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19老健で働くと給料はいくら?相場やアップのコツも紹介!

介護老人保健施設、通称「老健」は、要介護認定を受けた方が自宅での生活に戻ることを目的に、リハビリや介護支援を行う施設です。

そんな老健で働く職員の給料は、職種や勤務形態によって大きく異なります。

本記事では、老健で働く主な職種ごとの給料相場を分かりやすく解説します。

併せて、給料をアップさせるための方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

老健で働く職員の給料相場

老健で働く職員の給料相場を、職種別に解説します。

介護職員の給料相場

厚生労働省が実施した「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護老人保健施設(老健)で働く介護職員の平均月給は、常勤で35万2,900円、非常勤で22万6,310円となっています。

勤務形態ごとの平均給与額は、以下のとおりです。

勤務形態平均給与額
月給常勤:35万2,900円 非常勤:22万6,310円
日給常勤:25万4,360円
時給常勤:23万4,080円 非常勤:15万4,880円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

平均給与額は月給で働く常勤職員がもっとも高く、日給や時給で働く社員とは約10万~12万円の差があります。

 

<ほかの施設で働く介護職員との比較>

月給制で働く常勤職員の平均給与額がもっとも高く、日給制や時給制の非常勤職員とは、約10万~12万円の差があります。

施設平均給与額(月給)
介護老人保健施設(老健)常勤:35万2,900円 非常勤:22万6,310円
介護老人福祉施設常勤:36万1,860円 非常勤:25万7,620円
介護医療院常勤:33万30円
訪問介護事業所常勤:34万9,740円 非常勤:17万7,090円
通所介護事業所常勤:29万4,440円 非常勤:21万8,710円
通所リハビリテーション事業 所常勤:31万9,310円 非常勤:22万1,800円
特定施設入居者生活介護 事業所常勤:36万1,000円 非常勤:23万360円
小規模多機能型居宅介護 事業所常勤:30万5,220円 非常勤:23万6,060円
認知症対応型共同生活介護 事業所常勤:30万2,010円 非常勤:20万1,810円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

ほかの介護施設や事業所と比較しても、老健で働く職員の平均給与額は、常勤も非常勤も高めになります。

看護師の給料相場

厚生労働省が実施した「令和5年度介護事業経営実態調査結果」によると、介護老人保健施設(老健)で働く常勤の看護師の平均月給は46万9,573円となっています。

勤務形態別の平均給与額は、以下のとおりです。

免許の種類平均給与額
看護師常勤:46万9,573円 非常勤:36万1,973円
准看護師常勤:40万9,282円 非常勤:33万7,238円

出典:厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果

准看護師は、看護師や医師の指示のもとで業務を行うため、常勤・非常勤を問わず、看護師のほうが平均給与は高くなっています。

 

<ほかの施設で働く看護師との比較>

老健で働く看護師と、そのほかの介護施設や事業所で働く看護師の平均給与額を比較すると、以下のようになります。

施設平均給与額
介護老人保健施設(老健)常勤:46万9,573円 非常勤:36万1,973円
介護老人福祉施設常勤:45万5,491円 非常勤:37万4,513円
介護医療院常勤:46万520円 非常勤:38万5,451円
訪問入浴介護施設常勤:42万318円 非常勤:40万7,370円
訪問介護施設常勤:46万3,927円 非常勤:39万3,566円
訪問リハビリテーション事業所常勤:37万9,586円 非常勤:32万4,270円
通所介護施設常勤:37万5,327円 非常勤:33万9,893円
通所リハビリテーション事業所常勤:41万7,917円 非常勤:36万2207円
短期入所生活介護施設常勤:40万6,857円 非常勤:35万6,70円

