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98訪問介護とは?サービス内容や費用・利用の流れを解説

訪問介護は利用者が住み慣れたご自宅で、可能な限り自立した日常生活を送ることを支援する「介護保険サービス」です。

しかし、存在自体は知っていても「何をしてくれるのか」「費用はどれくらいか」など、サービス内容を詳しく知らない方もいるでしょう。

そこで本記事では、訪問介護の基本的な定義から、具体的なサービス内容、利用開始に至る流れまで、分かりやすく解説します。

訪問介護について詳しく知りたい方、訪問介護を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

Contents
  1. 訪問介護とは?
    • 訪問介護の基本的な役割
    • 訪問介護員の役割
    • 訪問介護の提供体制
  2. 訪問介護のサービス内容
    • 専門的な知識が必要な「身体介護」
    • 日常生活をサポートする「生活援助」
    • 専門的な「通院等乗降介助」
  3. 訪問介護では「できないこと」
    • 医療行為
    • 家族へのサービス
    • 専門的な行為・特別な行為
  4. 訪問介護の対象者と利用料金・費用
    • 要介護認定の条件
    • 基本的な料金体系
    • 時間帯別の料金目安
    • 料金計算における「限度額(支給限度基準額)」
    • 高額介護サービス費制度について
  5. 訪問介護サービス利用開始までの具体的な流れ
    • 1.市区町村窓口で「要介護認定」の申請
    • 2.「介護認定調査」と「主治医意見書」の作成
    • 3.要介護度の決定と「ケアマネジャー」の選定
    • 4.ケアマネジャーによる「ケアプラン」の作成
    • 5.「訪問介護事業所」との契約とサービス開始
  6. ほかの在宅介護サービスとの違い
    • 「訪問介護」と「訪問看護」の違い
    • 「訪問介護」と「訪問入浴介護」のサービス範囲の違い
    • 「訪問介護」と「通所介護」の目的の違い
    • 複合型サービス「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」とは
  7. 訪問介護の将来性と期待されるサービス形態
    • 地域包括ケアシステムにおける訪問介護の役割の拡大
    • ICT・AI活用による訪問介護の効率化と質の向上
    • 「共生型サービス」としての訪問介護の可能性
    • 介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)への移行
  8. まとめ

訪問介護とは?

訪問介護とは、介護保険制度における居宅サービスの一つであり、要介護認定を受けた高齢者が住み慣れた自宅において、可能な限り自立した日常生活を送れるように支援するサービスです。

