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45寝衣交換とは?正しい手順やコツ、気をつけるべきポイントを詳しく解説

寝衣交換とは、ただ衣服を着替えさせるのではなく、介護を必要とする方の快適さや尊厳を守るという点でも大切なケアの一つです。

しかし、介護や看護の現場に入ったばかりの方や、急に家族の介護が必要になった方だと「どの順番で進めればいいの?」「麻痺がある方や点滴中の方にはどう対応すべき?」と、迷うことも少なくないでしょう。

そこで本記事では、寝衣交換の正しい手順から状況別の工夫、観察のポイントまで、詳しく解説します。

寝衣交換によって快適に安心して過ごせるよう、ぜひ参考にしてください。

寝衣交換とは?

寝衣交換は、高齢者や看護・介護を必要とする方にとって、療養生活に欠かせない重要なケアの一つです。

健康状態のチェックや心理的安定など、さまざまな意味を持っており、その効果は体の清潔維持にとどまりません。

まずは、寝衣交換の概要やその目的について、詳しく解説していきます。

寝衣交換の概要

寝衣交換とは、病気や麻痺などにより、自力で着替えが難しい方の衣服を安全に取り替える介助のことです。

単なる着替えのサポートではなく、利用者の身体的負担を最小限に抑えたり、適切な意思疎通を行ったりすることが重要です。

そのため、看護師や介護士には、技術・対応力・観察力など、多様なスキルが求められます。

寝衣交換を行う際は、安全面に十分配慮し、利用者にとって快適なケアとなるよう、適切な方法で実施しましょう。

寝衣交換を行う目的

寝衣交換の主な目的は、衛生管理です。

利用者の寝衣には、寝ている間の汗のみならず、食事の食べこぼしや、排せつ物などが付着することがあります。

こうした汚れを放置すると、皮膚トラブルの原因になりかねません。

特に、高齢者は皮膚のバリア機能が低下しているため、不衛生な状態が続くと、重症化するリスクもあるため注意が必要です。

また、寝衣交換は利用者の精神面にも良い影響を与えるでしょう。

清潔で気持ちのよい衣服に着替えることで、気分転換となり、快適な療養生活のサポートへとつながります。

交換前にするべきこと

安全を確保しつつ、円滑に寝衣交換を行うためには、利用者周辺の環境や精神面への配慮など、事前準備をしておくことが不可欠です。

ここでは寝衣交換の前に用意すべきものや、確認すべきポイントについて解説していきます。

寝衣交換に必要なもの

寝衣交換の際には、以下のものを準備しておきましょう。

● 新しい寝衣(上着・下着)
● バスタオルやタオルケットなど体を覆うためのもの
● 着ていた寝衣を入れるための袋
● 清拭に使うタオル
● 手袋

なお、清拭用のタオルや手袋は、寝衣がひどく汚れている場合などに必要となります。

また、スムーズな寝衣交換を行うためには、これらを介助者の手が届く場所に配置しておくことが重要です。

サポートの途中で取りに戻ることがないよう、始める前にチェックしておきましょう。

寝衣交換のタイミング

寝衣交換は、一般的には以下のようなタイミングが目安です。

● 起床後
● リハビリ後など汗をかいた後
● 入浴やシャワー時
● 就寝前
● 食事や排泄時に汚れてしまった場合

ただし、季節や生活リズム、利用者の体調などによって最適なタイミングは変わります。

そのため、1日の過ごし方を把握した上で、必要に応じて柔軟に寝衣交換を行うことが大切でしょう。

寝衣交換前に確認すべきこと

寝衣交換は、環境や健康状態など、さまざまな観点から利用者に配慮して行うことも大切です。

そこで、寝衣交換の前に確認すべきことを観点別にご紹介します。

<交換しやすい環境を整える>

利用者の環境に配慮し、以下のような準備をしておくことが重要です。

● 室温を22~26℃に設定する
● 冷暖房の風が直接当たらないように調節する
● ベッドサイドの柵を取り外す
● ベッドの高さを介助者の腰の位置まで上げる

寝衣交換中は体が露出することもあるため、常に適切な室温を保てるように配慮します。

また、ベッド周りを整えることで、安全でスムーズな介助ができるでしょう。

<利用者の周囲を整える>

利用者が気持ちよく着替えるために事前にできる配慮として、以下のようなものがあります。

● 寝衣交換することを伝える
● 健康状態や状況を踏まえた寝衣を選ぶ
● カーテンを閉めて周囲から見えないようにする
● 必要があれば排泄を済ませてもらう
● 寝衣やバスタオルは利用者の側に置く

