介護職として働きながら「副業でもう少し収入を増やしたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
しかし、実際に副業を始めるとしても「本当にできるのか」「職場にバレないか」「何から始めればいいのか」と悩んでしまいます。
そこで本記事では、副業を始める前に押さえておきたいポイントや、介護職に向いている副業12選をご紹介します。
併せて、介護職にとって注意して選びたい副業についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 介護職の副業はOK?
- 介護職が副業する際に押さえておきたいポイント
- 介護職におすすめの副業を目的別で紹介
- 介護職が副業を選ぶ際に注意したい仕事の特徴
- まとめ
介護職の副業はOK?
結論から述べると、介護職の副業が認められているケースはあります。
まずは、どのような場合に介護職の副業が認められるのか見ていきましょう。
介護職の副業は就業規則による
介護職の副業が可能かどうかは、勤務先の就業規則によって決まります。
施設の就業規則に「副業禁止」の文言がなければ、基本的に副業しても問題はありません。
ただし、施設によっては副業を許可制としている場合もあるため、職場の規則はしっかりと確認しておく必要があります。
また、自治体運営の施設で働く「公務員」の介護職は、国家公務員法(第103条・第104条)や地方公務員法(第38条)により、原則として副業が禁止されているため注意が必要です。
参照:e-GOV 法令検索「国家公務員法」
参照:e-GOV 法令検索「地方公務員法」
副業の定義
副業とは「本業とする仕事以外に行う仕事」のことです。
本業で得ている給与とは別に、継続的もしくは単発で収入を得る活動全般が「副業」と見なされます。
収入の額に関わらず、本業以外で報酬が発生するものはすべて副業と捉えておきましょう。
兼業やダブルワークとの違い
「副業」と似た言葉に「兼業」や「ダブルワーク」があります。
一般的には、以下のようなニュアンスで使い分けられる傾向です。
- 副業:本業を主軸としながら、空き時間でサブ的に行う仕事
- 兼業:本業と別でありながら、同じ規模で行う本格的な仕事
- ダブルワーク:アルバイトやパートなど、2つの雇用契約に基づく仕事を掛け持ちすること
介護職の副業に関するデータ
株式会社リクルートが行った「兼業・副業に関する動向調査2024」によると、医療・福祉業界で副業を実施している人の割合は11.7%にのぼっています。
雇用形態が正社員の人全体では16.5%となっているため、介護職に限定できないものの、副業している方の割合は若干高い傾向にあるといえるでしょう。
副業の理由としては「貯蓄や自由に使えるお金を確保するため」がもっとも多く、次いで「生活を維持するため」となっており、経済的な理由が大きいことが分かります。
参照:株式会社リクルート「兼業・副業に関する動向調査2024」
副業がOKでも本業に支障が出る場合はおすすめできない
たとえ就業規則で副業が許可されていても、本業である介護の仕事に影響が出る働き方は、控えたほうが安心です。
副業による疲労で遅刻や欠勤が増えたり、勤務中に集中力が落ちたりすると、結果的にマイナスとなってしまう可能性があります。
本業に影響を及ぼさないよう、体調管理やスケジュール調整を意識して取り組むことが大切でしょう。
介護職が副業する際に押さえておきたいポイント
副業を円滑に進めるためには、事前にいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
特に、法律や税金に関わる部分については、しっかりと理解しておきましょう。
就業規則は必ず確認
副業を始める前には、まず就業規則を確認しましょう。
就業規則で「副業禁止」と定められているにもかかわらず、無断で副業を行うと、減給や出勤停止、最悪の場合は懲戒解雇の可能性があります。
リスクを避けるためにも、規則の内容を把握してから行動することが大切です。
労働時間の管理
副業を行う際は、労働時間の管理も大事なポイントです。
本業と副業の両方が給与所得の場合、労働基準法に基づき労働時間は合算されます。
法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた場合、副業先で割増賃金(残業代)が発生することがあります。
そのため、雇用型の副業を始める際は、本業との合計が法定労働時間を超えないか、事前に確認しておくことが大切です。
参照:厚生労働省「法定労働時間(労働基準法第32条、第40条)」
確定申告の必要性
副業で得た所得(収入から必要経費を差し引いた金額)の合計が年間で20万円を超えた場合、原則として翌年に「確定申告」を行い、所得税を納める必要があります。
申告を怠ると、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課される恐れもあるため、必ず期限内に手続きを行いましょう。
