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63ナーシングホームとは?入所条件や費用、ほかの施設との違いを徹底解説

「病院からの退院を勧められたが、自宅での医療ケアは難しい」

「医療依存度が高く、特別養護老人ホームへの入所を断られてしまった」

そんなご家族の新たな選択肢として、いま注目されているのが「ナーシングホーム」です。

しかし、名前はよく耳にするものの、一般的な老人ホームと何が違うのか、費用はどれくらいかかるのかなど、詳細を知らない方も多いかもしれません。

そこで本記事では、ナーシングホームの仕組みや特徴、入所条件、後悔しない選び方まで徹底解説します。

Contents
  1. ナーシングホームとは?
    • 日本におけるナーシングホームの定義
    • 主な運営形態「住宅型有料老人ホーム+訪問看護」
    • 老人保健施設(老健)との決定的な違い
  2. ナーシングホームの対象者と入所条件
    • 医療依存度(要介護度)が高い方
    • 末期がん(ターミナルケア)の方
    • 神経難病の方(パーキンソン病・ALSなど)
    • 気管切開・人工呼吸器・胃ろう・吸引が必要な方
  3. ナーシングホームで受けられるサービス内容
    • 24時間365日の看護体制と医療ケア
    • 専門的な緩和ケアと看取り
    • 食事・入浴・排泄などの生活支援や身体介護
    • 医師や薬剤師・リハビリ職との連携体制
  4. ほかの施設との違いと比較
    • 特別養護老人ホーム(特養)との比較
    • 一般的な有料老人ホームとの比較
    • 療養型病院(医療療養病床)との比較
  5. ナーシングホームの費用相場
    • 初期費用(入居一時金)と月額利用料の相場
    • 介護保険と医療保険の併用について
    • 医療費の自己負担と高額療養費制度
    • 難病指定や障害者手帳による公費負担
  6. ナーシングホームのメリット・デメリット
    • 【メリット①】退院後の行き場と家族の安心感
    • 【メリット②】最期まで住み続けられる
    • 【デメリット①】費用が割高になる可能性がある
    • 【デメリット②】レクリエーションやイベントは少なめ
  7. ナーシングホームで働くには?仕事内容と求められるスキル
    • 主な募集職種と看護師・介護士の役割分担
    • 病院や一般施設との働き方・業務内容の違い
    • 求められる臨床経験や医療的ケアのスキル要件
    • ナーシングホームで働くやりがいと向いている人
  8. まとめ

ナーシングホームとは?

日本において「ナーシングホーム」という言葉を耳にする機会が増えてきましたが、実は介護保険法や医療法で定められた正式な施設名称ではありません。

ここでは、ナーシングホームの定義や仕組み、ほかの施設との違いについて解説していきます。

日本におけるナーシングホームの定義

日本国内で「ナーシングホーム」と自称している施設の多くは、法律上の施設区分には該当しません。

具体的には、24時間365日常駐する看護師によるケアや、看取りまで対応可能な医療連携体制を整えている施設を指します。

人工呼吸器の管理・頻回な喀痰吸引・点滴管理など、一般的な有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では対応が難しい、高度な医療的ケアを必要とする方を主な対象としています。

ナーシングホームは、病院のような医療機能と、自宅のような生活空間を融合させた住まいといえるでしょう。

主な運営形態「住宅型有料老人ホーム+訪問看護」

ナーシングホームの多くは、建物のハード面(施設や設備など)としては「住宅型有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」として登録されています。