ここでは、訪問介護に関する基本的な情報をご紹介します。

訪問介護の基本的な役割

訪問介護の最大の目的は、単に身の回りのお世話をすることだけではありません。

介護保険法が掲げる「自立支援」の理念に基づき、利用者が持っている能力を最大限に生かしつつ、できない部分を適切に補うことにあります。

これにより、生活の質(QOL)を維持・向上させることが期待されます。

また、定期的にスタッフが訪問することにより、安否確認や体調変化の早期発見など、見守りの機能も果たす点が特徴です。

さらに、介護を担うご家族にとっても、身体的・精神的な負担を軽減(レスパイト)し、共倒れを防ぐという側面も持ち合わせています。

訪問介護員の役割

訪問介護員(ホームヘルパー)は、介護のプロフェッショナルとして、ケアプランに基づいた適切なサービスを提供する役割を担っています。

単に、家事代行や身体介助を行うだけではありません。

利用者の表情や身体状況、部屋の環境などを鋭く観察し、サービス提供責任者やケアマネジャー、医療職へとつなぐ「連携のハブ」としての役割も非常に重要です。

また、利用者の自尊心を傷つけないよう配慮したコミュニケーションや、人生の先輩としての敬意を持った接遇など、高い倫理観と人間性が求められる職種でもあります。

訪問介護の提供体制

訪問介護事業所には、サービスを提供するヘルパーだけでなく、サービス提供責任者や管理者が配置されています。

サービス提供責任者とは、利用者様やご家族との面談、具体的な訪問介護計画書の作成、ヘルパーの指導・調整を行うコーディネーター役です。

ヘルパーは基本的に単独で訪問しますが、背後にはこうしたチーム体制があり、組織として利用者を支えています。

また、訪問介護は24時間365日の体制を取っている事業所もあれば、日中のみ稼働する事業所もあるなど、地域や事業所の方針によってサービス提供の体制は異なります。

訪問介護のサービス内容

訪問介護で提供されるサービスは、大きく分けて「身体介護」「生活援助」「通院等乗降介助」の3つに分類されます。

これらは介護保険法によって厳格に定義されており、何でも頼めるわけではありません。

ここでは、それぞれのサービス区分の詳細と、具体的な支援内容について解説していきます。

専門的な知識が必要な「身体介護」

身体介護とは、利用者の身体に直接触れて行う介助、または身体機能の向上のために行われる支援のことを指します。

具体的には、食事や入浴、排せつの介助などが該当します。

また、自立支援の観点から、利用者と一緒に調理や掃除を行う場合、見守りや声かけが必要であれば身体介護に該当することもあります。

身体介護には、利用者の安全を確保し、安楽な姿勢で介助を行うための専門的な知識と技術が不可欠であり、介護報酬の単価も生活援助に比べると、高く設定されているケースがあります。

入浴介助

入浴介助は、自宅での入浴をサポートするサービスです。

全身浴のみならず、体調に合わせてシャワー浴や手浴、足浴なども行います。

浴室は滑りやすく、転倒のリスクが高い上に、ヒートショックなどの急激な体調変化も起こりやすい場所です。

そのため、ヘルパーは入浴前のバイタルチェックを欠かさず行い、全身の皮膚状態の観察も同時に実施します。

例えば、床ずれや乾燥、傷の有無などの確認が該当します。

身体を清潔に保つだけでなく、リラックス効果による精神的な安定を図る上でも、入浴介助は重要なケアなのです。

排せつ介助

排せつ介助は、トイレへの誘導やポータブルトイレの利用介助、おむつ交換などを行います。

排せつは人間の尊厳に深く関わる行為であるため、ヘルパーは利用者の自尊心や羞恥心に最大限配慮し、手際よくかつ丁寧な介助が求められます。

また、単に処理をするだけでなく、排せつ物の性状や量を確認することで、消化器官の状態や水分摂取量が適切かを把握するなど、健康管理にもなる点が特徴です。

適切なケアを行うことにより、皮膚トラブル(おむつかぶれ等)や、尿路感染症の予防にもつながります。

移動・移乗介助

移動・移乗介助は、ベッドから車椅子への乗り移り(移乗)や、歩行のサポート、車椅子での移動介助などを指します。

利用者の残存機能(自分の足で立てるか、麻痺はあるか等)を的確に把握し、ボディメカニクスという身体力学を活用して、利用者とヘルパーの双方に負担の少ない方法で実施します。

