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更新日:
34

訪問介護に必要な資格とは?仕事内容と取得ルートを徹底解説

「訪問介護の仕事に興味はあるけれど、資格がなくても働けるのか知りたい」
「初任者研修や実務者研修など、どの資格から取ればよいのかわからない」
「資格を取るためにかかる費用・期間・その後のキャリアを前もって知っておきたい」

無資格でも就職できる施設の介護職員と異なり、訪問介護は有資格者でなければ勤務できません。

本記事では、未経験から訪問介護員(ホームヘルパー)を目指す方に向け、必要な資格の種類や仕事内容、資格取得の具体的な方法を解説します。

併せて、キャリアアップの道筋や、訪問介護ならではの働き方のコツなど、幅広い視点から訪問介護に関する情報をご紹介します。

訪問介護の仕事に関心のある方や、より専門的に介護に携わりたい方は、ぜひ参考にしてください。

Contents
  1. 訪問介護員(ホームヘルパー)に資格は必須?
  2. 訪問介護の仕事とは?施設介護との大きな違い
  3. 最初に取得しておく「介護職員初任者研修」について
  4. 訪問介護の仕事で役立つその他の資格・研修
  5. 訪問介護員のキャリアパス
  6. 訪問介護ならではの働き方
  7. 訪問介護の仕事はこんな人におすすめ
  8. 訪問介護の資格に関してよくある質問
  9. まとめ

訪問介護員(ホームヘルパー)に資格は必須?

訪問介護の仕事に興味を持った方が最初に抱く疑問は「資格がないと働けないのか」という点でしょう。

ここでは、訪問介護員に資格が必要とされる根拠と理由、無資格でも関われる仕事の範囲を確認していきましょう。

訪問介護は原則として無資格では働けない

訪問介護員として利用者宅を一人で訪問し、食事や着替えなどの身体介護を含むサービスを提供するためには、原則として「介護職員初任者研修」以上の資格が必要です。

国のルールで決められており、資格を持っていない人が、一人で介護サービスを行うことは認められていません。

入所施設のような大勢のスタッフがいる施設では、資格がなくても働き始められるケースが多いです。

しかし、訪問介護は一人で利用者のお家を訪問する仕事のため、専門的な知識と技術を持ったプロとして安全に働くための最低条件として、資格取得が求められています。

参照:e-Gov法令「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」

参照:東京都福祉局「認知症介護基礎研修に関するQ&A(令和6年7月9日時点)」

訪問介護員に資格が必要な理由

訪問介護で資格が必須とされるのは、サービスの質と利用者の安全を確保することが主な理由です。

具体的には、次の3つの理由が挙げられます。

  • 利用者様のお家に一人で行くため、急に具合が悪くなるなどのトラブルが起きたとき、一人で判断をしなければならないため
  • 食事やお風呂のお手伝いは、食べ物を喉に詰まらせたり転んだりする危険があるため、安全に支えるための正しい知識と技術が必要なため
  • 自宅という外から見えない場所でお手伝いをするため、利用者様のプライバシーを守る必要があるため

つまり、訪問介護員の資格は、介護に必要な一定の知識と技術を学んだことを示すものであり、利用者が安心してサービスを任せるための判断材料の1つになっています。

無資格でできる業務・できない業務

原則として資格が必須の訪問介護ですが、事業所内の事務作業など、介護サービスの提供に当たらない業務であれば、無資格でも担当できる場合があります。

例えば、訪問介護事業所内での電話応対や書類整理といった事務作業、研修や見学を目的として資格者である先輩ヘルパーに同行する場合などです。

ただし、同行できるかどうかは事業所によって異なり、資格を取得する前に訪問介護員として介護保険のサービスを提供することはできません。

一人前のホームヘルパーとして本格的に活躍したいなら、資格を取得するのが最低条件になります。

参照:e-Gov法令「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」

訪問介護の仕事とは?施設介護との大きな違い

訪問介護は、利用者が住み慣れた自宅で安心して生活を続けられるよう、専門的な知識を生かしてサポートする仕事です。

ここでは、訪問介護員の主な業務と、訪問介護として行えない業務の範囲を確認していきます。

身体介護|利用者の体に直接触れる支援

訪問介護で行われる業務の1つに、利用者の身体に直接触れて行う「身体介護」があります。

具体的には、以下のような内容です。

  • 食事の摂取を手伝う食事介助
  • トイレへの誘導やオムツ交換を行う排泄介助
  • 入浴のサポートや体を拭く清拭
  • 衣類の着脱を手伝う更衣介助
  • ベッドから車いすへの乗り移りを手伝う移乗介助など

