介護職を辞めた方の中には、「辞めてよかった」と感じる方が意外に多いといわれています。
厚生労働省の「令和5年度介護労働実態調査」によると、介護職の離職率は13.5%と、全産業の離職率15.4%(令和5年雇用動向調査結果の概況)よりも低いものの、まだまだ高い水準です。
本記事では、介護職を辞めてよかった理由5選と、転職時に気を付けたいポイントを体験談とともに紹介します。
後悔のないキャリアを選択したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
介護職を辞めたいと思うのは決して甘えではない
介護の仕事は、身体的にも精神的にも大きな負担を伴います。
人の命や生活を支える責任の重さ、長時間労働、人手不足による業務の多さ、感謝の言葉よりもクレームが先に来ることなど、日々の中で「辞めたい」と感じるのは自然なことです。
また、介護の現場では、がんばっても報われにくいと感じたり、自分の感情を抑え続けたりすることで、心身ともに限界を迎える人も少なくありません。
まずは「甘え」と責めるのではなく、「なぜ辞めたいのか」「どうすれば負担を減らせるのか」を冷静に整理することが大切です。
そして必要であれば、職場を変えたり、違う働き方を探したりするのも選択肢の一つです。
介護職を辞めたいと思うときに悩むこと
介護の仕事は、人を支えるという尊い役割を担う一方で、多くの悩みや葛藤を抱えることも多いのが現状です。
そのため、「もう辞めたい」と思う瞬間があるのは、決して珍しいことではないでしょう。
ここでは、介護職を辞めたくなるときに直面しがちな悩みを挙げてみます。
対人関係のストレスがきつい
介護職の仕事は、利用者さんやそのご家族、職場のスタッフなど、さまざまな方とやり取りする必要があります。
そのため、心ない言葉をかけられたり、協力を拒まれたりといった、つらい場面に直面することも少なくありません。
実際に厚生労働省が実施した「令和5年度 介護労働実態調査結果」によると、辞職のきっかけとして一番多く聞かれたのは「職場の人間関係の問題」で、全体の34.3%を占めていました。
さらに、人間関係に関する理由の内訳を見ると、「思いやりのない言動」や「厳しい指導」「パワハラ」などが49.3%を占めており、半数近くの方が職場での人間関係に強いストレスを感じていることが分かります。
きつい仕事と給料が割に合わない
介護職は場合によって、身体的にも精神的にもきつさを実感しやすい仕事です。
しかし、給料は手取り額20万円前後であることが多く、きつい仕事の割に給料が少ないと悩む方も多いです。
また、資格を取得して給料アップを目指そうとしても、手当として月に5,000円程度しか昇給されませんので、上がり幅が少ないと不十分と感じる方も多いでしょう。
近年、介護職の給料はアップしていると耳にしますが、まだまだ十分とはいえないのが現実です。
身体的・精神的に限界を感じる
介護職の仕事は、利用者さんの身体を支えたり、移乗を補助したりと、身体的な負担が大きい場面が多くあります。
さらに、転倒や誤嚥といった事故のリスクを常に意識する必要があるため、気が抜けず、強い緊張感やストレスを感じやすい環境でもあります。
若い頃は耐えられていた負担も、年齢を重ねるにつれて身体的・精神的にきつくなり、離職を考える方も少なくありません。
やりがいのある仕事だと思えなくなった
介護職の仕事は多岐にわたるため、やりたくない業務を任されたり、特定の作業ばかりを繰り返し担当させられたりすることもあります。
本来、介護職は人の役に立てる実感を得やすく、やりがいを感じやすい仕事ですが、こうした偏った業務が続くと、疲労やストレスがたまりやすくなり、不満を抱く原因にもなりかねません。
自分の将来が不安に感じる
介護職は、スキルや経験を積んでも昇進や給与面で評価されにくいのが現実です。
実際に、厚生労働省が行った「令和5年度 介護労働実態調査結果」によると、「自分の将来に見込みがなかった」と感じて退職した人は13.2%にのぼりました。
