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03

介護職の給料は上がる?今後の賃上げ動向をチェック!

介護職の給料が上がっているというニュースを聞き、「介護の仕事にチャレンジしてみようかな」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、現在介護職に就いていて転職を検討している方の中には、「給料が上がるのであれば、もう少し仕事を続けてみたい」と感じている方もいるでしょう。

今回は、介護職の給料が今後どのように変わっていくのか、近年の給料の推移について詳しく解説します。

さらに、給料をアップさせるコツも紹介しますので、現在介護職の方はぜひ参考にしてください。

Contents
  1.  介護職の給料は上がる?2026年6月に引き上げられている
  2. 介護職の給料アップの対象
  3. 介護職の給料が上がっている理由は?
  4. 介護職の平均給与は?
  5. 介護職の給与が「低い」「上がらない」といわれる理由
  6. 介護職員等処遇改善加算とは?特定処遇改善加算はどうなった?
  7. 介護職で給料を上げるコツ
  8. 給料が上がる介護職のキャリアパスとは?
  9. 介護職の仕事内容と向いている人
  10. 介護職の給料に関してよくある質問
  11. まとめ

 介護職の給料は上がる?2026年6月に引き上げられている

2026年6月、国が「もっと介護職の給料を増やそう」という目的で、介護報酬改定という新しいルールをスタートさせました。

ここでは、改定の基本的な内容・開始時期・給料アップの金額について解説します。

基本|2026年6月の介護報酬改定で引き上げが実施された

介護報酬とは、介護サービスを提供している事業所に対して、国などから支払われるお金を指します。

本来、介護報酬のルールの見直しは3年に1回で、次回は2027年の予定でした。

しかし「他業種より給料が少ない」「働く人が足りない」という問題を早く解決するために、予定を早めて特別に行われたのが2026年6月の改定です。

この改定によって、事業所に入るお金が全体で+2.03% 増えることになりました。

出典:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」

いつから?|賃上げは2段階で進んでいる

今回の賃上げは、2025年12月から段階的に進められています。流れは以下のとおりです。

  • 2025年12月〜2026年5月までは、まず国の補助金で給料アップを行う
  • 2026年6月からは介護報酬の処遇改善加算の拡充が施行

補助金が交付されるのは、介護職員の給料の改善をするための「処遇改善加算」という制度を取得している、または取得見込みの事業所 が都道府県に申請している事業所です。

職員に直接振り込まれるのではなく、事業所を通じて給与などに反映される仕組みとなっています。

出典:厚生労働省「令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業の実施について」「令和8年度介護報酬改定について」

いくら上がる?|介護職員は最大月1.9万 円

2026年6月からの賃上げ額の詳細は以下のとおりです。

対象賃上げの目安
介護施設・事業所で働く職員月1万円相当 
上記のうち、生産性向上などに取り組む事業所で働く介護職員月7千円相当を上乗せ
条件を満たす介護職員定期昇給2千円を含め、最大月1.9万円相当