無理な力で行うと、事故やけがの原因となるため、高度な技術が必要です。

また、移動前には動線の安全確認や、障害物の除去などを行い、転倒予防に努めることも重要な業務の一つです。

日常生活をサポートする「生活援助」

生活援助とは、身体介護以外の訪問介護であり、掃除・洗濯・調理など、日常生活の援助を行うサービスです。

対象となるのは、利用者が一人暮らしの場合や、同居家族が障害や病気などのために、家事を行うことが困難な場合に限られます。

あくまで「日常生活を営むのに支障がある行為」への支援であり、利用者本人の生活範囲を超えたサービスは提供できません。

家政婦サービスとは異なり、介護保険のルール内での実施となるため、内容には制限があります。

調理作業

調理の援助では、利用者の健康状態や嗜好、噛む力・飲み込む力に合わせた食事を作ります。

糖尿病や高血圧などの持病がある場合は、塩分やカロリーに配慮したメニューを考案することもあります。

また、食材の買い物代行も含まれますが、購入できるのは日常生活に必要な食料品や日用品に限られる点に注意しましょう。

調理後は、衛生管理のために調理器具の洗浄や生ゴミの処理なども行い、清潔なキッチン環境を維持します。

掃除・片付け

掃除・片付けの援助は、利用者が主に使用する場所(居室・寝室・トイレ・浴室・台所など)が対象となります。

掃除機がけや拭き掃除、ゴミ出しなどを行い、衛生的な生活環境を整えます。

ただし、普段使用していない部屋の掃除や庭の草むら、窓拭きやワックスがけなどの大掃除、ペットの世話などは、介護保険の対象外となります。

あくまで利用者自身が生活を継続するために、必要最低限の範囲でのサポートという位置づけであり、同居家族の部屋の掃除なども行えません。

専門的な「通院等乗降介助」

通院等乗降介助は、通称「介護タクシー」とも呼ばれるサービスです。

自力での通院が困難な利用者に対し、ヘルパーが運転する車両への乗車・降車の介助、および通院先や受診手続きの移動介助を行うものです。

このサービスを利用するには、事業所が許可を得ている必要があり、ケアプランへの位置づけも必須です。

また、単なる移動手段ではなく、あくまで「介護保険サービス」であるため、利用できる目的は医療機関への通院や公的機関での手続きなどに限定されます。

つまり、買い物や旅行などのサポートには活用できません。

訪問介護では「できないこと」

訪問介護は、公的な介護保険制度を利用したサービスであり、税金と保険料で賄われているため、利用の公平性を保つための厳しいルールが存在します。

利用者やご家族の要望であっても、制度の趣旨から外れる行為や、ほかの法律に抵触する行為は行うことができません。

ここでは、訪問介護において依頼することができないことについて、代表的な事例と併せて解説していきます。

医療行為

医師法や保健師助産師看護師法などの法律により、医療行為は医師や看護師など、有資格者しか行うことができません。

例えば、訪問介護を行うヘルパーは、点滴の管理やインスリン注射、摘便、床ずれの処置などの医療行為が禁じられています。

ただし、研修を受けたヘルパーによる「喀痰(かくたん)吸引」や「経管栄養」など一部の行為は、特定の条件下で認められています。

また、爪切りや血圧測定、軽微な切り傷の処置、服薬介助などは、医療行為に該当しない範囲であれば実施可能です。

家族へのサービス

介護保険は、あくまで「要介護認定を受けた本人」に対する支援を行う制度です。

そのため、ヘルパーが本人以外の家族のためにサービスを提供することは、一切認められていません。

例えば、家族分の食事を作る、家族の部屋を掃除する、洗濯物を一緒に洗う、来客への対応などの行為は、全て訪問介護の対象外となります。

また、本人が使用していない車やペットの世話なども、家族へのサービスあるいは本人以外の世話とみなされ、実施することはできません。

専門的な行為・特別な行為

日常生活の範囲を超える専門的な作業や、特別な手間を要する行為も介護保険の対象外です。

例えば、庭木の剪定や草むしり、家具の修理、ペンキ塗り、換気扇掃除などは認められません。

また、おせち料理などの特別な行事食の調理も対象外です。

さらに、金銭管理や預貯金の引き出し、契約行為の代行など、財産管理に関わる行為もトラブルのリスクが高く、ヘルパーの業務範囲を超えるため行うことはできません。

これらの補助が必要な場合は、自費サービスや成年後見制度の利用を検討しましょう。

訪問介護の対象者と利用料金・費用

訪問介護を利用するためには、一定の条件を満たす必要があり、費用についても介護保険の仕組みに基づいた計算が行われます。

利用料金は一律ではなく、要介護度や利用するサービスの内容、時間帯、地域によって変動します。

ここでは、訪問介護の対象となる条件、料金体系の仕組み、自己負担額の上限について解説していきます。

要介護認定の条件

訪問介護を利用できるのは、原則として65歳以上であり、市区町村から「要介護1〜5」の認定を受けた方です。

40~64歳までの方でも、特定疾病(末期がんや関節リウマチなど16種類)が原因により、要介護認定を受けた場合は利用可能です。

「要支援1・2」の認定を受けた方は、介護保険の「介護予防訪問介護」ではなく「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」の対象となり、サービス内容や料金体系が異なります。

