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111後悔しないサ高住の選び方は?費用や入所条件・他施設との違いまで解説

終の住まいとしてサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を検討している方のなかには、「自分に合っているのか」「ほかにどのような選択肢があるのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。

サ高住は自由度が高く人気の住まいですが、費用やサービス内容、介護体制などは施設ごとに異なるため、事前にしっかりと理解しておくことが大切です。

本記事では、サ高住の基本から費用や入所条件、ほかの施設との違いまで分かりやすく解説し、後悔しないための選び方のポイントを紹介します。

Contents
  1. サ高住とは
    • サ高住の定義と「高齢者住まい法」による位置づけ
    • サ高住の市場背景
    • サ高住の契約形態
  2. サ高住の2つの種類「一般型」と「介護型」の違い
    • サ高住の約9割を占める「一般型」
    • 特定施設入所者生活介護の指定を受けた「介護型」
    • 一般型と介護型のどちらを選ぶべきか
  3. サ高住の入所条件
    • 原則60歳以上または要支援・要介護認定者
    • 自立〜軽度の要介護者が主流だが重度の対応も増加傾向
    • 認知症の方の受け入れは要相談
    • 夫婦や親族同士での二人入所も可能
    • 連帯保証人・身元保証人の必要性
  4. サ高住としての基本サービス
    • 安否確認と見守りサービス
    • 生活相談
  5. 必要に応じて利用が可能なオプションサービス
    • 緊急対応
    • 生活支援サービス
    • 食事提供サービス
    • 介護サービス
    • 医療サービス
    • レクリエーション
    • リハビリテーション
    • 看取りの対応
  6. サ高住の人員基準
    • 一般型の人員基準
    • 介護型の人員基準
  7. サ高住の設備基準
    • 居室面積
    • 居室内の設備
    • バリアフリー構造の具体的な基準
  8. サ高住とほかの施設との違い
    • 住宅型有料老人ホームとの違い
    • 介護付き有料老人ホームとの違い
    • シニア向け分譲マンションとの違い
  9. サ高住にかかる費用の相場と内訳
    • 入所時に必要な初期費用の目安
    • 毎月支払う月額利用料の内訳
    • 年金だけで住める?
    • 自治体独自の家賃補助制度
  10. サ高住を選ぶメリット・デメリット
    • 自由な生活スタイルが可能
    • 初期費用を抑えられる
    • 一人暮らしの不安を安否確認サービスで解消できる
    • 住み替えがしやすい
    • ペットと暮らせるサ高住も増加
    • 要介護度が上がると住み続けられないリスク
    • 医師・看護師の不在
  11. 後悔しないサ高住選びのチェックポイント
    • 立地や設備の使いやすさ
    • 職員の人数体制と夜間の対応
    • 提携・協力医療機関との連携内容
    • 退居条件の確認
    • 体験入所で食事の質と雰囲気を確認
  12. まとめ

サ高住とは

サ高住とは、安否確認や生活相談といった支援を受けながら、バリアフリーが整った住まいで安心かつ自由な生活を送ることができる、高齢者向けの賃貸住宅です。

高齢になると、すぐに介護施設に入るほどではなくても、家事などの負担や孤独死のリスクが大きくなります。

サ高住は、このような高齢者特有のニーズに対応し、基本サービスに加えてオプションサービスを組み合わせることで、一人ひとりが理想とする生活スタイルを実現できる住まいです。

住宅によってオプションサービスや契約内容、費用負担などに違いがあるため、入所を検討する際には住宅に求める条件を整理し、住宅ごとの違いを理解することが大切です。

サ高住の定義と「高齢者住まい法」による位置づけ

サ高住は、2011年に「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」が改正されたことにより制度化されました。