まず月1万円相当の賃上げがあり、条件を満たす事業所で働く介護職員は、さらに7千円相当が上乗せされる仕組みです。

つまり、条件を満たす事業所で働く介護職員では、定期昇給分も含めて最大月1.9万円相当の賃上げが想定されているという意味となっています。

出典:厚生労働省「令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業の実施について」

注意点|金額は勤務先によって差が出る

月1.9万円はあくまで上限の目安で、全員が一律に上がるわけではありません。

加算は事業所に支払われ、どんなふうに働く人に分けるかは、事業所によって異なるためです。

また「定期昇給0.2万円」というのは、今回の改定で新しく増えたものではありません。

もともとの定期昇給として「毎年このくらいは上がるよね」という金額を計算に入れているものです。

「思っていたより給料が上がっていない」と感じている方は、勤務先の加算区分や分配方法を聞いてみるのもおすすめです。

介護職の給料アップの対象

2026年6月に改定して一番変わったのは、給料アップの対象が介護職員のみから介護従事者へ拡大された点です。

本章では、今回の改定で給料アップの対象になった方・対象にならない方を解説していきます。

介護職員

介護職員は、月に約1万円上がります。

加えて、パソコンやロボットなどを使用して業務の効率化を進めている事業所の場合、さらに7千円がプラスされます。

7千円の上乗せは現場で働いている介護職員を対象としたもので、その他の業種の方は受け取れません。

出典:厚生労働省「令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業の実施について」

介護職員以外の介護従事者

2026年6月からは、介護職員だけでなく、看護職員・ケアマネジャー・事務職員など幅広く介護に携わる方も賃上げの対象となっています。

さらに、これまで処遇改善加算の対象外だったサービスにも対象が広がりました。

サービス加算率
訪問看護1.8%
訪問リハビリテーション1.5%
居宅介護支援2.1%

介護施設だけでなく、在宅生活を支えるサービスやさまざまな職種にも、処遇改善の範囲が広がっているのが2026年度改定の特徴です。

出典:厚生労働省「令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業の実施について[A13] 」「令和8年度介護報酬改定の概要」

パート・アルバイト・派遣

給料アップの対象は、パート・アルバイト も含めることができます。

また、派遣社員については 、会社同士で話し合って対象とすることも可能です。

この場合、事業所が出したお金が、派遣会社を通じて派遣社員の給料にプラスされます。

ただし、加算で得られたお金を「誰に・どんなふうに分配するか」は会社が決められるため、働き方によってもらえる金額が違う可能性はあります。

出典:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」

対象外になるケース

2026年6月の改定によって給料アップが見込まれるのは、国が出した条件をクリアしており、かつ申請書類を提出している事業所のみです。

そのため、条件をクリアできず、申し込み書類を出せない事業所は対象になりません。

ただし、加算がない事業所でも、毎年の給料アップがないわけではありません。

独自の制度で毎年昇給できるところもあるためです。

また、福祉用具貸与や居宅療養管理指導などは、もともと加算の対象となっていないサービスもあります。

介護職の給料が上がっている理由は?

介護職の給料アップを目的とした処遇改善は、2009年度の介護報酬改定以降、交付金・加算の作成や拡充などによって何度も行われてきました。

本章では、継続的に賃上げが行われている主な理由を3つ紹介します。

出典:厚生労働省「令和7年度 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料(老健局老人保健課)」

理由①:他産業との賃金格差が縮まらない

介護職員の給料は近年上がっていますが、他の産業との差はあまり縮まっていません。

年産業全体の平均 (役職者抜き)介護職員
2024年38.6万円30.3万円 (-8.3万円)
2025年39.6万円31.4万円 (-8.2万円)

表を見たらわかるとおり、差額がほぼ縮まっていません。

介護職員の給料は確実に上がっていますが、ほかの産業でも給料アップが進んでいるため、差が縮まらない結果となっています。

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査による介護職員の賃金の推移」

理由②:介護人材の不足が深刻化している

介護職の人材が不足しているのも、給料アップの施策が行われている理由のひとつです。

2025年に団塊の世代が全員75歳以上になり、介護サービスの需要に応える人材確保が課題になっています。

厚生労働省の推計では、介護職員の人数は、2022年度の約215万人から、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人が必要です。

そのため国は、人材確保のために処遇改善(給料アップ)を進めています。

出典:厚生労働省「介護人材確保に向けた取組」

理由③:物価が上昇している

介護職員の給料が上がっている理由のひとつが物価の上昇です。

近年の物価上昇によって介護職員の暮らしや事業所の経営に影響が出ているためです。

そのため、政府は2025年11月に「総合経済対策」を閣議決定し、定例の報酬改定を待たずに賃上げや職場環境改善の支援を決めました。

この決定が、予定を早めて行われた2026年6月の期中改定につながっています。

介護職の平均給与は?

