人の役に立てる仕事として人気のホームヘルパーですが、体力よりも心配なのが給料の実情ではないでしょうか。
本記事ではホームヘルパーの実際の給料平均、資格や勤務形態でどのくらい変わるのか、キャリアアップで稼ぐ方法までを詳しく紹介します。
「介護の仕事に興味はあるけど生活は大丈夫?」と感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
ホームヘルパーの平均給料はどのくらい?
ホームヘルパーの給料といっても、正社員なのか非正規職員なのかによって異なります。
まずは、働き方による給料の違いを厚生労働省の調査をもとに紹介していきます。
月給と手取り額
ホームヘルパーの月給と手取り額は、以下の表のとおりです。
なお、手取り額は平均給与額に、税金や社会保険料を差し引いた数値である0.8をかけた金額となっています。
| 勤務形態 | 令和6年平均給与額 | 手取り額 |
| 常勤 | 349,740円 | 279,792円 |
| 非常勤 | 177,090円 | 141,672円 |
厚生労働省が令和6年に公表した統計によれば、ホームヘルパーの月収は常勤で349,740円、また非常勤で177,090円が平均値となっています。
また、実際の手取り額は、常勤が約279,800円、非常勤が約141,700円と試算されています。
参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
賞与(ボーナス)
正社員で働くホームヘルパーの賞与についても見ていきましょう。
| 勤続年数 | 年間賞与 その他特別給与額 (男性) | 年間賞与 その他特別給与額 (女性) | 平均 |
| 0年 | 18,500円 | 66,600円 | 42,550円 |
| 1~4年 | 322,700円 | 292,700円 | 307,700円 |
| 5~9年 | 454,700円 | 346,700円 | 400,700円 |
| 10~14年 | 497,900円 | 379,300円 | 438,600円 |
| 15年以上 | 585,700円 | 531,300円 | 558,500円 |
こちらは、ホームヘルパーの賞与を勤続年数、性別、そして平均に分けた金額です。
この表からも分かるように、男性、女性ともに勤続年数が増えるごとに賞与も増えていきます。
賞与は、事業所によって支払われないケースもありますので、事業所を選ぶ際は詳しく調べてから選択しましょう。
参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
年収
ホームヘルパーの年収は、以下のとおりです。
| 勤務形態 | 令和6年の年収(手取り) | 令和5年の年収(手取り) |
| 常勤 | 419万6,880円(335万7,504円) | 399万3,720円(319万4,976円) |
| 非常勤 | 212万5,080円(170万64円) | 197万1,000円(157万6,800円) |
こちらは、ホームヘルパーの月給に12カ月をかけた金額です。
常勤の場合は年収で419万6,880円、手取りで335万7,504円となっています。
非常勤に関しては、年収で212万5,080円、手取り額で170万64円となります。
なお、手取り額に関しては家族状況や前年の年収などによって変わってきますので、注意しましょう。
参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
初任給
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によれば、勤続年数1年未満のホームヘルパーの初任給は24.1万円と示されています。
同省の「令和6年賃金構造基本統計調査 新規学卒者の学歴別にみた賃金」による新卒者の初任給と比較してみると、専門学校卒で22.2万円、高専・短大卒で22.3万円、大学卒で24.8万円でした。
勤続年数1年未満には中途採用も含まれているものの、この結果からも分かるように、ホームヘルパーの初任給はそれほど低くないといえるでしょう。
参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 新規学卒者の学歴別にみた賃金」
非正規社員(パート・派遣・アルバイト)
非正規社員で働くホームヘルパーの給料についても確認していきましょう。
日給と時給に分けて紹介しますので、自分がしたい働き方に合わせて確認しましょう。
<日給の場合>
日給の場合は、次の表のとおりです。
| 勤務形態 | 令和6年平均給料 | 実労働日数 |
| 常勤 | 244,520円 | 18.4日 |
| 非常勤 | 220,680円 | 13.0日 |
日給の場合は常勤で244,520円、非常勤で220,680円が平均値となっています。
実労働時間で見てみると、非常勤のほうが少ないものの給料の差は25,000円程度となっています。
参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
<時給の場合>
時給の場合は、次の表のとおりです。
| 勤務形態 | 令和6年平均給料 | 実労働時間 |
| 常勤 | 275,100円 | 162.5時間 |
| 非常勤 | 117,560円 | 65.1時間 |
時給の場合は常勤で275,100円、非常勤で117,560円が平均値でした。
平均給料を時給に換算してみると常勤が1,692円、非常勤が1,805円と、非常勤のほうが高い給料であることが分かります。
参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
ホームヘルパーはどの働き方が稼げる?