「自立(非該当)」と認定された方は、介護保険での訪問介護は利用できず、全額自己負担の民間サービスなどを利用することとなります。

基本的な料金体系

訪問介護の料金は「単位数」×「地域単価」で計算されます。

基本料金は、サービスの種類(身体介護か生活援助か)と、所要時間によって国が定めた単位数が決まっています。

例えば「身体介護20分以上30分未満」は約250単位、「生活援助45分以上」は約190単位といった形です。

この単位に、地域ごとの人件費や物価を反映した地域区分単価を掛け合わせ、さらに自己負担割合を掛けて実際の支払額が決定します。

身体介護サービスは専門性が高いため、時間当たりの単価は生活援助より高く設定されています。

時間帯別の料金目安

訪問介護を通常のサービス提供時間外に利用する場合、基本料金に割増料金が加算されます。

例えば、早朝と夜間は25%増し、深夜は50%増しです。

深夜に緊急で身体介護を依頼した場合、通常の1.5倍の単位数が消費されることになります。

ケアプランを作成する際には、こうした時間帯による料金変動も考慮し、予算内で収まるように調整を行うことが一般的です。

料金計算における「限度額(支給限度基準額)」

介護保険サービスは、無制限に使えるわけではありません。

要介護度ごとに、1カ月当たりに利用できるサービスの限度額(支給限度基準額)が単位数で決められています。

例えば、要介護1ならば約1万6,000単位、要介護5ならば約3万6,000単位といった上限があります。

訪問介護だけでなく、デイサービスやショートステイなど、ほかのサービスと合算してこの枠内に収めなければなりません。

もしも、限度額を超えてサービスを利用した場合、超えた分については介護保険が適用されず、全額自己負担となるため注意が必要です。

高額介護サービス費制度について

介護サービスの利用が増え、1カ月の自己負担額の合計が高額になった場合「高額介護サービス費」という制度を利用できます。

これは、所得に応じて設定された上限額を超えた分が、申請により後から払い戻される仕組みです。

この制度があることにより、重度の要介護状態で多くのサービスを利用しても、無制限に費用がかかることはありません。

ただし、食費や居住費、日常生活費、限度額超過分などは対象外となるため、トータルの出費については個別にシミュレーションが必要です。

訪問介護サービス利用開始までの具体的な流れ

訪問介護を利用したいと思っても、その日からすぐに導入できるわけではありません。

公的な制度を利用するためには、適切な手順を踏み、申請や契約を行う必要があります。

ここでは、申請から実際にヘルパーが家に来てサービスが開始されるまで、必要な5つのステップについて詳しく解説していきます。

1.市区町村窓口で「要介護認定」の申請

まず行うのは、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口(高齢福祉課など)や、地域包括支援センターでの「要介護認定」の申請です。

第1号被保険者(65歳以上)の場合、申請には介護保険被保険者証が必要です。

また、第2号被保険者(40〜64歳)の場合は、医療保険証が必要となります。

本人が窓口に行けない場合は、家族や地域包括支援センターの職員、居宅介護支援事業所のケアマネジャーなどが代行して申請することも可能です。

なお、申請書には主治医の氏名や医療機関名を記入する必要があるため、事前に確認しておきましょう。

2.「介護認定調査」と「主治医意見書」の作成

申請を受け付けると、市区町村の調査員が自宅や入院先の病院を訪問し、心身の状況についての聞き取り調査を行います。

これと並行して、市区町村から主治医に対して、医学的な見地からの意見書(主治医意見書)の作成依頼が行われます。

認定調査の結果と特記事項、主治医意見書をもとに「介護認定審査会」が開かれ、医療・保健・福祉の専門家により、どのくらいの介護が必要かという「要介護度」が審査・判定されます。