具体的に介護職の平均給与を月給・時給・資格・サービス形態ごとなどに分けて解説します。

また、勤務先や勤続年数でも変わるため、職場の選び方を知りたい方や今後も介護職を続けるか悩んでいる方も参考にしてください。

月給制の場合

月給制で働く介護職員の、令和4年から令和6年にかけての平均給与の推移は以下のとおりです。

時期常勤非常勤
令和4年317,540円209,540円
令和5年324,240円 (前年から+6,700円)182,930円 (前年から-26,610円)
令和6年338,200円 (前年から+13,960円)196,060円 (前年から+13,130円)

※平均給与額は、基本給・手当・賞与などの一時金を月額に換算して合計した金額です。調査ごとに対象や時期が異なるため、目安としてご覧ください。

表を見ると、介護職員の給料は上昇傾向にあることがわかります。

なお、2025年7月の調べでは、処遇改善加算を取っている事業所の給料は、前年から月額+6,130円増えているという情報も公表されています。

2026年6月からは追加の処遇改善措置が始まったため、これからもっと増える予定です。

出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」

出典:厚生労働省「介護職員等の職場環境や処遇に関する実態調査結果のポイント(速報版)」

時給制の場合

時給制で働く職員の、令和4年から令和6年にかけての平均時給は以下のとおりです。

平均給与を実労働時間で割って計算しています。

時期常勤非常勤
2022年約1,376円約1,386円
2023年約1,434円約1,469円
2024年約1,515円約1,542円

※厚生労働省の調査結果をもとに、平均給与を実労働時間で割って算出した参考値です。

常勤・非常勤ともに時給換算額は上昇しており、パートなどで働く方の給与水準も上がっていることが分かります。

出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」

<h3>資格ごとの給与の違い</h3>

保有資格別の平均給与は以下のとおりです。

保有資格平均給与額
保有資格なし290,620円
介護職員初任者研修324,830円
実務者研修327,260円
介護福祉士350,050円
介護支援専門員(ケアマネジャー)388,080円
社会福祉士397,620円

※各資格を保有する介護職員の平均給与額です。初任者研修はヘルパー2級、実務者研修は介護職員基礎研修・ヘルパー1級を含みます。

保有資格なしと介護福祉士では約6万円の差があり、資格を持つ介護職員ほど平均給与が高い傾向があります。

ただし、勤続年数や役職による違いも含まれるため、資格の差だけとは限りません。

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」

<h3>サービス形態ごとの給与の違い</h3>

サービス形態ごとの平均給与は以下のとおりです。

勤務先年額換算値
介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム)4,342,320円
介護老人保健施設4,234,800円
介護医療院3,960,360円
特定施設入居者生活介護事業所4,332,000円
小規模多機能型居宅介護事業所3,662,640円
認知症対応型共同生活介護事業所3,624,120円
訪問介護事業所4,196,880円
通所リハビリテーション事業所3,831,720円
通所介護事業所3,533,280円

※実際の年収ではなく、令和6年9月の月額を12倍した計算です。

一番高い特別養護老人ホーム(約434万円)と、一番低い通所介護事業所(約353万円)では約81万円の差があります。

夜勤の有無や勤務時間の長さ、医療的ケアの有無などが影響していると考えられますが、この調査だけで要因の特定はできません。

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」

勤続年数別の給与の違い

勤続年数別の平均給与(月給・常勤、令和6年9月)は以下のとおりです。

勤続年数平均給与(月給)
1年298,760円
2年309,630円
3年316,080円
4年322,370円
5~9年335,640円
10年以上359,040円

勤続1年と10年以上では、月額で6万円以上の差があります。

長く働くほど給与が高い傾向にありますが、年齢やリーダーなどの役職のちがいも含まれています。

出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」

介護職の給与が「低い」「上がらない」といわれる理由

介護職の給与は全体として上がっていますが「制度が変わったのに、自分の給料はあまり変わらない」と感じる方もいます。

本章では、給料アップを感じにくい理由と、介護業界の仕組みを紹介します。

理由①:勤務先が上位区分の加算を取得していない

処遇改善加算には、Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳのような区分(ランク)があり、どの区分を取得するかで事業所に入る加算額が変わる仕組みです。

