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40誤嚥(ごえん)とは?原因や症状、対処法などを解説!

「誤嚥(ごえん)」とは、高齢者や病気を抱える方に多く見られる症状で、唾液や飲食物が気管に入ってしまう状態のことです。

「むせる」「咳き込む」といった症状のみならず、繰り返すことで誤嚥性肺炎を引き起こす危険もあり、日常生活や健康に大きな影響を与える可能性があります。

誤嚥の原因は、飲み込む力の低下や病気による影響などさまざまで、誰にでも起こり得るものです。

そこで本記事では、誤嚥の原因や代表的な症状、なりやすい人の特徴、予防策を解説します。

誤嚥を未然に防ぐためにも、あるいは適切に対処できるためにも、ぜひ参考にしてください。

誤嚥とは?

誤嚥は、唾液や飲食物が気管や喉頭に誤って入ってしまう状態を指します。

嚥下機能が正常であれば、咳やむせといった防御反応(咳嗽反射)が働き、気道から排出されるため、大きな問題にはなりにくいのが特徴です。

しかし、高齢者や嚥下機能が低下している人では、食べ物をスムーズに飲み込むことが難しく、誤嚥を繰り返すケースも少なくありません。

また、誤嚥と似た言葉に「誤飲」があります。

嚥下は、食べ物を口に入れてから、噛み、飲み込んで胃へ送るまでの一連の動作を指し、誤嚥はその過程で誤って気管に入ることです。

一方、誤飲は食べ物以外の異物を誤って飲み込み、食道や胃に入る状態をいいます。

消費者庁によると、高齢者では義歯や薬の包装シートといった誤飲事故も多発しており、両者を正しく区別・理解することが大切でしょう。

誤嚥の原因

誤嚥は誰にでも起こり得る現象ですが、その背景には以下のような原因が隠れています。

● 飲み込む力が弱い
● 胃にあるものが逆流する
● 就寝中に唾を誤嚥する
● 筋肉や神経系の病気
● 食道癌や咽頭癌などの腫瘍がある

ここでは、誤嚥の原因について詳しく見ていきましょう。

飲み込む力が弱い

加齢に伴い、食べ物を飲み込むために必要な舌や喉、食道周囲の筋肉が衰えると、食物をスムーズに食道へ送り込めなくなります。

また、認知症やうつ病などの影響により、飲み込む動作そのものがうまくできなくなる場合もあります。

こうした嚥下障害があると、誤嚥のリスクが高まるため、食事の形態を調整することが大切です。

特に「やわらかさ」「噛みやすさ」「飲み込みやすさ」に配慮した嚥下食を取り入れることで、安全に食事を楽しめる環境が整うでしょう。

胃にあるものが逆流する

横になっているときや眠っている最中、胃に残った食べ物や胃酸が逆流して気道へ入ってしまうことがあります。

特に、高齢者や胃食道逆流症を持つ人に多く見られる原因です。

逆流を防ぐためには、食後すぐに横にならず、2〜3時間は上体を起こしておくことが望ましいでしょう。

また、就寝時にはベッドの頭側を少し高くして傾斜をつけると、逆流を予防しやすくなります。

就寝中に唾を誤嚥する

夜間の睡眠中は、咳反射や嚥下反射が鈍くなるため、唾液が少しずつ気管へ入り込んでしまう「不顕性誤嚥」が起こりやすくなります。

高齢者のみならず、健康な成人でも見られる現象ですが、加齢や体力の低下によってリスクはさらに高まります。

不顕性誤嚥は、気づかないうちに肺炎を引き起こす可能性もあるため、日中の口腔ケアや寝る前の姿勢改善などが予防に有効でしょう。

筋肉や神経系の病気

脳卒中やパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)など、神経や筋肉に障害を及ぼす病気は、嚥下機能に直接影響を及ぼします。