「このまま続けていても給料が上がらないのでは?」「年齢を重ねたときに体力的に続けられるか不安」といった声も多く、将来設計が立てにくいことが、辞める決断を後押しする要素として考えられます。
生活サイクルが崩れている
介護職の中には、24時間体制でシフトを回しながら利用者さんを支える施設もあります。
こうした職場では、夜勤や早朝勤務が避けられず、生活リズムが乱れやすくなることも少なくありません。
生活のリズムが崩れると、身体的な疲労だけでなく、精神的な負担も大きくなります。
その結果、体調を崩しやすくなり、離職を考えるきっかけとなるケースもあります。
失敗を恐れて気が休まらない
高齢者の介助では、転倒や誤嚥など、常にリスクと隣り合わせであり、時には命の危険に直面することもあります。
責任の重い仕事であるため、失敗への不安から気が休まらないと感じる方も少なくありません。
特にスタッフの人数が限られる夜勤帯はプレッシャーが大きく、緊張感が職員間に伝わることで、人間関係の悪化を招くといった悪循環に陥ることもあります。
思い描いていたものと違っている
介護職の仕事を始める前は「お年寄りをサポートしたい」「誰かのためになる仕事に就きたい」という考えから、介護職に就いた方も多いと思います。
しかし実際の現場では、人手不足や時間に追われるなかで、利用者一人ひとりに丁寧に向き合う余裕が持てないことも少なくありません。
その結果、「もっと寄り添ったケアができると思っていたのに」と理想とのギャップに悩み、やりがいを見失ってしまうケースもあります。
法的に問題がある医療行為を目にする
介護現場では、人手不足を理由に、本来であれば医療従事者が行うべき処置を、介護スタッフが任されるケースも見受けられます。
しかし、法的に認められていない医療行為を介護職員が行うことは違法であり、重大なトラブルや責任問題に発展しかねません。
こうした状況が常態化していたり、施設側に改善の意思が見られなかったりする場合には、自身や利用者さんの安全を守るためにも、勤務を見直す判断が必要になるでしょう。
万が一問題が明るみに出た場合、施設や職員だけでなく、利用者さんにも不利益が及ぶ可能性があるため、早急な対応が求められます。
介護職以外の仕事に興味が出てきた
介護職を辞めたいと考える理由は、現場の大変さだけに限りません。
例えば、「人を助けたい」という思いで介護の仕事を始めたものの、「介護職でなくても誰かの役に立つ仕事はある」と感じて、ほかの道を選ぶ方もいます。
また、介護以外の分野に挑戦したいという前向きな理由から、転職を決意するケースも少なくありません。
介護職を辞めてよかった理由5選
「介護職を辞めたら、後悔するかもしれない」と不安になる方も多いはずです。
しかし実際には、介護の現場を離れたことで心身にゆとりが生まれ、前向きな変化を感じている人も多くいます。
今回はそんな声をもとに、介護職を辞めてよかったと感じた理由を体験談と交えて紹介します。
対人ストレスが減った
介護職を辞めたいと思うときに悩むことでも紹介したように、対人関係のストレスは介護職を辞めるもっとも多い理由です。
介護職を辞めたことで、対人関係で悩むことがなくなり、スッキリされる方は非常に多いです。
また、次に勤める職場で「一緒に仕事がしたい」といった方にも出会えたことで、以前よりも人間関係に恵まれ、前向きに仕事に取り組めるようになったという声もよく聞かれます。
肉体的・精神的な負担が減った
介護職では、利用者さんの介助や移乗など身体的な負担が大きい場面が多くあります。
さらに、ケガのリスクに常に気を配らなければならず、精神的な緊張も続きやすい仕事です。
そのため、退職後に心身の不調から解放され、「身体の不調が改善した」と実感する方も少なくありません。
実際に、「辞めてから腰の痛みがほとんどなくなった」「夜ぐっすり眠れるようになった」といった声も聞かれます。
生活リズムが安定した
特別養護老人ホームやグループホームといった入所型の施設では、夜勤や早朝勤務があるため生活リズムが崩れやすいです。
特に人員不足である事業所では休みが取れない現状もあることから、不規則な勤務が続くケースもあります。
しかし、辞めてからは日中だけの勤務になり、休みも取れることで生活リズムが安定し身体の不調も減ってきたといった声が多く見られます。