上記のケアには、利用者の尊厳を守りながら、安全に配慮した専門的な技術が不可欠です。

そのため、身体介護を行うには介護職員初任者研修以上の研修を修了していることが必要です。

無資格の方や、生活援助従事者研修のみを修了した方は、身体介護を担当できません。

生活援助|家事を中心とした日常生活の支援

もう1つの重要な役割が、身体介護以外の日常生活全般をサポートする「生活援助」です。

よくあるサポート内容は以下のとおりです。

  • 利用者本人の食事調理
  • 居室の掃除・整理整頓
  • 衣類の洗濯
  • 食料品や日用品の買い物代行

家事が困難になった利用者の生活基盤を支える、非常に重要なサービスです。

生活援助を中心としたサービスのみを担当する場合は、介護職員初任者研修より短い59時間の「生活援助従事者研修」の修了者でも従事できます。

通院等乗降介助|通院時の移動をサポートする

訪問介護には、身体介護と生活援助に加えて「通院等乗降介助」という内容もあります。

車への乗り降りや移動をサポートするほか、事業所の仕組みによっては訪問介護員が車を運転することもあります。

介護タクシーなどで利用者を有料で運ぶ場合は、原則として第二種運転免許が必要です。

ただし、一定の条件を満たせば第一種運転免許でも運転できる場合があるため、必要な免許や研修は勤務先に確認しましょう。

訪問介護員が行えない業務

訪問介護のお仕事では、国のルールでやってはいけないと決められているサービスがあります。

サービス具体例
医療行為注射などの医療行為は、医者や看護師の仕事のため、介護職員はできません。 ただし、体温や血圧の測定、内服の補助や軟膏の塗布などは可能です。
家族のための家事訪問介護員がお手伝いできるのは利用者様本人だけです。家族分の料理を作ったり、ほかの部屋を掃除したりはできません。
日常生活を超えるお願い草むしり・ペットの世話・大掃除など、毎日の生活に必ずしも必要ない特別な内容はできない決まりとなっています。

頼まれて困った際は、自分だけで判断せずに、職場のリーダーに相談しましょう。

訪問介護に必要な資格一覧

訪問介護の仕事に関わる主な資格は以下の4つです。

  • 生活援助従事者研修
  • 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
  • 介護福祉士実務者研修
  • 介護福祉士

それぞれの資格について、取得条件や費用などを解説します。

生活援助従事者研修

生活援助従事者研修は、生活援助中心の訪問介護に携わる人材を増やすため、2018年4月に作られた研修です。詳細は以下のとおりです。

項目内容
受講条件特になし
研修時間59時間
修了評価30分程の筆記試験
受講先都道府県知事の指定を受けた研修事業者など
できる仕事調理・掃除・洗濯・買い物などの生活援助
できない仕事身体介護
費用・期間研修事業者によって異なる

修了すると、調理・掃除・洗濯・買い物などの生活援助を中心としたサービスが提供できます。
ただし、身体介護は担当できません。
将来的に身体介護も担当したい場合は、はじめから介護職員初任者研修を選ぶと、改めて研修を受け直す手間を省けます。

介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)

介護職員初任者研修は、訪問介護員として働くための入門となる研修です。 2013年4月に、旧ホームヘルパー2級から移行しました。

項目内容
受講条件特になし
研修時間130時間
修了要件研修の受講+修了評価
できる仕事身体介護・生活援助
位置づけ訪問介護員として働くための基本的な研修

修了すると、身体介護と生活援助の両方を担当できます。

介護福祉士実務者研修

実務者研修は、介護についてより専門的な知識や技術を身につける研修です。

項目内容
受講条件特になし
研修時間450時間
初任者研修修了者一部科目が免除され、320時間
主な学習内容専門的な介護知識・技術、医療的ケアの基礎など
費用・期間受講先や保有資格によって異なる