そのため、取得している加算区分によって事業所が受け取る加算額が異なり、職員の賃上げ幅にも差が出る可能性があります。

例えば訪問介護では、最も加算が高いⅠロは28.7%、Ⅳは17.0%と大きな差があります。

理由②:配分方法は事業所が決められる

同じ加算区分を取っていても、事業所によって、給料の上がり幅に差が出る場合があります。

加算の職員への配分方法は、一定のルールの範囲内で、各事業所が柔軟に決められるためです。

厚生労働省は介護職員への配分を基本としていますが、介護職員以外の職種への配分も認めています。

そのため、同じ加算区分を取得している事業所で働いていても、職員一人ひとりの賃上げ額が同じになるとは限りません。

理由③:社会保険料が増えて手取りの実感が薄い

給料が上がると、標準報酬月額や課税所得などが変わり、社会保険料や税金が増える場合があります。

そのため、給料自体は上がっていても、手元に入るお金はあまり増えていないように感じる可能性もあります。

また、事業所の賃金改善額には、社会保険料の事業主負担分(会社が支払う分)を含めてもいいと認められています。

つまり、事業所が受け取った加算額のすべてが、そのまま職員の額面給与に上乗せされるわけではありません。

理由④:賞与や他の手当で調整されている場合がある

毎月の基本給は変わらなくても、給料が上がっているケースがあります。

処遇改善加算による給料アップは、基本給だけでなく手当やボーナスで行ってもいいとされているためです。

例えば、毎月の基本給は変わらず、ボーナスが増えているケースもあります。

この場合、年収は増えていても、毎月の給料は上がっていないと感じる可能性があります。

ただし、2026年度に新たに増えた加算分については、基本給や毎月支払われる手当を増やすベースアップで還元することが基本とされています。

出典:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」

理由⑤:資格の有無によって平均給与に差がある

介護職は特別な資格を持っていなくても働ける職場が多いため、誰にでもできる仕事であると誤認されてしまうことも珍しくありません。

無資格や未経験での募集は、非正規雇用の求人が多く、給与水準が低い傾向があります。

また、慢性的な人手不足の影響で、未経験でも採用されやすく、低賃金でも応募する方が一定数います。

上記の理由から、介護業界全体の平均給与が上がりにくい要因になっているといえるでしょう。

実際には、医療や福祉に関する知識だけではなく、コミュニケーション能力など、さまざまなスキルが必要となり、専門性の高い仕事です。

理由⑥:介護報酬に上限がある

介護事業所の主な収入源である介護報酬は、国によって金額が決められています。

そのため、サービス価格を自由に引き上げて、その分を賃上げの原資にすることはできません。

また、入居者(利用者)の人数に合わせて必要な職員の人数も確保しなければならず、一般企業のように自由にサービスの金額や職員の人数を決められない構造となっています。

この仕組みがあるため、国が介護報酬を見直して、給料アップを進めている状況になっています。

理由⑧:非正規雇用が多い

介護施設では、人件費を抑えるために非正規雇用の職員を多く採用するケースがあります。

特に経営状況が厳しい施設では、低コストで労働力を確保しようとする傾向が強く、正社員への登用が積極的に行われない場合も見られます。

そのため、正社員として働きたい方は、正規雇用の方針や実績が明確な施設を選ぶことが大切です。

理由⑨:仕事内容と給料が見合っていない

給与水準は上昇傾向にあるものの、介護職は労働条件が厳しく、仕事内容に比べて給料が十分ではないと感じる方も少なくありません。

介護職では、医療や福祉に関する専門知識やコミュニケーション能力に加え、人の命を預かるという大きな責任があります。

そのため、ほかの職業に比べてリラックスできる時間が限られており、報酬が割に合わないと感じることもあるでしょう。

理由⑩:施設が赤字

感染症の影響による入居者(利用者)の減少や営業停止、さらに物価の高騰などが重なり、赤字経営に陥る介護事業所や施設もあります。

こうした状況では、人件費を簡単に削減することができず、結果として給与の引き上げが難しい施設も少なくありません。

介護職員等処遇改善加算とは?特定処遇改善加算はどうなった?