この制度では、設備基準やサービス内容について、高齢者が安心して暮らせる住まいとなるように明確な基準が定められています。

それまで高齢者向けの住宅としては、高齢者円滑入所賃貸住宅(高円賃)や高齢者専用賃貸住宅(高専賃)がありました。

しかし、介護や医療サービスの提供が事業所の任意になっていたことから、要介護状態になるリスクが高い高齢者にとっては、継続して住み続けることが難しいものでした。

こうした背景から法改正が行われ、サ高住が制度化されました。

サ高住の市場背景

高齢社会の進展に伴い、2011年当初は3448戸だったサ高住は、2026年3月末時点で約29.1万戸にまで増加しています。

サ高住は介護を必要としない段階から入所でき、将来的に介護が必要になっても、外部の訪問サービスを利用しながら住み続けられることを目的としています。

自宅と介護施設の中間的な位置づけにあり、自由度と安心のバランスの良さがサ高住の大きな特徴といえるでしょう。

サ高住の契約形態

サ高住の多くは、「建物賃貸借契約」または「終身建物賃貸借契約」です。

有料老人ホームに広く導入されている「利用権方式」と比べると居住権の保護が強く、正当事由がなければ、貸主から更新を拒否されにくいのが特徴です。

そのため、長期にわたって居住し続けることができ、高齢者が安心して長く暮らせる住まいとしての役割を果たしています。

建物賃貸借契約では、契約者が死亡した場合でも、遺族が契約を受け継ぐことで引き続き居住することが可能です。

終身建物賃貸借契約の場合、契約者の死亡によって契約は終了しますが、配偶者については特例的に住み続けられるケースが多くみられます。

サ高住の2つの種類「一般型」と「介護型」の違い

サ高住は「一般型」と「介護型」の2種類に大別されます。

基本となるサービス内容が異なるため、サ高住への入所を検討する際、どちらの住宅が自分に向いているか考えることが大切です。

サービス内容の具体的な中身は後述しますが、まずはそれぞれの特徴について解説していきます。

サ高住の約9割を占める「一般型」

一般型は、生活のほとんどが自立している方や、要介護度の軽い方を対象としています。

提供される主なサービスは安否確認と生活相談です。

家族が遠方に住んでいて頻繁には様子を見に来られない家庭や、身寄りのない高齢者にとって、安否確認は孤独死を防ぐための重要なサービスです。

施設の職員による身体的な介護は提供されませんが、必要に応じて外部の訪問介護事業所と契約することで介護サービスを利用できます。

施設によってさまざまなサービスを展開しており、賃料に加えてサービスを利用した分だけ料金を支払います。

出典:一般社団法人 高齢者住宅協会「サービス付き高齢者向け住宅の現状と分析

特定施設入所者生活介護の指定を受けた「介護型」

介護型は都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けており、介護保険制度における居宅サービスに属します。

施設職員による介護サービスを24時間体制で受けられるため、形態としては介護付き有料老人ホームに近いといえるでしょう。

介護サービス費は、要介護度と負担割合に応じた定額を支払う仕組みであるため、介護サービスの利用が増えても自己負担額は原則一定です。

一般型と介護型のどちらを選ぶべきか

一般型は、生活の自由度を重視し、介護やその他のサービスは必要な分だけ利用したい人に向いています。

自立した方が多いことから、ジムやカラオケなどの娯楽設備が多いことも特徴の一つです。

ただし、介護度が重くなり一般型での居住に限界がみられると、住み替えが必要になる場合があります。

介護型は「特定施設入居者生活介護」としての設備や人員の規定を満たしているため、要介護度が高くなっても施設職員による介護サービスを受けて住み続けられますが、一般型に比べると物件数が少なく、選択肢の狭さが難点です。

また、生活の自由度は一般型ほど広くない場合もあります。

サ高住の入所条件

サ高住は介護施設ではなく高齢者向け住宅であるため、要介護認定を受けていなくても年齢などの条件を満たしていれば入所が可能です。

本章では、入所のための条件や注意点について解説します。

原則60歳以上または要支援・要介護認定者

入所の対象となるのは60歳以上の高齢者、または要支援、要介護の認定を受けた人に限られます。

60歳を過ぎれば自立している方でも入所できるため、元気なうちから入所してフィットネスジムやカラオケなどの施設設備を楽しみ、サ高住での生活に慣れておくことも可能です。