自分の時間を楽しめるようになった
介護職を辞めた後に「家族との時間や趣味の時間がしっかり確保できるようになった」といった声はよく聞かれます。
介護の仕事は平日・休日にかかわらず勤務があるため、休日でも出勤しなければならないケースが少なくありません。
さらに、休みの日でも体を休めるだけで1日が終わってしまうことも多いのが現実です。
そのため、退職後は自由な時間が増え、自分自身や家族との時間をゆったり楽しめるようになるでしょう。
介護の経験を生かした仕事に就けた
介護職では多様な業務を経験するため、そこで培ったスキルをほかの仕事に生かせるケースが多くあります。
実際に、介護の知識や経験を生かして介護系の講師に転職した方や、コミュニケーション力を武器に営業職へ挑戦した方もいます。
「介護職の経験があったからこそ、今の仕事で役立っている」と実感する方も多く、介護の仕事を通じて自分の可能性を広げるきっかけになったという声がよく聞かれます。
介護職を辞めたケースで後悔したこと
介護職を辞める決断は人それぞれですが、中には「辞めなければよかったかも」と感じている人もいます。
仕事を変えることで見えてくる現実や、思わぬギャップに直面することもあるからです。
ここでは、実際に介護職を離れた方がどんなことに後悔を感じたのか、体験談とともに紹介していきます。
一から知識を習得する必要があった
介護職から別の分野へ転職する際は、新たに専門知識やスキルを習得する必要があります。
分野によっては専門用語や業務の進め方を覚えるのに時間がかかることも多く、慣れるまでに想像以上の努力が求められる場合もあります。
そのため、「これまでの経験があまり生かせず、ゼロからのスタートで苦労した」と感じる方も少なくなく、介護職とのギャップに戸惑い、後悔を感じることもあるようです。
異なる立場の人と関わる場面が減った
介護職の仕事では、自分とは異なる経験や知識を持つ方々と関わる機会が多くあります。
例えば、戦争中の話や普段触れない仕事の話など、自分が知らない世界に触れることで、自然と学びや発見が生まれ、日々の会話が刺激的に感じられることも少なくありません。
しかし、転職した方の中には、「そうした知らない世界の話を聞く機会が減り、刺激がなくなってしまった」と感じ、後悔する方も多いようです。
誰かの役に立っている実感を得にくくなった
介護職は、高齢者を支えることで、直接「ありがとう」の言葉を受け取れる、やりがいの大きな仕事です。
利用者さんから感謝されると、自然と笑顔が増え、仕事への満足感も高まるでしょう。
一方で、転職先によっては直接お客さまと関わる機会が減り、やりがいを感じにくくなったという声もあります。
収入が減った
介護職からの転職で、「収入が減った」と後悔する方は少なくありません。
近年、介護職は処遇改善や資格手当の導入により、年々給与が上昇しています。
そのため、未経験の職種に転職すると、スタート時の給与が下がるケースが多く、「収入だけを考えると介護職のままのほうが良かった」と感じる方も多いようです。
特に、家庭を持つ方や生活費のやりくりが厳しい方にとっては、転職後の収入差が現実的な後悔の原因となる場合があります。
介護職を辞めずに続けてよかったと思うこと
介護職を辞める選択がすべてではありません。
職場の変更や働き方の見直しといった選択によって、これまで抱えていた悩みを解消できたというケースもあります。
ここでは、介護職を続ける中で前向きな変化を感じ、「続けていてよかった」と思えた瞬間について見ていきます。
働き方だけを変えたら給与がアップした
介護の仕事には多様な種類があり、働き方を変えることで給与がアップする場合もあります。
例えば、夜勤専従で働くと夜勤手当が支給されるため、日勤のみの場合より高収入が期待できます。
また、資格を取得して別の職種に移ることで、給料が増えたケースも少なくありません。
ただし、働き方を変える際は、体力的な負担や継続的な努力が必要になることを理解しておくことが大切です。
自分がやりたい介護の仕事に就けた