出典:厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果

老健で働く看護師の平均給与額は、介護職員と比べても全体的に高く、ほかの介護施設や事業所で働く看護師と比べても比較的高水準であることが分かります。

老健で働く職員の給料が高い理由

老健で働く介護職員の給与は、ほかの介護施設や事業所と比べても高めの水準にあります。

その理由の一つとして、老健では通常の介護サービスに加え、医療ケアやリハビリテーションなど専門性の高いサービスを提供している点が挙げられます。

介護職員にも一定の医療・リハビリ知識が求められるため、優秀な人材を確保する目的で給与が高めに設定されているのです。

また、老健に入所している方は要介護1以上の認定を受けた方が多く、介護の負担が大きくなりやすいことも給与水準に影響しています。

さらに、老健は24時間体制で夜勤シフトがある施設が多く、夜勤手当の加算により基本給以外の手当も充実しています。

加えて、政府による処遇改善加算の影響も見逃せません。人材確保を目的としたこの加算制度により、老健で働く介護職員の給与や手当は、業界全体の中でも比較的高い水準にあると推測されます。

老健で働く職員が給料をアップさせる方法

老健で働く職員が今よりも高い収入を目指すための具体的な方法について解説します。

手当が支給される資格を取得する

介護に関わる資格を取得すると、資格手当の支給が期待でき、給与アップにつながります。

介護職員の保有資格別の平均給与相場は、以下のとおりです。

資格名平均給与額
介護福祉士35万50円
社会福祉士39万7,620円
介護支援専門員38万8,080円
実務者研修32万7,260円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

資格を持っていない介護職員の平均給与は約33万9,960円ですが、資格を取得している方はこれよりも高い給与を得ている傾向があります。

さらに、資格があることで就職や転職の際にも有利になるため、まだ資格をお持ちでない方は取得を検討することをおすすめします。

資格取得は給与アップだけでなく、キャリアの幅を広げるためにも重要です。

 

<給料アップにおすすめの資格>

給料を上げたい介護職員におすすめの資格と、資格手当の相場は次のとおりです。

資格名資格手当の平均額
介護職員初任者研修3,221円
介護福祉士実務者研修5,618円
介護福祉士9,482円
社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格9,391円
介護支援専門員1万4,198円

出典:e-Stat政府統計の総合窓口「介護従事者の一人当たりの基本給及び職務関連手当(職種別)