介護職の賃上げの中心となっているのが介護職員等処遇改善加算です。

制度は何度も見直されてきたため、以前の「特定処遇改善加算」の情報と勘違いして混乱しているかたもいらっしゃるでしょう。

本章では、制度の変遷や現在の仕組みを解説します。

特定処遇改善加算は廃止となった

2024年6月、以下の3つの加算が「介護職員等処遇改善加算」にまとめられ、加算率もアップしました。

  • 介護職員処遇改善加算
  • 介護職員等特定処遇改善加算
  • 介護職員等ベースアップ等支援加算

以前の特定処遇改善加算では、経験・技能のある介護職員のうち1人以上を対象に、年収440万円以上にすることなどを決まりとして設定していました。

この条件は、新しい加算(介護職員等処遇改善加算)でも「キャリアパス要件Ⅳ」として引き継がれています。

制度の名前自体はなくなっても、経験や技能のある介護職員を評価する仕組みはちゃんと続いています。

ただし「経験・技能がある」は勤続年数だけで決まるものではなく、一定の要件を踏まえて事業所が判断します。

加算の区分で賃上げの元手資金が変わる

加算には、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳの区分があります。

上位の区分ほど、給料アップの仕組み・年収440万円以上の職員の配置・職場環境の改善など、事業所に求められる要件が多くなり、その分加算率も高くなります。

さらに2026年6月からは、加算Ⅰ・Ⅱに「イ」「ロ」が設けられました。

「ロ」を取得するには、サービスの種類に応じて以下のいずれかを満たす必要があります。

  • ケアプランデータ連携システムの利用
  • 生産性向上推進体制加算ⅠまたはⅡの取得
  • 社会福祉連携推進法人への所属

つまり、ICTの活用などで業務の効率化を進めている職場ほど、上位の区分を取得でき、賃上げの原資も大きくなります。

サービス別の加算率と上限

加算率はサービスの種類によっても異なります。

サービス加算Ⅰロ (最も高い加算率)加算Ⅳ (一番低い加算率)
訪問介護28.7%17.0%
定期巡回・随時対応型訪問介護看護27.8%16.7%
認知症対応型共同生活介護22.8%14.9%
小規模多機能型居宅介護18.6%12.8%
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)17.6%11.3%
特定施設入居者生活介護15.9%10.8%
通所介護12.0%8.3%
通所リハビリテーション11.1%7.0%
介護老人保健施設9.7%5.9%
介護医療院6.6%4.0%
訪問看護1.8%(区分なし)
訪問リハビリテーション1.5%(区分なし)
居宅介護支援・介護予防支援2.1%(区分なし)

加算率はサービスごとの職員数に基づいて設定されているため、加算率の高低がそのまま給与の高低を表すわけではありません。

出典:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」

加算を取得している職場の見分け方

事業所がどの加算を取得しているかは、以下の方法で確認できます。

  • 求人票に、処遇改善加算の取得区分が記載されているか確認する
  • 面接で、加算をどのように配分しているかを質問する
  • 厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」で確認する