介護職の働き方は施設によって異なるため、自分が望む介護ができないことも少なくありません。
やりたい介護ができない環境で働き続けると、歯がゆさや不満が募ることもあるでしょう。
しかし、介護の仕事は種類が多く、別の施設へ移ることで、自分の理想に近い介護ができるようになるケースもあります。
プライベートが充実した
介護職は日勤のほか、早朝や夜勤といったシフト制が多いため、生活リズムが崩れやすい仕事です。
そのため、早朝勤務や夜勤のない職場へ異動した方からは、「プライベートが充実した」という声がよく聞かれます。
収入が減る可能性はあるものの、その分家族や自分の時間を確保でき、以前より生活に満足している方が増えているようです。
介護職を辞めたいと思い始めたときにやるべきこと
介護職を辞めたいと思ったとき、すぐに辞めるのはおすすめできません。
できるだけ、まずはやるべきことを一つずつ進めてから決断するほうが、自分にとっても利用者さんにとってもよい結果につながるでしょう。
ここでは、介護職に限界を感じたときにまず何から始めればいいのか、一緒に考えてみましょう。
辞めたい理由を整理する
まず、辞めたい理由を整理しましょう。
おすすめの方法は、紙に書き出すことです。
書き出すことで、辞めたい理由が客観的に見えやすくなり、気持ちの整理や自己分析に役立ちます。
「辞めたい理由は何だろう?」と自分に問いかけて、思いつくことをすべて書き出してみてください。
辞めるべき職場の特徴を確認する
介護現場には、離職を検討したほうがよい職場も少なくありません。
特に、以下のような特徴がある職場は注意が必要です。
- ●人間関係に悩まされる
- ●職場全体に明るさや余裕が感じられない
- ●学べる環境や研修がほとんど整っていない
- ●給与や福利厚生が仕事内容に見合っていない
- ●本来してはいけない行為が常態化している
これらの問題が見られ、改善の見込みがない場合は、転職を検討することをおすすめします。
労働環境の見直しを提案する
職場に不満があるときは、すぐに辞めるのではなく、まず上司に労働環境の改善について相談してみましょう。
うまくいけば、改善が進み、働きやすい環境になる可能性があります。
ただし、「こうあるべきだ!」といった一方的な意見は、押しつけと受け取られてしまうこともあるため、控えたほうがよいでしょう。
大切なのは、「一緒に職場をよりよくしていきたい」という協力的な姿勢で提案することで、相談内容が受け入れられやすくなります。
信頼できる人に相談する
職場に不満を感じたときは、同じ職場の同僚や上司に相談するのも一つの方法です。
しかし、「みんなも頑張っている」「協力すれば乗り越えられる」といった言葉で引き止められ、根本的な解決につながらないことも少なくありません。
そうした場合は、問題を客観的に見てくれる第三者に相談するのが効果的です。
もし職場の人に相談しづらいと感じるなら、転職アドバイザーなど外部の専門家に話を聞いてもらうのも、前向きな一歩となるでしょう。
転職するリスクも考えておく
介護職からの転職は、必ずしもすべてがよい方向に進むとは限りません。
例えば、介護以外の業種に転職する場合は、一から業務を覚える必要があり、負担に感じることもあります。
また、前職での勤務期間が短いと、「次の職場でもすぐに辞めるのでは」と疑われ、採用されにくくなるケースも少なくありません。
そのため、転職のリスクと現在の仕事を続けるメリットをよく比較し、慎重に判断することが大切です。
思い切って休職する
退職を真剣に考え始めるとき、多くの場合は心身ともに疲れ切っている状態です。
そんなときは、冷静で正確な判断が難しくなります。
そのような場合は、思い切って休職を検討するのも一つの方法です。
しっかり心身を休めることで、物事を客観的に見られるようになり、より正確な判断ができるようになります。
ただし、期限のない休職は、ダラダラと過ごしてしまう原因になることもあるため、いつまでに結論を出すか明確に決めてから休職するようにしましょう。
すぐに辞めてもよいケースもある
介護職を辞めたい場合でも、すぐに辞めるべきケースと慎重に考えるべきケースがあります。