困りごとがあれば、生活相談サービスを利用することで、心身の不調や変化に対し早い段階で対応を検討することもできます。

自立〜軽度の要介護者が主流だが重度の対応も増加傾向

一般型の入所者は、ご自身で身の回りのことができる方を想定しています。

要介護度が軽度であれば、外部の訪問介護サービスを利用することでサ高住での生活を維持することが可能です。

しかし、重度の要介護状態や感染症の罹患、医療的なケアが常時必要な場合は、入所が難しいことがあります。

介護度が重い方の場合は、近年増えつつある介護型のサ高住であれば受け入れてくれることも多いでしょう。

認知症の方の受け入れは要相談

認知症があっても入所できる場合はありますが、対応の可否は住宅ごとに違いがあります。

軽度であれば受け入れ可能であっても、施設内を徘徊したり暴言を吐いたりするなど共同生活に支障をきたす状態であれば、入所を断られる可能性も少なくありません。

認知症の進行がみられる場合は、介護型や認知症型のサ高住、そのほかグループホームや介護付き有料老人ホームのほうが適している場合もあります。

夫婦や親族同士での二人入所も可能

夫婦での入所は、多くのサ高住で認められています。

サ高住の契約は、建物賃貸借契約や終身建物賃貸借契約がほとんどですが、契約者の死後も配偶者は住み続けられるケースが多く、どちらかが先立ってもその後の住まいに困ることはないでしょう。

配偶者以外にも、60歳以上または要支援か要介護の認定を受けている親族であれば同居入所が可能です。

連帯保証人・身元保証人の必要性

ほとんどのサ高住では、利用料の滞納や緊急時の連絡に備えて、入所契約時に連帯保証人か身元保証人を立てることが求められます。

身寄りがいないなどにより保証人を立てられない場合は、家賃保証会社の利用もありますが、高齢者であれば成年後見制度の任意後見を利用するのも一つの手です。

地域包括支援センターや自治体に相談し、代替手段を検討しましょう。

サ高住としての基本サービス

サ高住としての登録を受けるには、安否確認と生活相談サービスの提供が必須とされています。

これらの基本サービスは、高齢者が安心した暮らしを続けるうえで重要なサービスですが、提供方法は住宅によっても異なるため、入所を検討している場合は事前の確認が必要です。

安否確認と見守りサービス

サ高住では、少なくとも1日1回以上、職員による安否確認(訪問やセンサーなど)が行われることが義務付けられています。

対応の方法は住宅によってさまざまです。

安否確認は孤独死を防ぎ、急変時の対応を可能にするなど、高齢者にとって重要なサービスの一つです。

生活相談

入所者の日常生活上の困りごとや相談に対して、サ高住は生活相談サービスとして対応します。

体調不良時の相談、近隣トラブル、スマホの使い方などについても幅広く対応し、必要に応じて医療機関への報告や生活支援サービスの利用など、具体的な解決策の提案につなげます。