特に加算Ⅰ・Ⅱを取得する事業所には、取り組み内容の公表が求められているため、職場選びの判断材料になります。

また、加算は「取得しているか」だけでなく「どう配分しているか」までしっかり確認しておけば、働き始めたあとのギャップを減らせます。

介護職で給料を上げるコツ

介護職ではさまざまな賃上げ施策が行われていますが、制度による底上げを待つだけでなく、周りと差をつけ、自ら給料アップに働きかけることも大切です。

介護職で給料をアップさせるコツを紹介します。

介護の資格を取得する

資格手当がある職場や、資格を昇格の条件にしている職場では、資格の取得が給料アップにつながります。

介護業界では、以下の順番でステップアップしていくのが一般的な流れです。

  1. 介護職員初任者研修
  2. 実務者研修
  3. 介護福祉士

勉強が苦手な方でも、日々の業務で経験を積みながら少しずつ資格取得に取り組むことで、給料アップを目指せます。

資格ごとの平均給与の違いは、本記事の「資格ごとの給与の違い」で紹介したとおりです。

介護福祉士の取得後は、実務経験を積んでケアマネジャーを目指したり、別の国家資格である社会福祉士に挑戦したりする道もあります。

複数の資格を持っていれば業務の幅が広がり、キャリアアップにもつながりやすくなります。

一つの職場で長く働く

勤続年数が長い介護職員ほど平均給与が高い傾向があるため、昇給制度が整った職場であれば、長く働くことも有効な方法です。

また、長く勤めることで職員や入居者(利用者)との信頼関係を築ける点も大きなメリットといえます。

管理職を目指す

役職手当や役職に応じた賃金制度がある職場では、ユニットリーダー・主任・管理者・施設長などへの昇格が給料アップにつながります。

責任は重くなりますが、運営管理や職員教育などを通じて経営者に近い視点で仕事ができるため、新たなやりがいを感じられるでしょう。

夜勤をする

夜勤をすると、夜勤手当や深夜割増賃金が支給されます。

夜勤に抵抗がなく体力に自信がある方は、夜勤の回数を増やしたり、夜勤専従で働いたりするのも選択肢の一つです。

ただし、夜勤は生活リズムが乱れやすく身体に負担がかかるため、給料アップだけでなく体調管理にも注意し、無理のない範囲で行うことが大切です。

経験を活かし介護業界内で転職する

現在の職場で給料アップの見込みがない場合は、経験を活かして介護業界の中での転職を考えるのもひとつの方法です。

会社によって、これまでの経験や資格をどれほど評価してくれるかが違うためです。

転職先を探すときは、基本給だけでなく手当や賞与、福利厚生、処遇改善加算の取得区分なども確認しましょう。

特に、2026年6月からの上乗せ区分(加算Ⅰロ・Ⅱロ)を取る事業所は、生産性向上や協働化に関する条件をクリアする必要があります。

つまり、パソコン等を使うICT化や、生産性向上(効率よく働く工夫)に力を入れている職場に注目すると、より良い条件の職場を見つけやすくなる可能性があります。

福利厚生を利用する

一つの職場で長く働くと給料が上がる傾向があるため、安心して働き続けられる手当や制度が整った施設を選ぶことも大切です。

介護施設では、健康保険・厚生年金保険・介護保険といった各種社会保険や通勤手当のほか、食事補助・住宅手当・退職金制度・産休・育休制度などの福利厚生が一般的に用意されています。

また、資格取得支援制度や予防接種の補助など、施設独自の福利厚生がある場合もあるため、転職の際には給料だけでなく福利厚生の内容も確認しましょう。

給料が上がる介護職のキャリアパスとは?

介護福祉士

3年以上の実務経験があり、介護福祉士実務者研修、介護職員基礎研修、または喀痰吸引等研修のいずれかを修了している方は、ケアマネジャーへの第一歩として介護福祉士の資格取得を目指すとよいでしょう。

介護福祉士の試験は毎年1月に筆記試験、3月に実技試験が実施されます。

ケアマネジャー(介護支援専門員)

給料アップだけでなく、やりがいを感じながら介護の仕事を続けたい方は、ケアマネジャーを目指すのがおすすめです。

ケアマネジャーは介護保険制度に基づき、ケアプランの作成や入居者(利用者)・家族との面談、要介護認定申請の代行、給付管理などを担当する責任ある役割です。

将来的にケアマネジャーを目指す介護職にとっても、取得しておきたい資格のひとつです。

認定介護福祉士

認定介護福祉士は、介護福祉士取得後のキャリアアップを目的とした民間資格です。

一定の実務経験を持つ介護福祉士が養成研修を修了すれば取得できます。

国家資格ではありませんが、現場のチームマネジメントや多職種連携の推進などの役割が期待されています。

社会福祉士

社会福祉士は、福祉や医療に関する相談に応じ、必要なサービスの提案や調整を行う国家資格です。

受験資格には複数のルートがあり、学歴や実務経験に応じて養成施設の夜間・通信課程などを利用すれば、社会人でも目指せます。

介護職の仕事内容と向いている人

介護職は、人との関わりを避けることはできません。そのため、人と関わるのが好きな人や、落ち着いていて丁寧な対応ができる人は介護職に向いています。また、体力に自信がある人や向上心がある人にもおすすめの仕事です。

介護職に向いている人の特徴を詳しく紹介します。

介護の主な仕事内容

介護の主な仕事は、入居者(利用者様)の毎日の生活をサポートすることです。一人では難しい身の回りのことをお手伝いします。

具体的には、食事・排泄・更衣・入浴・移動などの介助を中心に、レクリエーションの企画や運営などを行います。また、通所型の施設では送迎、入所型の施設では夜勤も担当します。

