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13就労継続支援B型事業所の職員の給料を徹底解説!ケース別の比較や給料アップの方法も紹介

就労継続支援B型事業所は、障がいを持つ方の社会参加を支える重要な場所です。

興味のある方の中には「給料はどのくらい?」と、不安に思う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、就労継続支援B型事業所の職員の平均給料や他職種との比較、給料アップの具体策まで徹底解説します。

収入面も納得した上で福祉の仕事に一歩踏み出したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

就労継続支援B型事業所とは?

就労継続支援B型事業所とは、一般企業へ就職するのが難しい障がいを持っている方に、働く場を提供する福祉サービスのことです。

利用者は、雇用契約を結ばずに、自分の体調や生活リズムに合わせて働けるのが特徴です。

対象者としては、以下に当てはまる方が挙げられます。

  • ・労働経験をお持ちであるものの、高齢化や体力面の制約によって一般就労が困難となっている方
  • ・50歳以上の方、もしくは障害基礎年金1級を受給されている方
  • ・上記2つの条件に当てはまらないが、就労支援機関等による客観的な評価により、働く上での支援が必要と判断されている方

なお、働いた分に応じて工賃が支払われますが、一般的な雇用契約に基づく給料とは異なり、最低賃金は適用されません。

就労継続支援B型事業所の仕事内容

就労継続支援B型事業所の仕事内容は、主に利用される方が行う作業を支援することです。

利用者が行う作業は以下のものが挙げられます。

  • ・清掃
  • ・農作業
  • ・お菓子やパン作り
  • ・衣類クリーニング
  • ・封入作業
  • ・部品の組み立て作業

すべての就労継続支援B型事業所が同じ作業をしているわけではないため、事業所によって支援する内容も異なってきます。

このような作業に対して、職員は利用者が安心して作業が行えるようにサポートします。

ほかの業種との違い

就労継続支援B型事業所と聞くと、A型事業所や就労移行支援といった言葉を耳にする方も多いと思いますが、それぞれはどのような違いがあるのでしょうか。

 

<就労継続支援A型事業所との違い>

就労継続支援A型事業所とは、一般企業への就職が難しい障がいを持った方などに対して、雇用契約を結んで、一般就労に近い形で働く機会や訓練の場を提供する福祉サービスのことです。

雇用契約を結ぶことから、最低賃金が保証されているところが特徴です。

就労継続支援B型事業所と比較しても比較的障がいの程度が低い方が利用され、年齢制限も原則18歳から64歳までと決まっています。

A型事業所は将来的に一般企業への就職を目指す方にとって、ステップアップの場としても活用されています。

支援員による職業訓練も行われており、継続的なサポートを受けながら、働く力を高めることも可能です。

 

<就労移行支援との違い>

就労移行支援とは、一般企業へ就職したい障がい者に対して、必要なスキルを身に付けるための訓練や支援を一定期間提供する福祉サービスです。

就労継続支援A型・B型事業所と異なって一般就労することを目的としており、原則として最長2年間の利用期間が設けられている点が特徴です。

具体的には、就労のためのビジネスマナーやパソコン操作などの訓練、利用者の障がい特性に合わせた職場探し、そして就労後の定着支援なども行います。

このように、就労移行支援は「一般企業で働くこと」をゴールに据えており、そのための準備期間と考えると分かりやすいでしょう。

就労継続支援B型事業所で働くために必要な資格

就労継続支援B型事業所では、生活支援員や職業指導員と呼ばれる方が働いていますが、これらは正確に明記されている資格ではありません。

したがって、就労継続支援B型事業所で働くために必要な資格は、現在ありません。

しかし、サービス提供責任者や管理者などに昇進する場合は、社会福祉主事任用資格などの取得や、実務経験などが必要となります。

就労継続支援B型事業所で働く職員の給料はどのくらい?

ここからは、本題である就労継続支援B型事業所で働く職員の給料について紹介していきます。

まずは、月給と手取り額、令和5年との給料の比較を紹介していきます。

就労継続支援B型事業所で働く職員の給料と手取り額の平均

厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」の調査結果によると、就労継続支援B型事業所で働く職員の平均給料と手取りは以下の表のようになっています。

なお、手取り額は税金を差し引かれた数値(約0.8)をかけた計算となっています。

勤務形態令和6年の平均給与額手取り額
常勤289,130円231,304円
非常勤99,680円79,744円
福祉・介護職員全体327,720円262,176円

就労継続支援B型事業所で働く職員の平均給料は、全体と比較しても4万円程度低くなります。

また、非常勤に関しても働く日数や時間によりますが、低い傾向であることが分かります。

参照:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査

令和5年に比べて上がっている?