実際にどの程度まで対応可能かは、住宅によっても違いがあるため、相談内容の具体的な例を確認しておくのもよいでしょう。

必要に応じて利用が可能なオプションサービス

基本サービス以外にも、施設によって独自のサービスが展開されており、それぞれの状況や希望に応じて個別のサービスを利用することもできます。

基本サービスを必須とし、個々のサービスを選択式にすることで、幅広いニーズに対応できるとともに、入所者それぞれにとっての最適な生活環境の提供が可能です。

サービスの利用料は原則従量制で、利用した分だけを支払います。

それぞれのサ高住ごとにサービス内容や料金に違いがあるため、自身の理想とする生活に必要なサービスがあるかが、サ高住を選ぶ際のポイントになります。

緊急対応

高齢者は若年層に比べて、急な体調悪化のリスクが高く、緊急対応は重要なサービスの一つです。

突然の体調不良があれば、かかりつけ医や家族への連絡、必要に応じて救急車の要請などを行います。

緊急時は初動の対応が重要です。

高齢者の命と安心を守るためのサービスといえるでしょう。

生活支援サービス

サ高住に入所しているのは自立している方だけではありません。

そのため、家事などを生活支援サービスとして提供しています。

居室の掃除や洗濯、ゴミ出し、通院の付き添い、買い物の代行など、幅広いサービスの中から必要なものだけを選んで利用することができます。

できることは自分で行い、必要な部分だけ支援を受けることで、自分らしい生活を続けやすくなるでしょう。

食事提供サービス

食事提供サービスはほとんどのサ高住で実施されています。

施設内の厨房で作っている場合や、調理済みの食品を温めるだけの場合など、施設によって違いがあります。

食事についてもサービスを受けた分だけ一食単位で料金が発生するため、事前に断っていた場合の食費は請求されません。

その場合は外食や出前のほか、居室にキッチンがあれば自炊も可能です。

介護サービス

介護サービスに関しては、サ高住によって対応が異なります。

介護型では、24時間常駐している施設職員による介護サービスの提供が可能です。

一般型では、提携している訪問介護事業所や通所介護事業所、あるいは併設の事業所のサービスを利用しながら生活する形が基本です。

なお、介護度が高くなり、訪問サービスだけでは対応が難しくなった場合には、より手厚い介護体制のある施設への住み替えを検討するケースもあります。

医療サービス

医療サービスも介護サービスと同様、併設の医療機関や提携している訪問診療、訪問看護との契約が一般的です。

医療機関の体制によりますが、入所前から通院していたかかりつけ医を継続することも基本的には可能です。

レクリエーション

一般型のサ高住は自立している方が多いため、館内の娯楽設備で余暇を過ごせますが、介護型では施設職員とともにレクリエーションを楽しむことができます。

レクリエーションは、体操やクイズ、脳トレ、音楽鑑賞、カラオケ、工作などが一般的です。

外部のボランティアを招いて、歌や踊りなどのイベントが行われることもあります。

レクリエーションやイベントの内容、実施頻度は、住宅ごとに異なるため、入所前に確認しておくと安心です。

リハビリテーション

一般型では、外部の訪問リハビリや通所リハビリを利用することになりますが、要介護または要支援認定を受けている方が対象です。

介護型の場合、施設内に専用のリハビリルームが設置されているところもあり、理学療法士や看護師による機能訓練を直接受けることができる場合もあります。

看取りの対応

看取りについても施設によって対応が分かれるため、入所前に確認が必要です。

厚生労働省の資料によると、看取りについて「応相談」としているサ高住は全体の52.3%でした。

平均要介護度が1未満の施設では、「対応なし」としている施設が多く、サ高住の方針によっても対応が異なります。

また、「応相談」としているサ高住においても、個別の案件によって対応の可否が変わる可能性があるでしょう。

出典:サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム運営情報「サービス付き高齢者向け住宅の現状等」P17

サ高住の人員基準

サ高住の人員体制は、一般型と介護型で違いがあります。

職員の配置状況は、提供されるサービス内容や安心感にも関わる要素の一つです。

入所を検討している場合は、日中や夜間の人員配置について、あらかじめ確認しておくと安心でしょう。

一般型の人員基準

一般的な介護施設のような細かい人員基準は設けられていない場合が多い傾向にあります。

ただし、安否確認や生活相談、日常的な支援サービスを提供するために、介護職員や看護職員などが日中は常駐している体制が基本です。

なお、実際の職員数や職種の構成は、提供されているサービス内容によって施設ごとに異なります。

出典:国土交通省・厚生労働省「サービス付き高齢者向け住宅のご案内(事業者用)」P2

介護型の人員基準

介護型は「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているため、人員の基準が細かく定められています。

常勤の管理者1名、入所者100名につき1名以上の生活相談員に加え、要支援者10人につき1名以上、要介護者3人につき1名以上の介護・看護職員の配置が義務付けられています。

夜間帯も介護サービスが提供されるため、1名以上の職員の配置が必須条件です。

出典:厚生労働省「07_特定施設入居者生活介護」P1

サ高住の設備基準

サ高住は高齢者住まい法に基づき、一定のバリアフリー基準などを満たす必要があります。

本章では、主な基準について解説します。

居室面積

サ高住では、居室の床面積は原則25平方メートル以上と規定されています。

これは、トイレや浴室などの設備を含めた面積です。

ベッドを置くスペースを確保しても、車椅子でも十分に旋回できる広さを基準に定められています。

ただし、施設内の共有スペースに食堂やリビング、キッチンなどが十分に備わっている場合、居室の面積は18平方メートル以上でも認められるとされています。

出典:サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム運営情報「サービス付き高齢者向け住宅の現状等」P2