実務者研修を修了すると、訪問介護の仕事だけでなく、サービス提供責任者も目指せます。

また、実務経験を積んで介護福祉士国家試験を受験する場合にも必要な研修です。

介護福祉士

介護福祉士は、介護業界で唯一の国家資格です。

取得すれば、キャリアアップにつながるだけでなく、資格手当で給料がアップする場合もあります。

項目内容
受験条件3年以上(1,095日以上)かつ従事日数540日以上 (※:実務経験を積んで受験する場合)
必要な研修実務者研修
受験手数料20,510円

国の調査でも、介護福祉士を持っているほうが無資格者よりも給料が高いという結果が出ています。

今後、介護業界で長く活躍したい方にとっては、取得しておいて損はない資格です。

最初に取得しておく「介護職員初任者研修」について

訪問介護員としてキャリアをスタートさせるために、まず取得を目指すべき入門資格が「介護職員初任者研修」です。

ここでは、介護職員初任者研修の概要や、学習内容、取得にかかる費用・期間について解説していきます。

カリキュラムの内容と学習期間

介護職員初任者研修のカリキュラムは、合計130時間の講義と演習で構成されています。科目と時間数は次のとおりです。

科目時間数
職務の理解6時間
介護における尊厳の保持・自立支援9時間
介護の基本6時間
介護・福祉サービスの理解と医療との連携9時間
介護におけるコミュニケーション技術6時間
老化の理解6時間
認知症の理解6時間
障害の理解3時間
こころとからだのしくみと生活支援技術75時間
振り返り4時間
合計130時間

修了時には、1時間程度の筆記試験による評価があります。

今までのルールでは、家でテキストを読んで勉強する通信学習は最大40.5時間までで、残りの90時間はスクールに通う必要がありました。

しかし、2027年4月から、講義(座学)の部分は、オンライン授業や録画された動画を視聴してもよいという内容に変更になっています。

取得までの基本の4ステップ

未経験から初任者研修を修了するまでの流れは、以下の4ステップです。

介護職員初任者研修を修了するまでのステップ
STEP1◼︎研修事業者(スクール)を選ぶ 都道府県の指定を受けた研修事業者の中から、通いやすさ・日程・費用などを比べて選びます。
STEP2◼︎コースに申し込む 希望するコースに申し込みます。 給付金や助成制度を利用したい場合は、受講前に必要な手続きがないか確認しておきましょう。
STEP3◼︎研修を受講する 講義や演習を通して、介護に必要な知識・技術を学びます。 食事や入浴、移乗などの介護技術も実践的に身につけます。
STEP4◼︎修了評価を受ける 全科目を受講した後、1時間程度の筆記試験による修了評価を受けます。

修了が認められると修了証明書が交付され、訪問介護員として働くための資格要件を満たせます。

初任者研修を取得するための方法

初任者研修を取るための方法は、大きく分けて以下の3つがあります。

収入の有無や修了までの期間などを比べて、自分に合う方法を選びましょう。

方法特徴向いている人
資格取得支援のある事業所で働きながら取る働きながら資格取得を目指せる。 費用補助や利用条件は事業所によって異なる早く介護の仕事を始めたい人
公的職業訓練を利用して取る受講料は原則無料。 テキスト代などは自己負担。条件を満たせば給付金を受けられる場合もある費用を抑えて学びたい人
資格取得前に介護の周辺業務などを経験する資格がなくてもできる仕事を経験しながら、資格取得を目指せる場合がある仕事が自分に合うか確かめたい人

修了までの期間は、選ぶコースや開講時期によって異なります。

費用の目安とスクールの選び方

資格取得にかかる費用は、受講するスクールによって大きく異なります。

例えば、島根県が公表している令和8年度の実施計画一覧では、テキスト代のみで受講できる研修から、8万円を超える研修まで幅があります。

受講方法には、すべて通学で学ぶコースと、自宅学習とスクーリング(通学)を組み合わせた通信コースがあります。

スクールを選ぶときは、以下の3点を比べると、自分に合ったコースを見つけやすくなります。

• 自宅や職場から通える場所か
• 欠席した場合に、別の日程で受講し直せるか
• 修了後の就職相談や求人紹介があるか

参照:島根県「令和8年度 介護員養成研修(介護職員初任者研修)実施計画一覧」

資格取得の費用を抑える方法

介護職員初任者研修の費用を抑えたい場合には、ハローワークの公的職業訓練や、自治体の助成などを利用する方法があります。

方法主な内容
教育訓練給付金一般教育訓練は受講費用の20%(上限10万円) 特定一般教育訓練は40%(上限20万円)など
公的職業訓練受講料は原則無料 テキスト代などは自己負担
自治体の助成自治体によって初任者研修の受講費用を補助
事業者の独自支援研修事業者や勤務先が費用を補助する場合がある