円滑な寝衣交換を行うためには、利用者とコミュニケーションを取り、事前にストレスや不快感を与えないような準備をしておくことが重要です。

<もしもの場合に備える>

寝衣交換をスムーズにできることが理想ですが、利用者の状態が急変する場合もあります。

万が一の場合に備えて、以下のような準備をしておくことも大切です。

● バイタルサインや呼吸の状況、顔色などを確認する
● 嘔吐や出血などが原因で寝衣交換する場合は、十分に感染対策をする

このように、不測の事態に備えて万全な準備をしておくことで、もしもの場合でも冷静に対応できるでしょう。

介助者の人数と立ち位置

何人で介助するかにより、寝衣交換の進め方は大きく異なります。

まずは、利用者の可動域や治療状況に合わせて、介助する人数を決めましょう。

1人の場合は、交換中にその場を離れることがないよう、手元に必要なものをそろえておくこと、2人の場合は作業を分担し、お互いに息を合わせることが重要です。

また、交換時は利用者の腰あたりの位置に立つのが基本です。

ベッドサイドにできるだけ近づき、足を肩幅に開いて立つことで安定した姿勢を保てます。

上半身の交換手順

上半身の寝衣交換は、利用者が着用している衣服のタイプにより、手順や気をつけるべきポイントが異なります。

担当する利用者がどちらのタイプかを確認して、スムーズに交換できるように準備しましょう。

前開きタイプの場合

前開きタイプの場合は、まず付いているボタンや紐を外して、肩から上着が外れるくらいまで脱がせていきます。

その際、首元が苦しくならないよう、襟元を緩めながらゆっくり行うことが大切です。

次に、身体を介助者側に傾けてもらってから、肩から手にかけて袖を外し、脱がせた衣服は利用者の身体の下に丸め込みます。

ここで、新しい寝衣の袖を通しましょう。

袖を外すときは、利用者が脱臼しないよう丁寧に行ってください。

あとは、同様の手順で反対の腕にも新しい寝衣の袖を通し、ボタンや紐を留めて衣服を整えたら完了です。

被るタイプの場合

被るタイプの場合は、初めに寝衣の裾を胸部あたりまでたくし上げ、腕や頭を通しやすいようにします。

次に、痛みや傷のない健側の袖を抜き、たぐるようにして襟元を広げながら、利用者の頭を通しましょう。

これと同じ要領でもう片方の腕を抜いたら、今後は頭から寝衣を着せます。

このとき、襟元を広げて衣服が引っかからないようにしましょう。

その後、片腕ずつ袖を通し、利用者に軽く腰を上げてもらって裾を引っ張ったら完了です。

下半身の交換手順

セパレートタイプの場合は、まずズボンを足首まで下ろして片足ずつ脱がせます。

その際、利用者の膝を90度くらい曲げて行うと、ズボンを下ろしやすくなるため、可能であれば曲げてもらいましょう。

次に、新しいズボンを穿かせます。

ズボンの裾をあらかじめたぐり寄せておき、片足ずつ足首を通しましょう。

できたら再度膝を曲げてもらい、ズボンをお尻の下まで引き上げます。

最後にお尻を浮かせてもらい、腰あたりまで引き上げたら完了です。

引き上げすぎるとシワになりやすいため、余裕を持たせるようにしましょう。

状況別の交換方法とポイント

寝衣交換を必要とする利用者の中には、さまざまな事情や健康状態の方がいるため、利用者一人一人に合った方法で慎重にサポートすることが求められます。

ここでは、利用者の状況別に適切な交換方法と、安全に行うためのポイントについて解説していきます。

点滴をしている場合

点滴をしている場合は、通常の寝衣交換以上に慎重に実施することが重要です。