これらの疾患では、神経伝達の異常や筋肉の動きの低下によって飲み込む力が弱まり、誤嚥が起こりやすくなります。

リハビリや専門的な嚥下訓練を受けることが、症状の進行を遅らせたり、誤嚥のリスクを減らしたりするためには重要です。

食道癌や咽頭癌などの腫瘍がある

食道や咽頭に腫瘍が発生すると、飲食物が通る経路が物理的に狭まり、嚥下機能に大きな障害が生じます。

通過障害が起こることで、食べ物や飲み物が気道に流れ込みやすくなり、誤嚥のリスクが高くなります。

特に、食道癌や咽頭癌は進行とともに通過困難が強まり、固形物が飲み込みにくくなるだけでなく、水分でさえも誤嚥しやすくなります。

また、腫瘍自体の圧迫に加え、治療に伴う放射線や手術の影響で嚥下筋や神経の働きが低下し、症状がさらに悪化する場合もあります。

そのため、誤嚥による肺炎などの合併症を防ぐためにも、嚥下機能の評価や早期の診断、適切な治療とリハビリを組み合わせることが重要でしょう。

誤嚥の代表的な症状

誤嚥は日常の中で誰にでも起こり得る現象ですが、高齢者や嚥下機能が低下している方では繰り返しやすく、健康への影響が大きいのが特徴です。

代表的な症状として、以下が挙げられます。

● 痰がからむ
● 咳き込む
● むせる
● 声がガラガラになる

ここでは、それぞれの症状について詳しく解説します。

痰がからむ

誤嚥によって食べ物や飲み物が気道に入り込むと、体は異物を外に出そうとして痰を多く分泌します。

その結果、普段よりも痰が絡みやすくなり、喉の奥で「ゴロゴロ」と音がしたり、呼吸がしづらくなったりすることがあります。

特に、食後や水分摂取後に痰の量が増える場合は、誤嚥の可能性が高いため注意が必要です。

また、痰が頻繁に絡む状態を放置すると、細菌が繁殖しやすくなり、誤嚥性肺炎へとつながるリスクが高まります。

慢性的な痰の増加は、誤嚥を見極める重要なポイントといえるでしょう。

咳き込む

誤嚥が起こった際、もっとも多く見られる症状が咳き込みです。

これは、気道に入り込んだ異物を外に排出しようとする自然な防御反応です。

若い人であれば、強く咳き込むことで異物を吐き出せるでしょう。

しかし、高齢者や神経疾患を抱える人では、咳反射が弱まっています。

そのため、誤嚥しても咳が出ない「不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)」が生じることも少なくありません。

