよくある質問をまとめました。
Q. 介護職で一番上の資格は何ですか?
A. 国家資格では介護福祉士です。
また、介護福祉士の上に位置づけられた民間資格として、認定介護福祉士があります。
社会福祉の分野まで幅を広げると、社会福祉士が上位の資格となっています。
Q. 40代・50代からでもキャリアアップできますか?
A. できます。介護の仕事では、年齢よりも実務経験・保有資格・日々の介護に対する姿勢・人柄などが総合的に評価されるためです。
Q. 介護職に将来性はありますか?
A. 必要とされる介護職員の数は、今後も増えると見込まれています。
厚生労働省は2026年度に約240万人、2040年度に約272万人が必要と公表しました。
ただし、人手が必要とされることと給料が上がることは別の話です。
まとめ
介護のキャリアアップは、まず資格を取るところから始まります。
ただし、資格を取得したらすぐにキャリアアップできるわけではありません。
毎日の働き方、入所者・利用者様との関わり方、スタッフとの接し方など、総合的に見て上長が判断します。
そのため、資格取得で知識を得ると同時に、日々の業務にも誠意と目的を持って取り組む必要があります。
また「自分の職場はキャリアアップを応援してくれるところなのか」をチェックしておくのも大切です。
自分の望む形でキャリアアップ・給料アップできるよう、本記事で紹介した内容を参考に、やるべきことの方向性を決めてみてください。