令和5年と比較した給料についても見てみましょう。

勤務形態令和6年の平均給与額令和5年の平均給与額
常勤289,130円273,690円
非常勤99,680円95,570円
福祉・介護職員全体327,720円307,750円

令和5年と比較した表を見てみると、令和5年よりも令和6年のほうが1万円前後、給料が増加していました。

全体に関しても2万円程度増加しており、これは2024年(令和6年)に障害福祉サービス等報酬改定による賃上げが行われたことが要因となっているようです。

参照:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査

【ケース別】就労継続支援B型事業所で働く職員の給料を比較

就労継続支援B型事業所で働く職員の給料は、管理職かどうかによっても異なります。

1つ前の章で紹介した給料と比較しながら確認していきましょう。

サービス提供責任者・管理者との給料の比較

サービス提供責任者・管理者の給料は以下のとおりです。

管理職の有無平均給与額(常勤)平均給与額(非常勤)
管理職である373,800円176,180円
管理職でない282,210円98,460円
サービス管理責任者等405,480円235,080円

就労継続支援B型事業所で管理職である場合と、そうでない場合とで比較すると、約8万~9万円差があります。

また、サービス管理責任者であれば、40万円程度の給料が期待できるでしょう。

参照:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査

他職種との給料の比較

他職種で分けた給料の違いは、次の表のとおりです。

 平均給与額(常勤)平均給与額(非常勤)
生活支援員337,710円118,520円
職業指導員296,000円117,460円
就労支援員328,710円213,740円

上記3つで分けて比較してみると、常勤で生活支援員がもっとも高い給料ですが、非常勤で見ると就労支援員が高いことが分かりました。

参照:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査

他施設との給料の比較

他施設との給料の比較は、次の表のとおりです。

施設の種類平均給与額
全体327,720円
就労継続支援B型事業所289,130円
就労継続支援A型事業所289,060円
就労移行支援310,600円
生活介護317,000円
施設入所支援371,620円
居宅介護317,550円

施設別で見てみると、就労継続支援A・B型事業所のみ30万円を下回る給料であることが分かります。

入所施設のみ37万円を超える給料となっていますが、これは夜勤勤務で手当が増えることが要因となっています。

参照:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査

就労継続支援B型事業所で働く職員の給料が安いといわれる理由

ここまで紹介してきたように、就労継続支援B型事業所で働く職員の平均給料は、比較的低めに設定されています。

では、なぜ就労継続支援B型事業所で働く職員の給料は安いといわれているのでしょうか。

その理由は次に紹介する3つが挙げられます。

一般企業と異なる収入構造だから

1つ目が、就労継続支援B型事業所が一般企業とは異なる収入構造であるからです。

通常、一般企業では企業全体で得た利益から、税金や設備費など、会社を運営するための経費を差し引いたものが給料として反映されます。

一方、就労継続支援B型事業所では利用される方の作業による売上が利益となります。

しかし、こちらの利益だけでは職員の人件費や利用者の報酬、そして施設の維持費を賄うことは不可能です。

そのため、どれだけ職員や利用者が作業を頑張っても、一般企業のような利益を生み出せないため、結果として給与水準が抑えられてしまうのです。

国からの助成や補助金で賄うから

では、就労継続支援B型事業所で働く方の給料がどこから発生しているのかというと、国からの給付金や補助金です。

就労継続支援B型事業所では、利用される方1人に対して1日6,000~8,000円程度の「訓練等給付費」が支給されます。

基本的には、この訓練等給付費と利用者が作業により得た利益から、管理費や利用者の工賃などが差し引かれたものが職員の給料となります。

しかし、これらの資金だけでは運営が厳しい事業所も多く、十分な人件費を確保できないのが現実です。

また人数や利用時間、地域などによって国からの支給額は変わってくるため、経営が安定しにくいところもあります。

そのため、職員の給料はどうしても低く抑えられてしまいます。

福祉職全体の給与水準がもともと低いから

そもそも福祉業は人件費が抑えられる傾向が強く、介護や保育と同様、社会的に必要とされているにもかかわらず待遇が追いついていません。
特に就労継続支援B型事業所のような非営利性が高い施設では、その影響を強く受けやすい傾向があります。