また、確定申告の際には、確定申告書第二表の「住民税に関する事項」欄にて、住民税の納付方法を選択する必要があります。
副業のことを本業の会社に知られたくない場合は「自分で納付(普通徴収)」を選ぶと安心でしょう。
ただし、この方法は給与所得(アルバイトやパートなど)以外の所得に限られるため、給与所得の副業では選択できない点に注意しましょう。
参照:国税庁「スマホで確定申告(副業編)」
年間所得が20万円以下の場合は住民税の申告が必要
副業所得が20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要ですが、市区町村に対する「住民税」の申告は必要です。
住民税の納付方法には、会社の給与から天引きされる「特別徴収」と、自分で直接納付する「普通徴収」の2種類があります。
住民税の申告で何も指定しない場合、本業と副業の所得を合算した金額で住民税が計算され、本業の会社に通知がいく「特別徴収」が選ばれてしまうので注意しておきましょう。
副業をしていることを本業の会社に知られたくないのであれば、住んでいる市区町村に住民税の申告書を提出し、その中で「自分で納付(普通徴収)」を選択する必要があります。
普通徴収の選択が可能かどうかは自治体によるため注意
副業がアルバイトやパートなどの「給与所得」の場合、自治体によっては原則として特別徴収に統一しており、普通徴収への切り替えが認められない場合があります。
切り替え可否は自治体の判断によるため、事前に役所の税務課へ確認しておくとよいでしょう。
なお、2026年度からは多くの自治体において、複数の給与所得がある場合、すべて主たる給与から特別徴収される制度に変更されます。
ただし、記載内容は天引き額のみで、所得の種類、金額、控除の内訳は記載されないため、本業の会社に副業が知られる可能性は低いといえるでしょう。
社会保険への加入
副業先での労働条件によっては、社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入義務が発生する場合があります。
以下の条件をすべて満たす場合、加入対象となることを理解しておきましょう。
・週の所定労働時間が20時間以上
・2カ月を超える雇用の見込みがある
・月額賃金が8.8万円以上
・学生ではない
本業の職場で社会保険に加入している場合、副業先の事業所で重複して加入することはできません。
その場合は、主に生計を維持しているほうの勤務先を選択して加入します。
参照:厚生労働省「従業員のみなさま | 社会保険の加入条件やメリットについて」
副業の話題を職場でしない
たとえ就業規則で副業が認められていても、職場で副業の話題を持ち出すのは控えたほうが安心です。
本業に集中できないと思われるリスクがあり、思わぬトラブルにつながる可能性もあります。
介護職におすすめの副業を目的別で紹介
ここからは、介護職の方におすすめの副業を「在宅ワーク系」「介護スキルを活かせる副業」「介護とは関係ない副業」の3つのカテゴリに分け、具体的にご紹介していきます。
自身の目的やライフスタイルに合った副業を見つけられるよう、ぜひ参考にしてみてください。
在宅ワーク系
時間や場所にとらわれず、自分のペースで取り組みたい方におすすめなのが「在宅ワーク系」の副業です。
webライティング
webライティングとは、企業のウェブサイトやブログに掲載する記事を執筆する仕事です。
介護の専門知識や現場での経験は、介護関連のメディアで高単価の案件につながりやすい傾向にあります。
パソコン1台あれば始められる上に、未経験からでも案件を見つけやすい点が魅力でしょう。
動画編集
YouTubeやTikTokなど、動画コンテンツの需要は年々高まっており、動画編集スキルを持つ人材が求められています。
そのため、カットやテロップ挿入といった基本的な作業から始め、徐々にスキルを磨いていくやり方がおすすめです。
編集スキルを身につけることは、公式SNSアカウントの動画作成や、Web広告用の動画制作といった「運用代行」の仕事につながる可能性も秘めています。
フリマアプリ販売
手軽に始められる副業の一つが、フリマアプリを使った販売です。
家にある不用品を販売したり、趣味で作ったハンドメイド作品を出品したりと、初期費用を抑えて収入を得ることができます。
梱包や発送の手間はかかりますが、自分の好きなものを売る楽しみを感じられるでしょう。
介護スキルを生かせる副業
「本業で培ったスキルや資格を直接生かしたい」という方には、以下の副業がおすすめです。
夜勤専従のバイト・パート
介護施設の中には、夜勤のみを担当する「夜勤専従」のパートやアルバイトを募集しているところがあります。
本業が日勤中心の方であれば、休みの前日などを利用し、効率的に働くことが可能です。
夜勤は、日勤に比べて時給が高く設定されているため、短時間でまとまった収入を得たい方におすすめでしょう。
訪問介護の登録ヘルパー
訪問介護の登録ヘルパーは、あらかじめ勤務可能な曜日や時間帯を登録しておき、その範囲内で仕事の依頼を受ける働き方です。
本業のシフトがない日や、数時間だけの空き時間などを有効に活用できるため、介護職の副業として人気があります。