不顕性誤嚥の場合、周囲が誤嚥に気づけないまま症状が進行し、肺炎の発症につながることもあります。

そのため、咳き込みの有無のみならず、普段との変化に気を配ることが大切です。

むせる

飲み込む動作がうまくいかず、食べ物や水分が気道に入ってしまうと「むせる」という症状が現れます。

食べ始めや飲み込む直前・直後にむせることが多く、これは嚥下機能が低下しているサインの一つです。

むせは気道を守るための働きでもありますが、頻繁に起こる場合は注意が必要です。

特に、毎日のようにむせが続くと、本人が食事に対して苦手意識を持ち、食欲の低下や栄養不良につながる恐れがあります。

繰り返すむせは誤嚥性肺炎を招くリスクも高めるため、医師や専門職により、嚥下機能を診てもらうことが望ましいでしょう。

声がガラガラになる

誤嚥のサインの中でも、見逃されやすいのが「声の変化」です。

食事後に声がガラガラになったり、かすれ声になったりするのは、飲食物や唾液が声帯や喉の周辺に残り、声の振動を妨いでいるためです。

また、呼吸時に「ゴロゴロ」「グー」といった低い音が聞こえる場合もあり、これは気道に異物が残っているサインです。

声の変化は軽視されやすいですが、誤嚥を早期に察知する重要な手がかりとなります。

誤嚥しやすい人の特徴

誤嚥は誰にでも起こり得る現象ですが、特にリスクが高い人には、いくつかの共通した特徴があります。

ここでは、代表的な特徴を詳しく解説していきます。

高齢者

加齢に伴い、筋力や神経の働きが衰えると、食べ物や唾液を安全に飲み込む力(嚥下機能)が低下します。

そのため、高齢者は若い世代と比べて、誤嚥のリスクが非常に高くなるでしょう。

特に、飲み込みを支える舌や喉の筋肉が弱まることで、食べ物が気管に入りやすくなります。

さらに、加齢により反射速度も低下するため、気道に入った異物を咳で排出する力も弱くなります。

その結果、食事中や睡眠中に誤嚥を繰り返すことが増え、誤嚥性肺炎などの健康リスクが高まるでしょう。

脳血管障害や神経疾患を患っている方

脳卒中やパーキンソン病など、脳血管障害や神経疾患を持つ方にも、誤嚥を起こしやすい特徴があります。

これらの病気では、嚥下に関わる神経の伝達や筋肉の働きに障害が生じるため、飲み込む動作がスムーズに行えなくなります。

例えば、脳卒中の後遺症で顔や舌に麻痺が残ると、食べ物を適切に口腔内で移動させることが難しくなり、気道に入り込みやすくなります。

神経疾患による嚥下障害は、慢性的に進行することが多いため、誤嚥を防ぐには日常的な観察と医療的サポートが欠かせません。

唾液に関する薬剤を使用している方

一部の薬剤には、唾液の分泌量を増やしたり、唾液の性質を変えたりする作用があります。

こうした薬を服用している場合、唾液をうまく処理できず気管に流れ込み、誤嚥のリスクが高くなりがちです。

また、薬の副作用で口腔内の感覚が鈍くなると、唾液が喉にたまっても気付かず、睡眠中などに不顕性誤嚥を起こしてしまうことも少なくありません。

日常的に服薬をしている人は、医師や薬剤師に相談し、必要に応じて嚥下機能のチェックや服薬内容の見直しを行うことが大切です。

誤嚥しないための予防策

誤嚥は加齢や病気の影響のみならず、生活習慣や食事環境によっても起こりやすくなります。

しかし、日常的に工夫を取り入れることで、誤嚥のリスクを大幅に減らすことが可能です。

ここでは、誤嚥しないための予防策をご紹介します。

食事の時間を決めておく

規則正しい生活リズムに整えることは、誤嚥の予防にもつながります。

例えば、食事の時間を毎日ほぼ同じに設定することで、身体が自然に食べる準備を整えやすくなります。

特に、高齢者は体内時計の乱れから嚥下機能が低下しやすいため、時間を決めて食べることが大切でしょう。

また、食事中は集中できる環境を整えることも重要です。

テレビやスマートフォンを見ながらの「ながら食べ」は、注意力が散漫になり、むせ込みや誤嚥につながる恐れがあるため気を付けましょう。

飲み込みやすい料理にする

嚥下機能が弱っている人には、調理法を工夫した「嚥下調整食」が効果的です。

例えば、食材を細かく刻んで口の中で処理しやすくしたり、ペースト状にして飲み込みをスムーズにしたりします。

また、液体にとろみをつけることにより、誤って気道に流れ込むリスクを減らせます。

なお、嚥下食には状態に応じた段階があるため、医師や栄養士に相談して適切な形態を選ぶことが望ましいでしょう。

日常的に食べやすい工夫を続けることが、誤嚥の予防につながります。

誤嚥しやすい食材を避ける

食材の性質によっては、誤嚥を引き起こしやすいものがあります。

例えば、焼きのりやわかめなど、口や喉に貼りつきやすい食品や、タコやイカといった噛み切りにくい食材は特に注意が必要です。

また、お餅は高齢者にとって非常に危険な食材の一つで、喉に詰まりやすく誤嚥事故も多く報告されています。

さらに、ぱさぱさしたパンや芋類、ポップコーンなど乾燥した食品や、ひじきやおからのように口の中でバラバラになりやすい食品もリスクを高めます。

これらの食材は避けるか、水分を加えるなどして食べやすく調理することが大切でしょう。

誤嚥しない姿勢で食事をとる

正しい姿勢を保つことは、誤嚥予防に直結します。

基本は椅子に深く腰掛け、両足をしっかり床につけることです。

背筋を伸ばすことによって気道が確保され、飲み込みがスムーズになります。

むせやすい方は、軽く前傾姿勢を取り、顎を軽く引くことで誤嚥を防ぎやすくなるでしょう。

ベッドで食事をとる場合は、背もたれを30〜60度ほど起こし、頭に枕を当てて安定した姿勢をつくることが重要です。

姿勢を工夫するだけでも、食事の安全性は大きく向上するでしょう。

口内ケアを徹底する

口腔内を清潔に保つことは、誤嚥そのものを防ぐのみならず、誤嚥が起きたときのリスクを減らすためにも欠かせません。

口の中に残った食べかすや歯垢は、細菌の温床となり、誤嚥した際に誤嚥性肺炎を引き起こす原因となります。

そのため、食後や就寝前には必ず歯磨きを行い、難しい場合はお茶や水で口をすすぐだけでも効果的です。

認知症や寝たきりの方の口腔ケアは、家族や介護スタッフがサポートし、専門家の助言を受けると安心でしょう。

日々の口内清掃を徹底することで、誤嚥リスクを大幅に減らすことができます。

まとめ

本記事では、誤嚥の原因や代表的な症状、誤嚥しやすい人の特徴、そして予防策について解説しました。

誤嚥の症状は、高齢者や嚥下機能が低下している方に多く見られ、放置すると誤嚥性肺炎などの重篤な健康被害につながる恐れがあります。

予防のポイントは、食事の時間や姿勢を整えること、飲み込みやすい料理を工夫することなど、日常生活でできる小さな配慮です。

こうした工夫を積み重ねることにより、安心かつ安全な食生活を守ることができるでしょう。