教育訓練給付金や自治体の助成には、それぞれ利用条件があります。

受講を申し込む前に、ハローワークや自治体、研修事業者などで対象になるか確認しましょう。

訪問介護の仕事で役立つその他の資格・研修

訪問介護では、知識や技術を深めたり、担当できる仕事の幅を広げたりするための研修もあります。具体的な資格の種類は以下のとおりです。

資格・研修関係する制度・サービス
喀痰吸引等研修介護・障害福祉
重度訪問介護従業者養成研修障害福祉・重度訪問介護
同行援護従業者養成研修障害福祉・同行援護
難病患者等ホームヘルパー養成研修難病患者への支援
認知症介護基礎研修主に介護サービス

資格手当の有無や金額は事業所によって異なりますが、関わりたい利用者や目指したい働き方に合わせて検討してみるのもおすすめです。

喀痰吸引等研修

喀痰吸引等研修は、たんの吸引や経管栄養などを介護職員が行うために必要な知識・技術を学ぶ研修です。

第1号・第2号研修は不特定多数の利用者、第3号研修は特定の利用者を対象としています。

研修修了後に認定証の交付を受け、登録された事業所で働くなどの条件を満たせば、認められた範囲の喀痰吸引等を行えるようになります。

重度訪問介護従業者養成研修

重度訪問介護従事者養成研修は、障害福祉サービスの「重度訪問介護」に従事するための要件の一つで、必要な知識や技術を学ぶ研修です。 重度訪問介護では、常に介護を必要とする方に対し、食事・入浴などの介護や、家事・外出時の移動支援などを総合的に行います。 障害者総合支援法にもとづくサービスのため、介護保険の訪問介護とは別系統の研修です。 研修には、基礎課程・追加課程・統合課程・行動障害支援課程があります。