特に以下のような場合は、1日でも早く辞めることをおすすめします。
- ●身体的・精神的な病気を患っている
- ●パワハラを受けている
- ●法的に許されていない医療行為が行われている
特に、パワハラや違法な医療行為が常態化している場合は、改善が見込めないことが多いため、速やかな退職が望ましいでしょう。
介護職を辞めると決断したときにやること
介護の仕事を続けるか迷い、いろいろ試しても気持ちが変わらない場合は、退職を決断してもやむを得ないでしょう。
ただし、「辞めてよかった」と感じられるかどうかは、その後の行動次第で大きく変わります。
ここでは、介護職を辞めると決めた後にやっておきたいことをご紹介します。
辞めたいのは介護職なのか今の職場なのかを見極める
まず、辞めたいと感じているのが「介護職そのもの」なのか、「今の職場」なのかをはっきりさせましょう。
「介護職を辞めたい」と感じるケースには、以下が挙げられます。
- ●「辞めたい」と思いながら1年以上働き続けている
- ●体調や気持ちの面で限界を感じている
- ●誰かの役に立っている実感が薄れてきた
これらに当てはまる場合は、介護職を辞める方向で考えてもよいでしょう。
「今の職場を辞めたい」と感じるケースには、以下が挙げられます。
- ●チームの雰囲気や人間関係に満足していない
- ●勤務時間や給与面に納得できていない
- ●介護職そのものにやりがいや魅力を感じている
これらに当てはまる場合は、職場環境を変える選択肢を検討するとよいでしょう。
先に新しい職場を決めておく
新しい職場を決めないまま辞める方もいますが、あまりおすすめできません。
その理由は、新しい職場がすぐに見つかるとは限らず、収入が途絶えて生活が苦しくなる可能性があるためです。
そのため、辞める前にまず新しい職場を見つけておくことをおすすめします。
自分に合った職場の条件を整理し、気になる業界や職場があれば事前に情報を集めたり、実際に職場見学をして雰囲気を確かめたりしておきましょう。
退職理由は前向きに伝える
職場を辞めるときに、「給料面に満足できない」「人間関係に疲れた」といったネガティブな理由を伝えると、今の職場にも次の職場にもよい印象を与えにくくなります。
そのため、退職の理由はできるだけ前向きに伝え、これまでお世話になった職場への感謝の気持ちも添えることが大切です。
例えば、「◯◯にチャレンジしてみたい」「今までの経験を◯◯で生かしたい」といった内容なら、前向きな理由として受け止められやすいでしょう。
周りに不必要に伝えない
介護職を辞めると決めても、周囲に不必要に伝えるのはおすすめできません。
伝えすぎると、不要な噂が広まったり、退職までの人間関係がぎくしゃくしたりする可能性があります。
退職の意思は、まず一部の上司にだけ伝え、現場スタッフにはタイミングを見て自分から伝えるようにすると、円満な退職につながりやすくなります。
介護職を辞めるタイミングを決める
介護職を辞める際は、退職のタイミングも非常に重要です。
一般的に、以下のタイミングがよいとされています。
- ●3カ月分の貯蓄が確保できてから
- ●ボーナスが入るタイミング
また、介護職の求人は1~3月に多くなるため、この時期に合わせて退職するのもおすすめです。
新たな資格を取得しておくのもおすすめ
転職だけでは、ほかの方と差別化が難しく、給料アップが見込みにくい場合があります。
そのため、辞める前に新たな資格を取得しておくことをおすすめします。
特に、国家資格である「介護福祉士」「社会福祉士」「介護支援専門員(ケアマネジャー)」は優遇されることが多いため、取得しておくとよいでしょう。
また、役職に就ける職場を探して給料アップを目指すのもおすすめです。
施設によってはマネジメント力のある人材を求める求人もあります。
転職エージェントに依頼するのもおすすめ
今の職場が忙しく転職先を探す時間がない場合は、転職エージェントに依頼するのもおすすめです。
転職エージェントに依頼すれば、豊富な情報を持っているので、あなたにぴったりな職場を探しやすくなります。
また、友人や職場の方とは別の目線からアドバイスがもらえる可能性もあるので、新たな視点やキャリアの可能性に気づけることもあります。