居室内の設備

原則として、各居室にトイレ、浴室、キッチン、洗面台、収納スペースの設置が必要です。

ただし、共用部分に浴室やキッチンなどが十分に設置されている場合、居室内への設置は任意となっています。

サ高住は、自立した生活を維持するための「住宅」であるため、居室や館内に浴室やキッチンなどの設置が必須条件となっています。

バリアフリー構造の具体的な基準

サ高住として登録されるには、原則段差のないバリアフリー構造である必要があります。

一部を除いて、段差が生じる箇所は5ミリ以下に抑える必要があり、浴室やトイレなどの必要な場所には手すりの設置が求められます。

廊下は車椅子が通れるように幅78センチ(柱のある部分は75センチ)以上でなければなりません。

足腰に不安を抱える高齢者や、車椅子の方でも安全に生活できる住居空間であることが重要です。

サ高住とほかの施設との違い

老後の住まいとしては、サ高住以外に有料老人ホームやシニア向け分譲マンションなどがあります。

それぞれ特徴やサービス内容が異なるため、違いを理解したうえで、自分に合った住まいを選ぶことが大切です。

住宅型有料老人ホームとの違い

住宅型有料老人ホームは、自立から軽度の要介護者を主な対象者としており、介護サービスは外部の訪問サービスを利用する点で、一般型のサ高住と共通しています。

施設によってはレクリエーションやイベントが比較的充実している傾向が見られる場合もあります。

大きく異なる点は、サ高住は「住宅」であるのに対し、住宅型は「施設」という位置づけになる点です。

契約形態も利用権方式となり、利用料を支払うことで居室や共用スペースを使用する権利を得ます。

そのため、契約者の死後に居住権の相続や譲渡はできません。

介護付き有料老人ホームとの違い

介護付き有料老人ホームは、介護型サ高住と同様に特定施設入居者生活介護の認定を受けており、施設の職員が24時間介護サービスを提供します。

サービス費も介護保険が適用され、介護度と負担割合に応じた定額の支払いです。

どちらも介護度が重くなっても対応可能で、異なる点は住宅型と同様、施設と住宅、利用権方式と建物賃貸借契約の違いになります。

シニア向け分譲マンションとの違い

シニア向け分譲マンションも自立した方を対象とし、日常的な家事は生活支援サービスが用意されています。

サ高住は賃貸物件ですが、分譲マンションは不動産の「所有権」を取得するものであり、資産として相続が可能です。

数千万の初期費用がかかる場合も少なくないため、資産に余裕のある人向けになります。

サ高住のような基本サービスの提供義務やバリアフリーの基準は制度上存在しませんが、多くのシニア向け分譲マンションはバリアフリーで設計されており、充実した館内設備やイベントによって、老後の快適な生活を楽しみたい方におすすめの住宅です。

サ高住にかかる費用の相場と内訳

実際にサ高住に入所した場合の基本的な費用負担の相場と内訳について解説します。

具体的な金額は物件によって異なり、サービスの内容や個々人の状況によっても大きく左右されるため、あくまで目安としてお考えください。

入所時に必要な初期費用の目安

サ高住は賃貸物件のため、入所時に敷金を支払うことになります。

概ね家賃の2〜3ヶ月分、約10〜30万円程度が一般的です。

有料老人ホームの場合、施設によっては数百万〜数千万円もの入居一時金が必要になることもあります。

初期費用の少ない点がサ高住の大きなメリットです。

毎月支払う月額利用料の内訳

月額の賃料や共益費は、周辺の賃貸相場よりもやや高い傾向があります。

しかし、バリアフリー構造や充実した共有スペースを考慮すると高すぎるほどではないでしょう。

国土交通省の資料によると、2020年における必須サービス費の約1〜3万円を加えた賃料・共益費の全国平均は約10.7万円となっています。

さらに光熱水費の実費負担、オプションサービスの利用料、訪問介護サービスの自己負担分などを加えた金額が実際に支払う月額料金となります。

ただし、地域差が大きいため、あくまで目安としてお考えください。

出典:サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム運営情報「サービス付き高齢者向け住宅の現状等」P10

介護サービス利用料(自己負担分)の考え方

介護型のサ高住では、要介護度と所得に応じた1〜3割の負担割合によって定額の支出となります。

一般型の場合、外部の訪問事業所を利用することになるため、利用した介護サービス量と所得に応じた1〜3割の負担割合とで自己負担額が割り出されます。

介護保険サービスでは、介護度に応じてあらかじめ決められた支給限度額を超えてしまうと、超えた分のサービス利用料は10割負担になるため、注意が必要です。

また、要介護度が上がると同様のサービスを利用しても金額が上がる点にも注意しましょう。

食費や生活支援オプションの追加費用

食事提供や居室の掃除、洗濯、買い物代行といった生活支援サービスは、利用した分だけ月額利用料に上乗せされます。

それぞれのサービス料金は施設によって異なるため一概にはいえませんが、食事提供は月3〜6万円が一般的です。

通院の付き添いや買い物の代行を近隣の家族で対応すれば、費用負担を抑えられます。

年金だけで住める?

厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024年度末における厚生年金受給者の平均受給月額(老齢基礎年金を含む)は、月額15万1142円でした。

サ高住の食費や基本サービス費、光熱水費を含めた月額利用料は約15〜17万円程度になると予想されます。

さらにオプションのサービス費や生活必需品の支出などを加えれば、個々人の年金額にもよりますが、年金だけではやや厳しいといえます。

要介護度が上がれば、介護サービスや生活支援サービスの利用が増加することも考慮しておかなければなりません。

出典:厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」P8

自治体独自の家賃補助制度

サ高住に年金だけで住み続けることは難しいですが、自治体によっては家賃補助が適用される場合があります。

東京都荒川区の「高齢者住み替え家賃等助成事業」では、一定の条件を満たす高齢者世帯に対して、転居後の家賃との差額を月額4万円までを上限に助成が行われます。

大阪府では、所得額などの条件を満たしてサ高住へ入所すると、月額2万円の補助金を受けることが可能です。

住み替えを考えている方は、お住まいの自治体のホームページなどを一度確認してみましょう。

サ高住を選ぶメリット・デメリット

サ高住には、自宅や他の施設とは異なるメリットやデメリットがあります。

よく理解したうえで、セカンドライフにおける理想の条件を考えてみましょう。

自由な生活スタイルが可能

サ高住には門限や外出制限がほとんどなく、施設のルール内であれば飲酒や喫煙が認められているケースもあります。

居室にキッチンがあれば自炊も可能で、施設の食事を断って出前を頼むことも可能です。

入浴も居室内の浴室であれば、好きな時間に入ることができます。

自宅のように自由に使える環境で、必要なサービスだけを選んで利用できるのは、サ高住の大きなメリットです。

初期費用を抑えられる

有料老人ホームは、入所時の一時金が数百万〜数千万円にも上ることがあり、入所自体のハードルが高い場合もあります。

サ高住の場合、入所時の費用は敷金のみなので、初期費用を大幅に抑えることができます。

さらに、敷金は退居時の原状回復費用に使われ、余った分は返金されるため、無駄にはなりません。

一人暮らしの不安を安否確認サービスで解消できる

警察庁の発表によると、2024年中に自宅で亡くなった一人暮らしの件数は7万6020人で、死後8日以上経過していたケースは2万1856人にも上っていました。

なかには、死後半年以上経過してから見つかった例も642人存在します。

遠方に住む家族にとっても、毎日の安否確認は大きな安心につながります。

ただ、一般型のサ高住は自立している方を対象としているため、一般的な高齢者施設と比べると常駐している職員は少なく感じられるでしょう。

困ったときにいつでも職員を頼れるかどうかは、施設の人員配置によっても異なります。

出典:警察庁「令和6年中における警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者について

住み替えがしやすい

サ高住は賃貸借契約のため、有料老人ホームと比べて入所時の敷金が安いのが特徴です。

そのため、住み替えにおける経済的ハードルが低く、住んでみて自分に合わないと思ったときは、ほかのサ高住に移ることも選択肢の一つになります。

元気なうちは一般型のサ高住に住み、認知症の進行や介護度の増加があれば介護型のサ高住に移るといった場合にも、費用負担を抑えることができます。

ペットと暮らせるサ高住も増加

まだ数は少ないですが、ペットと暮らせる物件もあります。

建物の一部をペット同伴可のフロアにしていたり、ドッグランやペット専用の足洗い場、シャワールームを設置していたりするところもあり、大切な家族の一員として共に暮らすことも可能です。