介護職の魅力ややりがい

介護職は大変というイメージを持つ方も多いですが、それ以上の魅力もあります。主なやりがいや魅力は以下の3つです。

  • 専門的な知識や技術が身につき、自分の家族の介護にも役立つ
  • 未経験からでも、研修や実務経験を重ねてキャリアアップを目指せる
  • 全国的に人材が求められており、働く地域の選択肢が広い

将来の不安を減らしながら自分を磨き続けられるのが、介護の魅力です。

介護職に向いている人の特徴

介護職に向いている人の特徴は、以下のとおりです。

  • コミュニケーション能力が高く、入居者(利用者)さん・ご家族・職員同士と円滑に関われる
  • 相手の自尊心に配慮し、落ち着いて寄り添える
  • 身体介助や夜勤もあるため、体力に自信があり、かつ自分の健康管理ができる
  • 介護技術や制度について学び続けられる向上心がある

特に学ぶ意欲がある方は、資格取得や実務経験を通じて収入アップも目指しやすくなる可能性があります。

介護職の給料に関してよくある質問

介護職の給料に関して、よくある質問をまとめました。

2026年の賃上げでは全員が月1.9万円上がりますか?

働く人全員が同じように月1.9万円上がるわけではありません。

1.9万円は、あくまで上限金額であり、事業所が取得している処遇改善のランクや、お金の分配方法によって実際にもらえる額が変わるためです。

パートやアルバイトでも賃上げの対象になりますか?

対象になる場合があります。

処遇改善加算による給料アップは、パートなどの非常勤職員も含めて行えるルールになっているためです。

ただし、実際にどのような対応になるかは、事業所によって異なります。

賃上げは基本給が上がるのですか?

2026年度に増えた加算分の給料アップは、基本給または毎月決まって支払われる手当を引き上げるベースアップで行うことが基本とされています。

ただし、ベースアップだけで対応できない場合は、ほかの手当や一時金を組み合わせてもよいとされています。

介護福祉士に8万円支給される話はどうなったのですか?

介護福祉士の全員に8万円が支給されるわけではありません。

「8万円支給」というのは、以前の「特定処遇改善加算」にあったルールが、少し勘違いされて広まったものです。

実際のルールは「月額8万円以上の改善か、年収440万円以上になる職員を1人以上は作ってください」というものでした。

なお、特定処遇改善加算は、2024年6月に新しい「介護職員等処遇改善加算」にまとめられています。

2027年度以降、介護職の給料はどうなりますか?

2027年度にどれくらい給料が上がるのか、具体的な金額はまだ決まっていません。

次の介護報酬改定に向けて、現在国で話し合いが進められている途中となっています。

ただし、国の大きな計画では、他職種と変わらないくらいの処遇改善が目標に立てられています。

まだ決まってはいませんが、介護業界の給料や働きやすさを改善していく方向で進んでいるようです。

出典:内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2026 について」

賃上げが給料に反映されない場合はどうすればよいですか?

まずは給与明細で、基本給・処遇改善手当・ボーナスなどが前年と比べてどのように変わったかを確認しましょう。

そのうえで、勤務先に賃金改善の方法を確認してみてください。

処遇改善加算を算定する事業所は、賃金改善の方法を職員に伝えるとともに、職員から聞かれた際は、分かりやすく回答するよう努めることとされているためです。

まとめ

介護職員の給与は上昇傾向にあり、実際に手取りを増やすためには、職場選びや、自分でキャリアアップのために動くことが大切になります。

国の介護報酬改定で賃上げが進む一方、もらえる金額は、事業所の区分や分配方法によって変わるためです。

給与明細で、基本給や手当の内容を確かめつつ、資格取得や条件の良い職場への転職に向けて自分で動くのが大切です。

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Supervisor 監修者
履歴書_写真

石田楓

資格等:介護福祉士・社会福祉主事

介護業界での実務経験は10年以上。デイサービス、グループホーム、ショートステイと複数のサービス形態を経験し、うちグループホームとショートステイでは立ち上げスタッフとして携わる。
27歳で生活相談員へ異動し、ケアマネジャーや医療機関との連携、家族対応を4年間担当。
自身も業界内で複数回の転職を経験しており、現場職員から相談員へのキャリアチェンジも経ている。現在は介護ライターとして活動中。