3.要介護度の決定と「ケアマネジャー」の選定

申請から原則30日以内に、認定結果通知書と新しい被保険者証が届きます。

結果が「要介護1〜5」であれば、介護保険の居宅サービスを利用可能です。

「要支援1・2」であれば、地域包括支援センターが担当となります。

要介護認定を受けたら、次に「居宅介護支援事業所」を選び、担当となるケアマネジャーを決定します。

ケアマネジャーは、利用者の希望や状況に合わせてサービスを調整する重要なパートナーです。

なお、事業所リストは役所や地域包括支援センターで入手できます。

4.ケアマネジャーによる「ケアプラン」の作成

担当ケアマネジャーが決まったら、自宅への訪問を受け、解決すべき生活課題や目標についての話し合いを行います。

「週に何回お風呂に入りたい」「一人で買い物に行けるようになりたい」など、具体的な希望に合わせた対応方法を考えるのが基本です。

話し合いの内容に基づき、ケアマネジャーが「ケアプラン(居宅サービス計画書)」の原案を作成します。

ここには利用するサービスの種類や頻度、時間、事業所名、料金の目安など、具体的な内容を記載します。

5.「訪問介護事業所」との契約とサービス開始

ケアプランに基づき、ケアマネジャーが訪問介護事業所へ依頼を行います。

その後、サービス担当者会議を実施し、利用者・家族・ケアマネジャー・訪問介護事業所の担当者などが集まり、具体的なケアの内容や緊急時の対応などを共有します。

問題がなければ、訪問介護事業所と直接「契約」を結びましょう。

契約をする際には、重要事項説明書の説明を受け、同意の署名・捺印を行います。

ここまで完了して初めて、予定された日時にホームヘルパーが訪問し、サービス提供が始まります。

ほかの在宅介護サービスとの違い

在宅で利用できる介護サービスには、訪問介護以外にもさまざまな種類があります。

サービスごとの特徴を知ることにより、利用者の状態やニーズに合わせて、最適なサービスを組み合わせることが可能となります。

ここでは、訪問介護と混同されやすい、ほかの代表的な在宅サービスとの違いについて、目的やサービス範囲の観点から解説していきます。

「訪問介護」と「訪問看護」の違い

もっとも大きな違いは「医療行為」ができるかどうかです。

訪問介護は、ホームヘルパー(介護福祉士など)が行う生活支援や身体介護が中心ですが、訪問看護は看護師や理学療法士などが訪問し、医師の指示に基づいた医療処置やリハビリテーションを行います。

状態が安定している方の生活支援は訪問介護、病状の観察や医療的ケアが必要な場合は訪問看護というように使い分けられます。

重度の方の場合は、両方のサービスを併用し、在宅生活を支えるケースが一般的です。

「訪問介護」と「訪問入浴介護」のサービス範囲の違い

訪問介護における「入浴介助」は、利用者宅にある既存の浴槽を使用して行います。

一方「訪問入浴介護」は、専用の浴槽を積んだ入浴車で訪問し、部屋の中に浴槽を持ち込んで入浴サービスを提供します。

訪問介護では、対応が難しい寝たきりの方や重度の障害がある方、自宅の浴室環境が入浴に適さない場合などに利用されます。

訪問入浴介護は、看護師を含めた3名体制で行われることが多く、入浴前後の健康チェックも手厚いのが特徴ですが、あくまで「入浴」に特化したサービスです。

「訪問介護」と「通所介護」の目的の違い

通所介護(デイサービス)は、利用者が施設に通ってサービスを受ける形態です。

訪問介護が自宅という「個」の空間でのケアであるのに対し、通所介護は「社会参加」や「他者との交流」が大きな目的の一つです。

施設でのレクリエーションや食事、集団での機能訓練などを通じて、孤独感の解消や心身機能の維持を図ります。

また、利用者が日中外出することにより、家族の休息(レスパイト)時間を確保するという点でも、大きな役割を果たしています。

自宅での生活を支える「訪問」と、外に出る「通所」を組み合わせることが多いです。

複合型サービス「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」とは

訪問介護と訪問看護が一体となり、24時間365日体制でサービスを提供する地域密着型サービスです。

従来の訪問介護は「45分」など、決まった時間の滞在が基本ですが、このサービスでは「1日に複数回の短時間訪問(10分程度の安否確認や排せつ介助)」と、通報があった際の「随時対応」を柔軟に組み合わせることができます。