そこへ、施設内あるいは近隣に併設された「訪問看護ステーション」と「訪問介護事業所」がセットで機能することにより、手厚いケアを実現している点が特徴です。

入所者は、外部の訪問看護サービスを利用する契約を結ぶことで、施設にいながら専門的な看護ケアを受けることができます。

老人保健施設(老健)との決定的な違い

よく混同される施設に「介護老人保健施設」がありますが、両者の目的は大きく異なります。

介護老人保健施設は、病院を退院した後、原則として在宅復帰を目的とした中間施設であり、入所期間は3〜6カ月程度を目安としています。

これに対して、ナーシングホームは「終の棲家」としての役割を持っており、期限を設けずに最期まで暮らすことができます。

ナーシングホームの対象者と入所条件

ナーシングホームは、一般的な老人ホームとは異なり、誰でも入所できるわけではありません。

ここでは、具体的にどのような状態の方が入所の対象となるのか、詳しく解説していきます。

医療依存度(要介護度)が高い方

ナーシングホームの主な対象者は、要介護4〜5で常時医療的観察が必要な方です。

痰の吸引や床ずれの処置など、日常的な医療ケアが欠かせないケースが該当します。

ナーシングホームならば、夜間対応も可能な体制が整っており、一般的な有料老人ホームでは受け入れが難しい方にも対応できます。

末期がん(ターミナルケア)の方

がんの末期状態で、積極的な治療を行う病院での入院継続が難しくなった方も、ナーシングホームの重要な対象者です。

病院から「これ以上の治療法はない」として退院を勧められた際、自宅での緩和ケアだけでは、家族の負担が大きくなるケースも少なくありません。

ナーシングホームでは、医療用麻薬を用いた疼痛コントロールや、精神的な苦痛に対するケアを提供できます。

神経難病の方(パーキンソン病・ALSなど)

パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多系統萎縮症といった指定難病の方も、ナーシングホームの受け入れ対象となります。

これらの神経難病は進行性であり、病状が進むにつれて身体の自由が利かなくなり、呼吸管理などの高度な医療ケアが必要となります。

特定の難病に該当する方の場合、介護保険ではなく「医療保険」を使い、訪問看護サービスを利用できるケースが多くなっています。

これにより、介護保険の限度額を気にすることなく、毎日の手厚い看護ケアやリハビリを受けることが可能です。

気管切開・人工呼吸器・胃ろう・吸引が必要な方

具体的な医療処置として、気管切開を行って人工呼吸器を装着している方や、口から食事が摂れず胃ろうや経鼻経管栄養を行っている方も対象です。

これらの管理において、機器の操作やトラブルの対応時には、専門的な知識が必要不可欠であり、介護士だけでは対応できません。

その点、ナーシングホームには機器管理に精通した看護師が常駐しているため、アラームが鳴ったときや、体調が急変した際にも即座に対応することができます。

ナーシングホームで受けられるサービス内容

ナーシングホームでの生活は、病院のような安心感と、自宅のようなプライベート空間の両立を目指しています。

ここでは、入所者がどのようなケアを受けられるのか、具体的に見ていきます。

24時間365日の看護体制と医療ケア

ナーシングホーム最大の特長は、昼夜を問わず、看護師による専門的なケアが受けられる点です。

一般的な施設では「オンコール体制」といって、夜間は看護師が自宅で待機し、電話対応のみとなることが多いですが、ナーシングホームでは夜勤の看護師が施設内に常駐しています。

これにより、夜間の痰吸引・点滴の管理・酸素濃度の調整・痛みのコントロールなどを、タイムリーに行うことができます。

また、急な発熱や転倒などの緊急時にも、看護師がその場でバイタルサインを確認し、医師の指示を仰いで適切な処置を行うため、救急搬送のリスクを減らすことができます。

専門的な緩和ケアと看取り

人生の最期をどのように迎えるかという「看取り(ターミナルケア)」への対応も、ナーシングホームの主要なサービスです。

死期が近づいている入所者に対して、身体的な苦痛を取り除く緩和ケアはもちろんのこと、不安や恐怖心に寄り添うメンタルケアも行います。

また、入所者本人のみならず、見送る家族に対するグリーフケア(悲嘆ケア)も重要視されています。

施設スタッフは医師と密接に連携し、最期の瞬間まで尊厳を持って過ごせるよう、環境を整えます。

食事・入浴・排泄などの生活支援や身体介護

医療的なケアに限らず、日常生活を送るために必要な支援も、介護スタッフによって提供されます。

食事や入浴の介助・トイレへの誘導・オムツ交換・着替えの手伝いなど、介護保険制度に基づいた訪問介護サービスや、生活支援サービスが行われます。

ナーシングホームでは、看護師と介護士が密に連携しているため、看護師がバイタルチェックを行った上で、安全に入浴を楽しめるのも魅力の一つです。

医師や薬剤師・リハビリ職との連携体制

ナーシングホーム自体には、常勤の医師がいないことが一般的ですが、地域の医療機関と提携し、定期的な「訪問診療」が行われています。

例えば、主治医が月に2回程度往診し、薬の処方や健康管理を行うことがあります。

また、薬剤師が施設を訪問して配薬管理を行ったり、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が訪問して、リハビリテーションを実施したりする点も特長です。