同行援護従業者養成研修

同行援護従業者養成研修は、視覚障害のある方の外出を支援する「同行援護」に必要な知識や技術を学ぶ研修です。

同行援護では、移動に必要な情報を伝えたり、安全に移動できるよう介助したり、外出中の食事や排せつを支援したりします。

2025年4月からは新しいカリキュラムで研修が行われています。

難病患者等ホームヘルパー養成研修

難病患者等ホームヘルパー養成研修は、難病のある方のニーズに応じて支援するための知識や技術を学ぶ研修です。

都道府県などが実施しており、受講料が無料の地域もあります。

例えば埼玉県では受講料が無料で、基礎課程Ⅰは介護職員初任者研修の修了者または受講中の人などが対象です。

認知症介護基礎研修

認知症の方を支えるための基礎的な知識や技術を学ぶ研修です。

2024年4月からルールが変わり、介護施設で働いている介護の資格を持っていない人は、受講が義務付けられました。

ただし、無資格者がいない訪問系サービス(訪問入浴介護を除く)は、義務づけの対象外です。

訪問介護員は初任者研修などの資格を持っていることが前提となるため、受講は義務ではありません。

しかし、訪問介護の利用者には認知症の方もいるため、受講して理解を深めておくと日々の支援に役立つ可能性はあります。

訪問介護員のキャリアパス

訪問介護では、経験を積み、資格を取得すれば、サービス提供責任者・管理者・ケアマネジャーなどを目指す道も開けます。

本章では、訪問介護員が目指せるキャリアパスを紹介していきます。

サービス提供責任者になる

サービス提供責任者は、どんな介護をするか計画を立てたり、他のヘルパーさんを指導したりする中心的な役割です。

介護福祉士、実務者研修の修了者、旧介護職員基礎研修・旧ホームヘルパー1級の修了者などがサービス提供責任者になれます。

国のルールでは、基本的に利用者40人に対して1人以上のサービス提供責任者を配置する決まりになっています。(※)。

※特別な条件を満たした場合は50人に1人でも可能です。

管理者を目指す

管理者は、訪問介護事業所の業務全体を管理する役割です。

スタッフの仕事をまとめたり、事業所が決められたルールに沿って運営されるよう指示したりします。

訪問介護事業所の管理者には、介護福祉士などの特定の資格要件は定められていません。

ただし、原則として常勤で、事業所の管理業務を担当する必要があります。管理に支障がなければ、ほかの仕事との兼務も可能です。

将来トップを目指すなら、現場での経験を積みながら人をまとめる勉強をしておくのもおすすめです。

参照:e-Gov法令「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について」

ケアマネジャー・生活相談員など他職種へ広げる

訪問介護の経験を生かせるキャリアは、訪問介護事業所の中だけではありません。

たとえば、介護福祉士として5年以上かつ900日以上働くと、ケアマネジャーの試験を受けられるようになります。

合格して研修を受ければ、利用者に合った介護の計画を作る専門家として勤務可能です。

また、介護施設などで利用者やご家族の悩み相談に乗る生活相談員になる道もあります。

資格要件は自治体によって異なる場合があるため、勤務先の地域で確認しましょう。

訪問介護ならではの働き方

「訪問介護」と「施設介護」は、それぞれで異なる独自の働き方をします。

ここでは、訪問介護ならではの働き方と、コミュニケーションのコツについて解説していきます。

3つの働き方から選べる

訪問介護員の働き方は、主に以下の3つです。

働き方特徴
常勤ヘルパー毎月決まったお給料をもらい、会社のシフトに合わせて働くスタイルです。収入を安定させたい人に向いています。
登録ヘルパー働きたい曜日や時間を登録して、自分の都合に合わせて働けます。 働いた時間分の時給をもらえるため、短い時間だけ働きたい人に合っています。
派遣ヘルパー派遣会社と契約して、決まった期間だけ働きます。 色々な職場で経験を積みたい人におすすめです。

なお、事業所の指示で利用者宅から次の利用者宅へ移動する時間などは、自由に使える時間でなければ労働時間にあたり、賃金の支払いが必要とされています。

登録ヘルパーとして働く場合は、移動時間の扱いや、利用者の都合で訪問が中止になったときの対応なども、応募前に確認しておくと安心です。

参照:厚生労働省「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」

直行直帰のメリットと注意点

訪問介護の多くは、自宅から直接利用者の家へ向かい、仕事が終わったらそのまま自宅へ帰る「直行直帰」のスタイルです。

通勤時間を短縮できるメリットがある一方、ほかの職員と顔を合わせる機会が少なく、悩みや疑問を一人で抱え込みやすい側面もあります。

そのため、電話や記録を通じて、事業所のサービス提供責任者と密に連絡を取り合うと、仕事を円滑に回せるでしょう。

一人で判断・対応する場面への備え

訪問中には、利用者の急な体調変化など、予期せぬトラブルに対して一人で判断し、適切に対応しなければならない場面があります。

もちろん、緊急時にはすぐに事業所へ連絡して指示を仰ぎますが、まずは落ち着いて状況を把握し、初期対応を行う冷静さが求められます。

そのため、日頃から緊急時の対応フローをしっかりと頭に入れて、こまめにシミュレートしておくことが大切でしょう。

利用者や家族と信頼関係を築くポイント

訪問介護でもっとも大切なのは、利用者や家族との信頼関係です。

良い関係を作るために、次の3つを意識するのが大切です。

しっかりと話を聞く相手の話にじっくり耳を傾けることが大切です。 小さな気持ちの変化に気づくことが、信頼につながります。
プライバシーを守る利用者さんの大切なご自宅に入るため、失礼のないようマナーを守る必要があります
こまめな報告・連絡・相談小さな変化や気づきもきちんと伝え、情報を共有していきます。