また、仕事内容が多いにもかかわらず、給与水準は他業種と比べて低く、やりがいや使命感だけでは続けるのが難しいという声も少なくありません。

結果として慢性的な人員不足にも陥りやすく、働く職員一人ひとりの負担が増えてしまうという悪循環も起きています。

就労継続支援B型事業所で働く職員の給料を上げる方法

紹介してきたように、就労継続支援B型事業所の給料は比較的低い傾向ですが、給料を上げる方法がないわけではありません。

ここで給料を上げる方法を4つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

資格を取得し手当をもらう

資格を保有しているほうが平均給料が高い傾向があります。

特に「介護福祉士」や「社会福祉士」といった資格を取得すれば、手当が支給される可能性も高まります。

中には、施設が資格取得にかかる費用の一部を負担してくれる制度を導入している場合もあるため、上手に活用してスキルアップを図るのがおすすめです。

資格手当は毎月の収入に直結し、長期的に収入ベースを底上げしてくれる要素です。

管理者やサ責へキャリアアップする

管理者やサービス管理責任者(サ責)へキャリアアップすることで、給料水準が大きく上がる場合があります。

ただし、これらの役職には専門的な資格や一定の実務経験が求められるため、まずは日々の業務を着実にこなしながらステップアップの準備を進めることが重要です。

経験やスキルが評価される場でもあるため、今から少しずつ視野に入れておくとよいでしょう。

勤続年数を増やす

長く働くことで信頼や実績が積み重なり、昇給や賞与の評価にもつながりやすくなります。

経験年数に応じて任される仕事も増え、役職や管理職への登用の可能性も広がるため、結果的にキャリアと収入の両方でプラスになります。

転職を繰り返すよりも、腰を据えて働き続けるほうが報酬面では有利になるケースも多いため、安定した職場での継続勤務は大きなメリットとなるでしょう。

給料が期待できる施設に転職する

ここまで紹介してきた3つの方法は、時間がかかってしまうところがデメリットです。

より早く収入を上げたい方には、最初から給料の高い施設へ転職する方法も有効です。

例えば、夜勤勤務のある入所施設やショートステイでは、夜勤手当や処遇改善加算が上乗せされることが多く、月収ベースでも差が出やすくなります。

ただし、給料の高さだけを理由に転職を決めると仕事内容や職場環境が合わず、長続きしないリスクもあるため注意が必要です。

転職前には業務内容・福利厚生・職場の雰囲気など、複数の視点から総合的に判断しましょう。

就労継続支援B型事業所で職員として働くメリット

就労継続支援B型事業所で職員として働くメリットは非常に多いです。

以下に5つ紹介しますので、給料面以外のよい点も確認していきましょう。

人の役に立つ実感を得られる

就労継続支援B型事業所を利用される方は、一般企業への就職が難しく、生きづらさを持った方がほとんどです。

こういった方の自立に向けて支援できるのが、就労継続支援B型事業所で働く魅力といえます。

時には「ありがとう」と真っすぐ伝えられることもあるため、人の役に立つ実感が得られやすいでしょう。

福祉への理解が自然と深まる

就労継続支援B型事業所を利用される方はコミュニケーションが取りにくかったり、人間関係を築きにくかったりと、生きづらさを持っています。

そういった方を理解しながら支援することも仕事の一つとなりますので、自然と障がいや福祉に関する理解が深まります。

規則正しい生活を送りながら働ける

就労継続支援B型事業所は基本的に日勤勤務だけで、夜勤といった夜間の業務はありません。

そのため、生活リズムを整えやすく、規則正しい生活を送りながら働けます。

また、休日が土日祝休みの事業所であれば、仕事とプライベートを両立しやすいところもメリットといえるでしょう。

体への負担が少ない

就労継続支援B型事業所を利用される方の多くが、職員からの支援により働ける方がほとんどのため、比較的体への負担が少なくて済みます。

介助する体力や力に自信がないといった方でも、活躍しやすい職場といえるでしょう。

長く働ける

就労継続支援B型事業所では身体的な負担が少ないため、長期的に働きやすい点が大きなメリットです。

利用者も増加傾向にあり、仕事自体がなくなる可能性も低いでしょう。

安定性の高さによりライフステージの変化にも対応しやすく、腰を据えて働きたい人にとっては、長く続けやすい職場環境だといえます。

就労継続支援B型事業所で職員として働くために必要なスキルや知識

就労継続支援B型事業所では、障がいを持つ方々の「働く」をサポートすることが主な業務です。
そのため、ただ業務をこなすだけでなく、利用者一人ひとりの特性や状態に応じた丁寧な関わりが求められます。

ここでは、就労継続支援B型事業所で職員として働く上で特に大切となる基本的なスキルや知識を3つに分けて紹介します。

障がいに対する知識

障がいと一言でいっても、その種類や特性はさまざまで、それぞれに特有の配慮が必要となります。

職員として働くには、それぞれの障がいの特徴や、支援のポイントを理解しておくことが大切です。

知識があることで、利用者への接し方や支援の方法が変わり、安心して通ってもらえる環境づくりにもつながります。

コミュニケーション能力

就労継続支援B型事業所に来る方の中には、言葉でのやりとりが苦手で、自分の気持ちをうまく伝えられない方も多くいます。

そのため、表情やしぐさから気持ちを読み取ったり、ゆっくりと丁寧に言葉をかけたりと、相手に合わせたコミュニケーションが求められます。

信頼関係を築くことも非常に重要で、日々の関わりの中で「安心して話せる存在」になることが支援の第一歩です。

柔軟な対応力

利用者は季節や気分によって、体調を崩したり、不安定になったりすることがあります。

そのようなときには、予定していた作業を一部変更したり、休憩時間を長めに取ったりといった柔軟な対応が必要です。

マニュアルどおりに進めるだけでは対応できない場面も多いため、その都度状況を判断し、臨機応変に動ける力が職員には求められるでしょう。

まとめ

本記事では、就労継続支援B型事業所で働く職員の給料を詳しく解説し、ケース別の比較や給料アップの方法も紹介しました。

就労継続支援B型事業所で働く職員の給料は、ほかの業種と比べると決して高いとはいえませんが、社会的意義のある大切な仕事です。
施設の種類や働き方によって収入の差があることや、スキルアップや転職によって待遇の改善も目指せます。

今後、福祉業界全体の処遇改善が進むことも期待されますが、まずは自分に合った働き方や職場を見極めることが大切です。