ほかの施設との違いと比較

高齢者向けの施設は種類が多く、それぞれの違いが分かりにくいのが現状です。

ここからは、ナーシングホームの比較対象となりやすい「特別養護老人ホーム」「一般的な有料老人ホーム」「療養型病院」との違いを解説していきます。

特別養護老人ホーム(特養)との比較

特別養護老人ホームは、公的な介護施設であり、費用が比較的安く、終身利用が可能な点が大きなメリットです。

しかし、特別養護老人ホームはあくまで「生活の場」であり、医療機関ではありません。

看護師は配置されていますが、夜間に看護師が不在の施設が多く、常時の喀痰吸引や点滴が必要な場合には、入所を断られたり、退居を求められたりすることがあります。

一方、ナーシングホームは、特別養護老人ホームに比べると費用は高くなりますが、高度な医療処置に対応できる点や、待機期間が短くスムーズに入所できる点で差別化されています。

一般的な有料老人ホームとの比較

一般的な「介護付有料老人ホーム」や「住宅型有料老人ホーム」は、レクリエーションやイベントが充実しています。

ただし、看護師は日中のみ配置されていることが多く、医療的な対応には限界があります。

これに対して、ナーシングホームは医療ケアに特化しているため、レクリエーションなどの余暇活動は少なめである傾向があります。

療養型病院(医療療養病床)との比較

療養型病院は、長期入院が必要な方のための施設で、医療体制がもっとも充実しており、医師が常駐している安心感があります。

ただし、あくまで「病院」であるため、生活環境は機能的でシンプルな作りとなっています。

多床室(相部屋)が基本で、プライバシーは限定されており、外出や外泊には制限があります。

一方、ナーシングホームは「住まい」としての側面が強く、個室が基本で家具の持ち込みも自由で、家族との面会もしやすい環境が整っています。

ナーシングホームの費用相場

ナーシングホームは、医療と介護の両面から手厚いサービスを提供することから、費用構造はやや複雑です。

ここでは、入所にかかる初期費用や月額費用の相場、費用負担を軽減するための各種制度について解説していきます。

初期費用(入居一時金)と月額利用料の相場

ナーシングホームの初期費用は、0〜数十万円程度で、高額な一時金が必要な施設は少なめです。

また、月額利用料は地域にもよりますが、家賃・管理費・食費で15〜30万円程度が一般的でしょう。

これに加え、介護・医療保険の自己負担分や、オムツ代などの実費も必要です。

介護保険と医療保険の併用について

ナーシングホームでは、訪問看護などのサービスを受けるに当たり、介護保険と医療保険を使い分けることが大切です。

通常は介護保険が優先されますが、末期がんや難病など、特定の疾病では医療保険が適用されます。

これにより、身体介護は介護保険で、医療処置は医療保険で効率的に受けられます。

医療費の自己負担と高額療養費制度

医療依存度が高い場合、訪問診療や薬剤費などで医療費がかかります。

しかし、月ごとの自己負担額には、高額療養費制度によって上限が設けられています。

ナーシングホームでは、この制度を前提に費用シミュレーションが行われるため、費用が際限なく膨らむことはありません。

難病指定や障害者手帳による公費負担

指定難病の受給者証をお持ちの方や、重度障害者医療証をお持ちの方は、さらなる費用の軽減が見込めます。

指定難病の場合、医療費の自己負担割合が2割となり、かつ所得に応じた月額上限額が設定されます。

また、重度心身障害者医療費助成制度の対象になると、医療費の自己負担分が全額助成され、実質無料となるケースもあります。

ナーシングホームのメリット・デメリット

これまでの解説でナーシングホームの特徴は見えてきましたが、メリットとデメリットの両面を比較し、総合的に判断することが大切です。

ここでは、ナーシングホームのメリット・デメリットについて、詳しく解説していきます。

【メリット①】退院後の行き場と家族の安心感