地域活動支援センター
地域活動支援センターは、障がいのある方々が地域で自立した生活を送れるよう、創作活動や生産活動の機会を提供し、社会との交流を促進する施設です。
介護の現場で培ったコミュニケーション能力や、相手に寄り添う姿勢を直接生かせます。
スキルシェアサービス
自分の知識や経験、スキルを商品として販売できる「スキルシェアサービス」を活用するのも、一つの方法です。
スキルシェアサービスならば「介護に関する悩み相談に乗ります」「新人介護士向けの業務アドバイス」といったサービスも出品できます。
介護とは関係ない副業
「仕事のオンオフをはっきりさせたい」「介護とは違うことでリフレッシュしたい」という方には、以下のような副業がおすすめです。
フードデリバリー
フードデリバリーは、自転車やバイクを使い、飲食店の料理を届ける仕事です。
専用アプリに登録すると、自分の好きな時間に好きなだけ働けることから、自由度の高さが魅力といえます。
また、運動不足の解消にもなるため、気分転換にもぴったりな副業でしょう。
コンビニや飲食店スタッフ
コンビニや飲食店スタッフは、シフトの柔軟性が高く、短時間からでも働きやすい求人が多いため、介護職の不規則な勤務スケジュールと両立しやすい副業です。
夜勤シフトを選べば、収入アップにも期待でき、接客を通じてコミュニケーション能力や対応力も自然と身につきます。
家事代行
掃除・洗濯・料理など、日常的な家事を代行するサービスです。
シフトが柔軟に招請可能で、高時給にも期待できることから、介護職の副業として人気があります。
また、特別な資格も不要であるため、家事が得意な方であればすぐに挑戦できる仕事でしょう。
覆面調査
覆面調査(ミステリーショッパー)は、一般客のふりをして店舗を訪れ、接客態度やサービスの質を調査し、レポートを提出する仕事です。
飲食店や小売店など、さまざまなジャンルのお店を体験しながら、報酬を得られる点が魅力です。
介護職が副業を選ぶ際に注意したい仕事の特徴
副業としてさまざまな選択肢がありますが、介護職の方が取り組む際には、注意したほうがよい仕事もあります。
時間やお金を無駄にしないためにも、次のような特徴を持つ副業は、慎重に判断することが大切です。
体力的負担が大きい副業
夜勤もある介護の仕事は、体力や精神を消耗しやすい環境です。
そのため、副業でさらに体力を使う仕事を選ぶと、疲労が蓄積して本業に影響が出る可能性があります。
深夜まで及ぶ長時間の肉体労働や、引越し作業のアルバイトなどは、十分な休息時間を確保しづらくなるため、注意して検討することをおすすめします。
情報漏洩・機密保持義務違反のリスクがある副業
自身の経験をSNSやブログで発信するような副業の場合、意図せず本業の情報を漏らしてしまうリスクが伴います。
介護職とは、利用者のプライベートな情報に触れる機会が多い職業です。
個人が特定できるような情報を少しでも漏洩させてしまうと、信用を失うだけでなく、法的な責任を問われる可能性もあります。
そのため、情報漏洩・機密保持義務違反のリスクがある副業は、できるだけ避けておくのがおすすめです。
初期費用が大きい副業
最初に大きな投資が必要な副業は、うまく回収できず、損失を抱えるリスクがあります。
例えば、株式やFXの短期売買、高額な機材が必要な動画編集、飲食店のフランチャイズ経営などは、利益が出るまでに時間がかかる場合があります。
そのため、まずは初期費用がほとんどかからない、あるいは少額で始められる副業からスタートするのがおすすめでしょう。
データ入力やアンケートモニター
データ入力やアンケートモニターは、特別なスキルが不要で、誰でも簡単に始められる点が魅力です。
しかし、これらの副業は、作業量に対して報酬単価が低い傾向にあります。
時給に換算すると、数百円程度にしかならないことも多く、まとまった収入を得るためには膨大な時間が必要です。
効率的に収入を増やしたいのであれば、ほかの副業を検討しましょう。
ネットワークビジネス
ネットワークビジネス(マルチレベルマーケティング、MLM)とは、販売員が商品やサービスを販売し、さらに新規販売員を勧誘して組織を連鎖的に拡大していく販売方式です。
自身の商品販売による利益のほか、自分が勧誘した販売員の販売実績に応じた紹介料が得られます。
一方、強引な勧誘が原因で人間関係を壊してしまったり、在庫を抱えてしまったりするトラブルも後を絶たないのもまた実情です。
法律で認められたビジネスモデルではありますが、安易に手を出すと友人や信頼、お金を失うリスクがあるので注意しましょう。
まとめ
本業の収入にプラスしてお金を得られる副業は、介護職で働く方にとって、魅力的な選択肢でしょう。
しかし、やみくもに始めると、本業に支障をきたしたり、思わぬトラブルに巻き込まれたりするリスクも伴います。
まずは、職場の就業規則をしっかりと確認し、認められた範囲で副業に取り組むことが、失敗しないための大前提です。
ぜひ、本記事で紹介した内容を参考に、自身の体力やライフスタイルと相談しながら、無理なく続けられる副業を見つけてみてください。