通常時と異なるのは点滴をしている腕の着脱で、脱がせるときは手首を通した後に点滴ボトルを、着させるときは点滴ボトルを通してから腕という順番で行います。

また、交換前の穿刺(せんし)部や接続部がきちんと固定されているかの確認や、交換後の滴下数の確認も忘れてはいけません。

身体が不自由な場合

麻痺などで身体が不自由な方の寝衣交換は、その方の可動域や身体状況をしっかり確認してから始めることが大切です。

手順は通常時と変わりませんが、利用者によってできる動作とできない動作があるため、臨機応変に対応しましょう。

特に、片麻痺がある方の場合は、動かしやすい健側から脱がして、患側から着させる「脱健着患」で介助するのが基本です。

介助を嫌がる場合

利用者の中には、寝衣交換を嫌がる方もいます。

その場合、無理に寝衣交換を進めるのではなく、まずは本人の気持ちに寄り添い、意思を尊重することが大切です。

嫌がる理由は人それぞれで、例えば「面倒に感じる」「人に触れられるのが苦手」といった場合があります。

原因が分かれば、対応もしやすくなります。

着脱しやすい寝衣を用意したり、できる部分は本人に任せたりするなど、工夫して負担を軽減しましょう。

寝衣交換時の観察項目

バイタルサインや身体の状態など、介助者が利用者の状態に合わせて設定した観察項目をチェックすることで、より安全な寝衣交換が可能です。

ここでは、交換中と交換後に観察すべき項目について解説していきます。

交換中の観察項目

寝衣交換中にまず観察すべきことは、利用者の皮膚の状態です。

全身の皮膚を観察できる機会はなかなかないため、皮膚トラブルの有無や、術後であれば創部の状態などをチェックします。

また、臥床した状態でケアを行う場合は、体位交換によって体力が奪われ、症状が悪化したり、ひどく疲れたりすることがあります。

バイタルサインや顔色を確認しながら、ゆっくり実施するようにしましょう。

交換後の観察項目

交換が終わったら、新しく身につけた衣服を整えましょう。

シワが寄っていたり、めくれている箇所があったりすると、利用者に不快感を抱かせてしまいます。

利用者の中には、気持ちを伝えるのが苦手な方もいるため、声を掛けるなどして気を配ることが大切です。

また、点滴をしている方であれば、ルートにねじれがないか、滴下数が介助前と変わっていないかを確認する必要があります。

寝衣交換でよくあるミス

寝衣交換は、適切な方法で実施することにより、利用者の快適な療養生活をサポートできますが、やり方を間違えるとかえって利用者にストレスや、不快感を与えてしまう原因となります。

ここでは、特に初めての交換時に多いミスをご紹介します。

シワを伸ばし忘れる

寝衣交換後に忘れがちなのが、衣服のシワを伸ばす作業です。

高齢者の肌はデリケートで、わずかなシワでもかゆみや圧迫感の原因となることがあります。

そのため、体位を変えたタイミングや交換後には、必ずシワを伸ばすようにしましょう。

また、必要に応じて「気持ち悪いところはありませんか」と声をかけると、より快適に過ごしてもらえます。

袖を通す順番を間違える

初めて寝衣交換を実施する介助者によくあるのが、袖を通す順番を間違えることです。

要介護者の着替えに欠かせない考え方として「脱健着患」というものがあります。

脱健着患とは「衣服を脱ぐときには健康なほうから、着るときには麻痺や痛みのあるほうから」という意味で、これを意識すると利用者にかかる身体的な負担を最小限に抑えられます。