自分で伝えられない場合は退職代行を活用する
介護職を辞めると決断したものの、自分から退職を伝えづらい場合は、退職代行の利用を検討しましょう。
また、退職を伝えた途端にしつこく引き止められる、嫌がらせを受ける、有給が使えないなどのトラブルが起きた場合も、退職代行が役立ちます。
退職代行を利用すると、職場から「真摯に向き合っていない」と見なされる可能性もありますが、すでに精神的に限界を感じていたり、パワハラなどの問題があったりする場合には、有効な選択肢といえるでしょう。
【ケース別】介護業界内の転職を考えている場合のおすすめの職場
介護業界内で転職を考えている場合は、これまで培ってきた知識やスキルを生かしやすいメリットがあります。
ここでは、介護業界内での転職を検討している方向けに、おすすめの職場をケース別にご紹介します。
辞めたい理由が給料面の場合
辞めたい理由が給料面である場合は、働く介護施設を変えるのがおすすめです。
施設形態別の平均給与は以下のとおりです。
| 施設の種類 | 平均給料 |
| 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 361,860円 |
| 介護老人保健施設 | 352,900円 |
| 訪問介護事業所 | 349,740円 |
| 通所介護事業所 | 294,440円 |
| 認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム) | 302,010円 |
参考:厚生労働省「令和6年度介護事業者処遇状況等調査結果」
上記の表からも分かるように、夜勤や早朝勤務がある「介護老人福祉施設」や「介護老人保健施設」は比較的給料が高い傾向があります。
また、施設ごとに手当や残業代、交通費の支給などが異なるため、できるだけ手当が充実している施設を選ぶことも重要です。
辞めたい理由が人間関係の場合
辞めたい理由が人間関係である場合は、介護職自体を辞めるのではなく、職場を変えることで解決できることもあります。
ただし、転職を成功させるためには、次の職場の雰囲気やスタッフ・利用者さんの表情などを事前に確認することが大切です。
そのため、すぐに新しい職場を決めるのではなく、職場見学やボランティアとして訪問するなど、慎重に見極めながら選ぶようにしましょう。
辞めたい理由が身体的な負担の場合
辞めたい理由が身体的な負担である場合は、比較的介助の少ない職場へ転職するのがおすすめです。
例えば、有料老人ホームや通所介護事業所は、介助の必要が少ない利用者が多いため、身体的な負担を軽減しやすいでしょう。
また、早朝や夜勤といった不規則な勤務がつらい方には、日中勤務が中心となる「通所介護事業所」や「訪問介護事業所」がおすすめです。
介護職の経験を生かせる仕事
介護職を辞める方の中には、これまでの経験を生かして別の業種にチャレンジする方も少なくありません。
介護の仕事では、コミュニケーション力、臨機応変な対応力、観察力、チームワークなど、多くの汎用的なスキルが求められるため、さまざまな職種で生かすことができます。
具体的には、以下のような仕事が挙げられます。
- ●保育士・保育補助
- ●看護師・看護助手
- ●営業職
- ●接客業・サービス業
- ●事務職
- ●介護ドライバー
- ●製造業
- ●マーケティング職
- ●プログラマー・エンジニア
- ●キャリアコンサルタント
これらの仕事では、介護現場で培ったスキルが生かされる場面が多く、「介護しかできない」と思い込む必要はありません。
視野を広げて、新たな分野に挑戦することは十分に可能です。
まとめ
本記事では、介護職を辞めたくなったときの悩みや、実際に辞めてよかったと感じた理由、反対に後悔したことなどについてご紹介しました。
「辞めたい」と思う気持ちは、決して悪いことではありません。
それは今の働き方を見直すきっかけにもなり、より自分らしく働ける職場と出会うチャンスにもつながります。
この記事が、あなた自身の気持ちや将来と向き合うヒントになれば幸いです。