また、日々のコミュニケーションを意識するのも欠かせません。

「はい」「いいえ」の返答だけで終わらないよう工夫したり、笑顔で相づちを打ったりするのも大切です。

また、言葉だけではない非言語コミュニケーションも信頼構築に欠かせません。

訪問介護の仕事はこんな人におすすめ

ここまで述べてきたように、訪問介護は独特の魅力とやりがいを実感できる職業です。

しかし、仕事の特性上、向き不向きがあるのも事実です。

ここでは、どのような人が訪問介護の仕事に向いているのか、特徴を解説していきます。

一対一でじっくりとケアをしたい人

「流れ作業のようなケアではなく、利用者と一対一でじっくりと関わりたい」と考えている方にとって、訪問介護は理想的な仕事になり得ます。

利用者の小さな変化に気づいたり、深い信頼関係を築いたりすることに喜びとやりがいを感じる方には、訪問介護の仕事がおすすめです。

自分のペースで自律的に働きたい人

「誰かの指示を待つよりも、自分で考えて行動するのが好き」「自分のペースで責任感を持って仕事を進めたい」という自律性の高い方にも、訪問介護の仕事は向いています。

自己管理能力が求められますが、自分の裁量で働ける自由度の高さが魅力です。

ただし、その分責任も重くなるため、自分の力でしっかりと介護ができる自信を持つことも大切でしょう。

観察力と臨機応変な対応力がある人

訪問介護員には、利用者が言葉にしない心身の変化や、生活環境の問題点に気づく「観察力」が重要なスキルとなります。

また、予期せぬ事態が発生した際、慌てず冷静に状況を判断して適切に行動できる「臨機応変な対応力」も不可欠です。

観察力と対応力に自信がある人は、訪問介護で活躍できる人材といえるでしょう。

訪問介護の資格に関してよくある質問

訪問介護の資格に関してよくある質問をまとめました。

訪問介護は未経験でもできますか?

介護職員初任者研修の資格を取得すれば、介護の仕事が未経験でも訪問介護員として働けます。

また、多くの事業所では先輩ヘルパーとの同行訪問などで仕事の流れを学べる体制を整えています。

研修の内容や期間は事業所ごとに異なるため、面接などで確認しておくと安心です。

ホームヘルパーと訪問介護員の違いは何ですか?

基本的に同じ仕事を指します。

介護保険法にもとづく基準では「訪問介護員」という名称が使われており、「ホームヘルパー」は通称として使われています。

昔取得したホームヘルパー1級・2級や介護職員基礎研修は今も使えますか?

使えます。旧ホームヘルパー1級・2級や介護職員基礎研修の修了者は、介護職員初任者研修の修了者として扱われるためです。

また、旧ホームヘルパー1級や介護職員基礎研修の修了者は、サービス提供責任者の資格要件も満たします。

資格なしでも応募できる訪問介護の求人はありますか?

無資格でも応募できる求人が見つかる場合はあります。

ただし、介護保険の訪問介護として利用者宅で身体介護を行うには、原則として介護職員初任者研修以上の資格が必要です。

応募する際は、資格を取るまでに担当する業務や、受講費用の補助の有無を確認しましょう。

障害福祉の「居宅介護」で働く場合も同じ資格でよいですか?

介護福祉士や実務者研修、介護職員初任者研修の修了者は、障害福祉サービスの「居宅介護」でも従業者として働けます。

ただし、重度訪問介護や同行援護など、サービスによっては専用の研修が設けられています。

細かな要件は自治体によって示し方が異なるため、働きたい地域の自治体や事業所に確認しましょう。

まとめ

訪問介護の仕事には「介護職員初任者研修」以上の資格が必須です。

無資格から介護の仕事を始める場合は、まず介護職員初任者研修の取得が第一歩となります。

「身体介護」や「生活援助」といった具体的な業務を学びながら、資格取得を目指すのが基本的な流れとなるでしょう。

ぜひ、本記事を参考に訪問介護資格を取得して、仕事に必要なスキルを身につける第一歩を踏み出してみてはいかがでしょう。

Supervisor 監修者
履歴書_写真

石田楓

資格等:介護福祉士・社会福祉主事

介護業界での実務経験は10年以上。デイサービス、グループホーム、ショートステイと複数のサービス形態を経験し、うちグループホームとショートステイでは立ち上げスタッフとして携わる。
27歳で生活相談員へ異動し、ケアマネジャーや医療機関との連携、家族対応を4年間担当。
自身も業界内で複数回の転職を経験しており、現場職員から相談員へのキャリアチェンジも経ている。現在は介護ライターとして活動中。