ナーシングホームのメリットは、病院を退院せざるを得なくなった、重度医療依存者の受け皿となることです。

「家で看るのは不安」「老々介護で吸引などの処置は難しい」と悩むご家族にとって、24時間看護師がいる環境は、大きな安心感をもたらすでしょう。

また、家族が介護の重圧から解放されることで、面会時に笑顔で接する余裕が生まれ、良好な家族関係を取り戻せることも大きな利点です。

【メリット②】最期まで住み続けられる

一度入所すれば、状態が悪化しても退居を迫られることが少なく、看取りまで対応してもらえる点も大きなメリットです。

一般的な老人ホームでは、医療処置が増えると「対応できない」として、病院への転院や退居を求められることがありますが、ナーシングホームではその心配がほとんどありません。

住み慣れた部屋で、馴染みのスタッフに囲まれて最期を迎えられることは、入所者ご本人の安寧につながるでしょう。

【デメリット①】費用が割高になる可能性がある

ナーシングホームは、手厚い看護体制を維持するため人件費がかかり、管理費や家賃に反映されることがあります。

介護保険と医療保険を併用しても、医療費や消耗品費が積み重なると、総額は公的施設よりも高い傾向です。

そのため、費用面での負担を事前に確認しておくことが大切でしょう。

【デメリット②】レクリエーションやイベントは少なめ

ナーシングホームでは、重度の入所者が多く、施設全体が安静重視の雰囲気です。

そのため、カラオケ大会や外出イベントなどのレクリエーションは少なめです。

身体や意識がしっかりしている方にとっては、日々の刺激が物足りなく感じることがあるかもしれません。

ナーシングホームで働くには?仕事内容と求められるスキル

ナーシングホームは、働く側の視点から見ても、近年急速に求人が増えている注目の職場です。

ここでは、ナーシングホームでの仕事内容や、必要なスキルについて解説していきます。

主な募集職種と看護師・介護士の役割分担

ナーシングホームでは、主に看護師と介護職員が勤務し、看護師は医療処置や急変対応、介護職員は食事・入浴・排泄といった生活支援を担当します。

入所者の状態が重いことから、介護職員にも医療的な観察が求められ、看護師はその情報をもとに判断します。

質の高いケア提供には、両者の密な連携が欠かせないポイントです。

病院や一般施設との働き方・業務内容の違い

ナーシングホームでは、医師が常駐しないため、緊急時の初期対応や判断は看護師に委ねられることから、高い自律性が求められます。

ただし、病院のような慌ただしい業務は少なく、利用者とじっくりと向き合う時間が持てます。

また、介護士も研修を受ければ、医療行為が可能な施設は多く、スキルアップの機会が豊富でしょう。

求められる臨床経験や医療的ケアのスキル要件

ナーシングホームでは、看護師は臨床経験があると優遇されますが、未経験でも入職後に学ぶ意欲があれば、採用されることがあります。

介護士の資格なし・未経験でも勤務可能な施設はありますが、実務者研修や喀痰吸引研修を修了していると、即戦力として重宝されます。

また、資格や研修の有無は、給与面や業務範囲にも影響する傾向にあります。

ナーシングホームで働くやりがいと向いている人

ナーシングホームでは、利用者の最期まで寄り添い「その方らしい生活」を支えられることに大きなやりがいがあります。

そこで、向いているとされるのは、一人ひとりに丁寧に関わり、自分の判断力やスキルを生かしたい人です。

ただし、急変対応や医療知識の習得に抵抗がある場合は、ややハードルが高い職場となることもあるでしょう。

まとめ

ナーシングホームは、医療依存度の高い高齢者が最期まで安心して暮らすための「住まい」であり、超高齢社会の日本において不可欠なインフラとなりつつあります。

24時間体制の看護と、生活を支える介護が融合することで、病院と自宅のいいとこ取りをした環境を提供しています。

ナーシングホームは「終の棲家」を探している方にとって、今後も有力な選択肢となるでしょう。