なかには、ペットシッターや動物病院との連携によってペットの健康管理にも配慮されている物件もあります。

また、ペットを通じて入所者同士のコミュニケーションや交流が自然に生まれることも大きなメリットです。

要介護度が上がると住み続けられないリスク

サ高住は物件によって入所の条件が大きく異なり、特に一般型の場合、要介護度や認知症の程度によっては入所できない場合や、退居を求められるケースもあります。

一般型のフィットネスジムやカラオケなどの設備は、自立した方を前提にしているため、自力での参加が難しい状態であれば、一般型に住み続けるメリットは少ないといえます。

介護型であれば、レクリエーションの参加時は職員が誘導してくれるため、ほかの入所者と一緒に楽しむこともできるでしょう。

ただ介護型はまだ物件数が少なく、入所の競争も激しいため、空室待ちになる可能性もあります。

医師・看護師の不在

一般型のサ高住には医師や看護師の配置基準はありません。

そのため、看護師が常駐していないところも多く、医療的ケアは提携医療機関や外部の訪問看護に依存することになります。

胃ろうなどの経管栄養や痰の吸引、褥瘡処置などが継続的に必要になると、施設によっては対応不可となり、退居が必要になる場合もあります。

後悔しないサ高住選びのチェックポイント

サ高住は住み替えがしやすいといっても、理想の生活を手に入れるまで転居を繰り返すのは、時間的にも費用面でも現実的ではありません。

後悔しないためにも、事前に情報を集めて、しっかりと吟味することが大切です。

本章では、サ高住選びに役立つチェックポイントについて解説します。

立地や設備の使いやすさ

建物の立地や施設内の設備といった面は、入所後に大きく変更されることは少ないため、事前にしっかり確認しておくことが大切です。

近隣にスーパーやコンビニがあるか、交通機関の利便性はどうかといった点を見ておくと、日常生活のイメージがしやすくなります。

また、家族や友人が訪れやすい立地かどうかも、安心して暮らすうえでの一つのポイントです。

居室や共用スペースの設備、娯楽設備の使い勝手などもあわせて確認しておくことで、入所

後のミスマッチを防ぎやすくなります。

職員の人数体制と夜間の対応

一般型の場合、介護施設のような明確な職員配置基準が定められていないため、施設によって配置されている職員の数には、ばらつきがあります。

特に夜間帯の職員配置は、施設間の違いが生じやすいポイントです。

施設によっては、夜間は職員が不在で、リモートで安否確認を行うケースや、緊急通報システムによるオンコールでの対応のみの場合もあります。

介護型でも、夜間は看護職員が常駐していないことが多く、夜間は医療的ケアを受けられないことも少なくありません。

夜間になにかあったときの対応方法や職員の配置などは、入所前に確認し、不安材料を減らしておきましょう。

提携・協力医療機関との連携内容

サ高住の入所者は、近隣の提携医療機関の往診や、運営母体となる医療法人の病院での診療などで健康管理を行うのが一般的です。

提携医療機関は内科がほとんどであるため、整形外科や神経内科といった特定の診療科での診察が必要な場合は、ご自身で受診する必要があります。

提携医療機関の診察日以外でも、医師への報告や相談が可能かどうかは、入所時の重要なチェックポイントです。

退居条件の確認

施設によっては、認知症の進行や要介護度の悪化によって対応困難とみなされた場合、退居を求められることがあります。

基準は施設によって異なるため、退居となる具体的な基準を契約前に把握しておくことは重要です。

体験入所で食事の質と雰囲気を確認

可能であれば、入所前に一度体験入所をしてみるのもおすすめです。

パンフレットでは分からない入所者同士の交流や職員の対応、食事の味を実際に体験してみることで、入所後の生活がイメージしやすくなるとともに、施設の長所や短所も明確になります。

いくつかの物件に体験入所してから決めても遅くはありません。

時間をかけて、ご自身が納得できるセカンドライフを築いていきましょう。

まとめ

サ高住は、安否確認や生活相談を受けながら、自分らしい暮らしを続けやすい高齢者向けの住まいです。

一般型と介護型でサービス内容や介護体制が異なり、費用や入所条件、医療・看取り対応、退居条件にも施設ごとの違いがあります。

初期費用を抑えやすく自由度が高い一方で、要介護度の上昇や医療的ケアの必要性によっては住み続けることが難しくなる場合もある点に留意が必要です。

入所を検討する際には、立地や設備、職員の体制、医療との連携、費用の総額まで、事前の確認が大切です。

後悔しないためにも、見学や体験入所を通して実際の雰囲気を確かめ、自身に合った住まいを慎重に選びましょう。