資格を取得すると、手当の支給によって月に3,000~14,000円ほどの給与アップが期待できます。

特に介護支援専門員(ケアマネジャー)は専門職として資格手当が高いため、取得を目指す価値が大いにあります。

夜勤の回数を増やす

夜勤の回数を増やすと、その分夜勤手当が支給されるため、給料がアップします。

夜勤で給料が増える理由は、単に夜勤手当がつくからだけではありません。

労働基準法では、午後10時から翌朝5時までの勤務に対して、日中の賃金の1.25倍の深夜割増賃金を支払うことが義務付けられています。

そのため、夜勤の労働時間に応じて給与が上乗せされる仕組みです。

介護職の夜勤回数に法律で明確な上限はありませんが、身体的負担が大きいため、一般的には月に8~9回程度までを目安としています。

夜勤の回数を増やしたい場合は、シフト作成者に相談して希望を伝えてみましょう。

参照:厚生労働省「労働基準法の概要

管理職や施設長になる

老健で管理職や施設長に昇進できれば、役職手当が支給されるようになります。

管理職と一般職の平均給与は、以下のとおりです。

管理職42万10円
管理職でない34万4,090円

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果

管理職のほうが、月給で約8万円、年収に換算すると約96万円も高いことが分かります。

キャリアアップを目指すには、実務経験を積みながら、介護に関する知識やスキルをしっかり身につけることが大切です。

介護職は未経験からでもステップアップしやすい職種なので、年齢や性別にとらわれず、ぜひチャレンジしてみましょう。

副業で稼ぐ

休日に働く体力がある方には、ダブルワークをおすすめします。

ただし、労働基準法により、夜勤明けの翌日は勤務できないため注意が必要です。

介護職員に人気の副業先としては、働きたい時間に調整しやすい訪問介護があります。

また、介護の経験を生かして家事代行業者で働くことも可能です。

ただし、副業に時間を割きすぎるのは避け、本業に支障が出ない範囲で取り組みましょう。

高待遇の老健に転職する

老健で働く介護職員の給料は比較的高めですが、施設の規模や地域によって差があります。

より高収入を目指すなら、待遇のよい老健への転職を検討してみましょう。

ただし、転職先を老健に限定する必要はありません。

介護老人福祉施設や特定施設入居者生活介護事業所も、老健と同程度の給与水準である場合があります。

給与の高さだけでなく、介護職員として成長できる環境かどうかも重要なポイントです。

待遇のよい老健の特徴

転職するなら、どのような老健を職場として選ぶべきなのでしょうか。

待遇のよい老健の特徴について解説します。

賞与や手当がある

収入アップを目指すなら、賞与や各種手当をきちんと支給している老健を選ぶことが重要です。

基本給が高くても、賞与や手当がなければ給料の大幅な増加は期待しにくいためです。

また、賞与の支給回数や手当の種類も事前に確認しましょう。

老健で支給される代表的な手当は以下のとおりです。

  • ・時間外手当
  • ・夜勤手当
  • ・資格手当
  • ・通勤手当
  • ・住宅手当
  • ・扶養手当
  • ・処遇改善手当

特に処遇改善手当を職員に適切に還元している老健は、介護職員の待遇向上に積極的な取り組みをしていると判断できます。

転職を検討する際は、これらの手当の支給額や分配方法をしっかり確認しておきましょう。

昇給の基準が明確

キャリアアップを目指すなら、昇給の基準が明確に設定されている職場を選ぶことが重要です。

基準があいまいだと、どの方向に努力すればいいかが分かりづらくなってしまいます。

一般的な昇給の要件としては、経験年数や保有資格、業務評価などが挙げられますが、「どのくらいの経験が必要か」「どの資格が求められるか」「どのような行動や成果が評価されるか」などを具体的に示している職場を選びましょう。