円滑な寝衣交換を行うポイント

寝衣交換を実施するときは、手順を理解するだけでなく、利用者の身体能力や状況に合わせて対応することが大切です。

ここでは、円滑に寝衣交換を行うためのポイントを4つご紹介します。

できるところは自分でやってもらう

介護の基本的な考え方に「残存能力」があります。

これは介護を必要とする人に残っている力のことで、日々のサポートの中でも残存能力を発揮する環境を整えることが重要とされています。

介助者がよかれと思って必要以上の援助をすると、利用者の残存能力の低下につながるため、できることは自力でしてもらうことを心がけましょう。

利用者の可動域を把握しておく

寝衣交換では、頻繁に利用者の体位を変えるため、適切なサポートができるよう、事前に利用者の可動域を把握しておくことが大切です。

特に初めて関わる利用者さんの寝衣交換を実施する際は、腕や腰などがどのくらい動かせるか確認しておくことで円滑な介助ができます。

積極的に声かけを行う

次の動作を知らせないまま、勝手に利用者の身体を動かすと、利用者は不信感を覚えてしまい、安心してケアを受けられなくなります。

そのため、介助前や次の動作に移るときなどは、こまめに声を掛けるようにしましょう。

その際、柔らかい言葉や優しい口調で話しかけると、不安や驚きを軽減できます。

着脱しやすい寝衣を選ぶ

利用者の寝衣は、本人の好みや動きやすさで選ぶことも大切ですが、介助者の負担を軽減できるかどうかも重要な観点です。

近年、さまざまなタイプの寝衣が登場しており、中にはマジックテープ式やファスナー式など、着脱のしやすさに特化したものもあります。

それぞれにメリットとデメリットがあるため、利用者を尊重しつつ、介助者にとっても着脱しやすいものを選びましょう。

寝衣交換を行う際の注意点

寝衣交換は利用者の衛生管理に欠かせないケアですが、それと同時に安全面や心理的な配慮も必要です。

ここでは、寝衣交換を行う上で意識すべき注意点について、詳しく解説していきます。

プライバシーに配慮する

寝衣交換では、どうしても体の露出が避けられないため、ほかの人に体を見られることを嫌がる利用者もいるでしょう。

そのため、大きめのバスタオルを使用したり、ほかの利用者がいないときに実施したりするなど、プライバシーに配慮した対応が求められます。

利用者に安心してケアを受けてもらえるよう、細心の注意を払って快適な環境を作ることも、介助者の役割の一つです。

皮膚トラブルがないか確認する

乾燥や傷、褥瘡(じょくそう)などがないか、日頃からチェックしておくことにより、皮膚トラブルの発生や重症化を予防できます。

特に、皮膚の一部が圧迫されて血行が悪くなる褥瘡は、重症化した場合、皮膚が壊死する恐れがあるため、早期治療が大切です。

こうした異変を見逃さないためにも、普段から利用者の身体や健康状態に気を配るようにしましょう。

室温や体調に気を配る

寝衣交換では、肌の露出が増えるため、着替えている間に利用者の体が冷えてしまう可能性があります。

そのため、室温や冷暖房設備の風向きなどには十分注意しましょう。

また、急に利用者の体調が悪化することも考えられます。

体を動かすときは、体調や呼吸状態に配慮し、その都度確認しながらゆっくりと行うようにしましょう。

まとめ

寝衣交換とは、利用者の快適さや清潔を保つのみならず、体調の変化を観察できる大切なケアです。

交換の手順は、寝衣のタイプや利用者の身体状況によって異なりますが、どのような利用者であっても、こまめに声を掛けながらゆっくりと動作を行う必要があります。

寝衣交換の正しい手順を理解し、ケアを通して利用者の安全かつ、快適な療養生活をサポートできるようにしましょう。