特に、独居で不安な方や、頻繁な体位変換やおむつ交換が必要な重度の方にとって、施設に入らずとも自宅で安心して過ごせる強力なサポート体制となります。

訪問介護の将来性と期待されるサービス形態

超高齢社会が進む日本において、訪問介護のニーズは、今後ますます高まることが確実視されています。

施設不足や「住み慣れた自宅で最期を迎えたい」というニーズの増加に伴い、在宅介護の基盤となる訪問介護への期待は大きくなっています。

ここでは、将来的な展望や新たに注目されているサービス形態、テクノロジーの活用について解説していきます。

地域包括ケアシステムにおける訪問介護の役割の拡大

国が推進する「地域包括ケアシステム」では、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で生活し続けられるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される体制を目指しています。

この中でも「訪問介護」は、在宅生活を支えるもっとも基本的かつ重要なサービスとして、位置づけられています。

今後は単なる家事援助だけでなく、重度化予防のための自立支援や、認知症ケア、看取り(ターミナルケア)への対応など、より高度で専門的な役割が求められるようになると予想できるでしょう。

ICT・AI活用による訪問介護の効率化と質の向上

深刻な人手不足を補うため、訪問介護の現場でも、ICT(情報通信技術)やAIの導入が進んでいます。

これまでは紙ベースで行っていた介護記録を、タブレットやスマートフォンで入力・共有することで、事務作業の負担を大幅に削減し、直行直帰もしやすい環境が整いつつあります。

また、見守りセンサーやコミュニケーションロボットを活用して安否確認の効率化を図るなど、テクノロジーと人の手を融合させることにより、サービスの質を落とさずに業務効率を向上させる取り組みも加速していくでしょう。

「共生型サービス」としての訪問介護の可能性

従来は高齢者の「介護保険」と、障害者の「障害福祉サービス」は、制度が縦割りで分かれて、事業所も別々であることが一般的でした。

しかし、制度改正によって高齢者と障害者が同じ事業所でサービスを受けられる「共生型サービス」が創設されました。

これにより、障害福祉サービスを利用していた方が65歳になって介護保険に移行する際も、馴染みのヘルパーや事業所を継続して利用しやすくなります。

限られた人材や地域資源を有効活用し、年齢や障害の種別を超えて、地域全体で支え合う新たな拠点が広がりつつあります。

介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)への移行

要支援認定者に対する訪問介護(および通所介護)は、全国一律の介護保険給付から、各市区町村が実施する「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」へと移行しました。

これにより、基準緩和型サービスとして、NPO・ボランティア・民間企業など、多様な主体が参入しやすくなっています。

専門職によるサービスのみならず、住民ボランティアによるゴミ出しや買い物支援など、地域の実情に合わせた柔軟な支え合いの仕組みが作られており、軽度者の生活を地域全体で支えるモデルへと転換が進んでいます。

まとめ

訪問介護とは、要介護者が住み慣れた自宅で自分らしく暮らすための「要」となるサービスです。

身体介護から生活援助まで、その内容は多岐に渡りますが、利用に当たっては「できること」「できないこと」のルールを理解し、ケアマネジャーと相談しながら適切なプランを立てることが重要です。

費用面や手続きの流れも含め、正しい知識を持つことが、安心で快適な在宅介護生活を提供する第一歩となります。

ぜひ、この機会に訪問介護の基本を確認し、重要な情報を把握していきましょう。