事業所の規模が大きい

利用者数や職員数が多い老健は、経営が安定していると判断できます。

利用者が多く利益を確保できているからこそ、多くの人材を集めて質の高いサービスを提供できるのです。

逆に経営が悪化すれば、老健でも倒産や廃業のリスクがあります。

給料の高い老健で長く安定して働くために、利用者数や職員数の状況も把握しておきましょう。

老健で働く職員の仕事内容

老健では、介護職員のほかに、看護師や理学療法士、医師が職員として働いています。

老健職員の仕事内容を、それぞれ解説します。

介護職員

老健で働く介護職員の主な仕事内容は、次のとおりです。

  • ・食事介助
  • ・入浴介助
  • ・排泄介助
  • ・起床・就寝介助
  • ・移動介助
  • ・イベントの企画や運営
  • ・記録業務

夜勤時には、定期的な排泄介助や体位交換、見回りを行います。

また、ナースコールで呼び出された際には迅速かつ適切な対応が求められます。

医療行為が必要な場合には、看護師や医師のサポートを行うこともあります。

看護師

老健で働く看護師の主な仕事内容は、次のとおりです。

  • ・申し送り
  • ・利用者の健康観察
  • ・診察介助
  • ・医療処置
  • ・食事の介助・配薬
  • ・看護記録の作成

病院勤務の看護師は診察介助や医療処置の時間が多くなる傾向にありますが、老健の看護師は利用者の身の回りのケアを担当することが多くなります。

また、医療機関と比べて緊急対応が必要な場面は少ないため、落ち着いた環境で働けるのが特徴です。

理学療法士

老健で働く理学療法士の主な仕事内容は、次のとおりです。

  • ・理学療法プログラムの作成
  • ・リハビリテーションの実施
  • ・環境整備

ここでいう環境整備とは、利用者がより生活しやすい環境を整えることを指します。

具体例としては、段差の解消や手すりの設置、自宅のバリアフリー化の提案、照明の設置などがあります。

老健の理学療法士は、病院やクリニックと比べて緊急性の高い利用者が少ないため、残業時間が短くなる傾向にあります。

医師

老健で働く医師の主な仕事内容は、利用者の健康管理と診察が中心です。

当直やオンコールなど負担の大きい業務が少ないため、セカンドキャリアとして老健の医師を選ぶ方も多くいます。

ただし、老健は医療機関ほど設備が充実していないため、行える医療行為の範囲は限られています。

老健で働くメリット

介護職員として、老健で働くメリットを解説します。

残業が少ない

老健は24時間体制で利用者を見守る必要があるため、夜勤と日勤のシフト制で運営されています。

時間帯ごとに定められた人数が配置されているため、残業が発生する可能性は低いです。

また、医療機関のように勤務後に研修会やミーティングが行われることもありません。

そのため、家族と過ごす時間やプライベートな時間を確保しやすい点が魅力です。

介護や医療にリハビリに関する専門的な知識が得られる

ほかの介護施設では介護に関する知識が中心ですが、老健では医療やリハビリなど、他職種の専門的な知識も身に付けることができます。

こうした知識は、ほかの職種へのキャリアチェンジや、介護職としてのスキルアップにも生かせます。

介護のスキルを磨きながら医療やリハビリについて学べるのは、非常に貴重な経験といえるでしょう。

身体的な負担が少ない

老健は利用者の在宅復帰をサポートすることが主な業務であるため、介護度が高い介護老人福祉施設(特養)と比べると、身体的な負担が少ない傾向があります。

また、日々の業務に追われる心配が少なく、緊急対応が必要なケースも少ないため、利用者とじっくりコミュニケーションを取ることが可能です。

体力に自信がない方でも、老健は働きやすい環境といえるでしょう。

多くの利用者と関わることができる

老健の入所期間は原則として3~6カ月とされており、短期間で多くの利用者と関わることができます。

多様な方と交流することでコミュニケーション能力が高まり、介護職員としてだけでなく、人間としても大きく成長できるでしょう。

また、異なる価値観を持つ方と出会うことで視野が広がり、相手に合わせた接し方を学ぶことができるため、介護スキルの向上も期待できます。

目標が明確でやりがいがある

老健の目的は、要介護状態の高齢者の自立支援や在宅復帰です。

明確な目標があるため、利用者が自宅に戻れるようになった際には、大きな充実感を味わうことができます。

また、利用者の機能回復を見守り、在宅復帰に向けて支援してきた他職種の仲間とも喜びを共に分かち合えるでしょう。

老健で働くのが向いている方の特徴

最後に、老健で働くのが向いている方の特徴を解説します。

医療ケアに興味がある

老健は、介護の知識だけでなく医療の知識も同時に身につけたい方に適した職場です。

介護職員が行う医療行為は体温測定や血圧測定など比較的軽度なものですが、医師や看護師による医療ケアの現場に立ち会うことができ、より専門的な知識を学べる環境があります。

他職種と一緒に働きたい

介護職員だけでなく、医師や看護師、理学療法士など他職種と連携して働きたい方には、老健での勤務が適しています。

多職種が協力することで、利用者により質の高いケアやサービスを提供できるようになります。

コミュニケーション能力が高い

老健では、他職種の職員や利用者と関わる機会が多いため、初対面の人ともスムーズにコミュニケーションが取れる方に向いています。

人と積極的に関わることが好きな方であれば、毎日楽しく働き続けられるでしょう。

観察力や対応力に優れている

老健を利用する方は転倒のリスクが高いため、安全に過ごせるよう環境を整備する必要があります。

危険を察知する観察力や、トラブルが起こった際に冷静に対応できる力がある方は、老健で働くのに適しているといえるでしょう。

気持ちの切り替えが早い

老健の利用者は6カ月以内の自宅復帰を目指しているため、長期間サポートをすることはできません。

そのため、出会いが多い分、別れも多い職場です。気持ちの切り替えがスムーズにできる方に向いているといえるでしょう。

まとめ

今回は、老健で働く職員の給料相場について詳しくご紹介しました。

老健は医療行為やリハビリテーションも提供するため、介護職員だけでなく医師や看護師、理学療法士など多職種が連携して働いているのが特徴です。

この専門性の高さが影響し、介護職員の給与はほかの介護施設と比べても比較的高めに設定されています。

さらに、資格取得やキャリアアップ、転職によって収入を増やすことも十分可能です。資格手当や役職手当など各種手当の充実も、給与面での魅力となっています。

また、老健は残業が少なく身体的な負担も軽めであるため、介護職として長く働きやすい環境といえるでしょう。

介護の知識だけでなく医療やリハビリの知識も学べる点や、多職種と連携しながらチームで利用者を支えるやりがいも大きな魅力です。

介護職としてのスキルアップや収入アップを目指す方、働きやすさも重視したい方は、老健での勤務を検討してみてはいかがでしょうか。