ここまで、正社員と非正規社員の詳しい給料を紹介しましたが、実際にどの働き方の給料が高いのでしょうか。
それぞれの給料を比較して、どの働き方がより高収入を目指せるのか確認していきましょう。
時給にすると2,000円を超える働き方がある
正社員・非常勤・日給制などの働き方を、それぞれ時給に換算して比較した結果が以下のとおりです。(小数点第1位を四捨五入)
| 平均給与額 | 実労働時間 | 時給に換算 | ||
| 正社員 | 常勤 | 349,740円 | 164.1時間 | 2,131円 |
| 非常勤 | 177,090円 | 90.3時間 | 1,961円 | |
| 日給 | 常勤 | 244,520円 | 147.2時間 | 1,661円 |
| 非常勤 | 220,680円 | 104時間 | 2,122円 | |
| 時給 | 常勤 | 275,100円 | 162.5時間 | 1,693円 |
| 非常勤 | 117,560円 | 65.1時間 | 1,806円 | |
正社員の常勤と日給の非常勤のみ、2,000円を超える時給であることが分かりました。
これらの結果は資格の有無や役職によって左右されるため、一概に比較できるものではありません。
ただ、状況によっては、パート・アルバイト・派遣の方が正社員よりも高収入を得られるケースもあります。
参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
時給3,000円を超える求人もある
1つ前で紹介したとおり、場合によっては正社員でなくても時給2,000円を超える働き方もあります。
しかし、今回いくつかの求人を調査してみたところ、時給3,000円を超える高収入を得られる事業所も確認できました。
こうした高時給の求人がある背景には、介護業界の人手不足があります。
特に訪問介護では経験者が求められるため、時給が高く設定されることが多いのも事実です。
ただし、資格や勤務条件によって応募できるかどうかは変わるため、内容をよく確認することが大切です。
ホームヘルパーの給料は増加傾向にある
求人によっては時給3,000円を超える事業所もありますが、ホームヘルパー全体の給料は上がってきているのでしょうか。
厚生労働省の調査をもとに、令和3年から6年までの給料の推移を確認すると、以下の結果となりました。
| 訪問介護事業の平均給与額 | ||
| 令和3年 | 常勤 | 298,370円 |
| 非常勤 | 203,080円 | |
| 令和4年 | 常勤 | 315,170円 |
| 非常勤 | 219,390円 | |
| 令和5年 | 常勤 | 332,810円 |
| 非常勤 | 164,250円 | |
| 令和6年 | 常勤 | 349,740円 |
| 非常勤 | 177,090円 | |
常勤の場合は、1年ごとに約2万円ずつ増えてきています。
非常勤に関しては、令和5年と6年で20万円を下回る金額となっていますが、これは実労働時間が令和3、4年と比較して10時間程度減っていることが要因と考えられます。
参照:厚生労働省:「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
参照:厚生労働省:「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」
ホームヘルパーの給料は状況によって変わる
ホームヘルパーの給料は、さまざまな状況によって異なってきます。
働く地域や保有資格などによって変わってきますので、自分の条件や希望に合った職場を選ぶことが大切です。
保有資格によるホームヘルパーの給料の違い
ホームヘルパーを含め介護業界の給料は、資格の有無によって大きく変わってきます。
| 保有資格 | 平均給与 |
| 資格なし | 290,620円 |
| 介護職員初任者研修 | 324,830円 |
| 実務者研修 | 327,260円 |
| 介護福祉士 | 350,050円 |
| 社会福祉士 | 397,620円 |
| 介護支援専門員 | 388,080円 |
上記のように、資格は給料アップするために不可欠となりますので、積極的に取得しておくことをおすすめします。
参照:厚生労働省:「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
年齢や性別によるホームヘルパーの給料の違い
年齢や性別によるホームヘルパーの給料は、以下のとおりです。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
| 平均給料 | 366,210円 | 344,900円 |
| 29歳以下 | 338,710円 | 334,670円 |
| 30~39歳 | 371,240円 | 347,610円 |
| 40~49歳 | 379,920円 | 344,370円 |
| 50~59歳 | 372,670円 | 355,550円 |
| 60歳以上 | 324,900円 | 326,770円 |
年齢や性別でみると、それぞれのピークは男性が40~49歳、女性が50~59歳でした。
女性は40~49歳で金額が下がっていますが、これは管理職が男性のほうが多いことと、子育てがあることが考えられます。
参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
地域によるホームヘルパーの給料の違い
地域別のホームヘルパーの給料は、次の表のとおりです。
| 地域 | 地域別年収 |
| 全国平均 | 381.2万円 |
| 東京都 | 469.3万円 |
| 神奈川県 | 378万円 |
| 千葉県 | 441.3万円 |
| 埼玉県 | 403.3万円 |
| 群馬県 | 393万円 |
| 大阪府 | 379.4万円 |
| 愛知県 | 382.8万円 |
| 福岡県 | 420.4万円 |
| 福島県 | 421.3万円 |
| 奈良県 | 359.4万円 |
| 沖縄県 | 217.8万円 |
厚生労働省の調査結果から一部地域のデータを抜粋すると、ホームヘルパーの平均給料は全国で約381.2万円です。
通常であれば、大都市になるほど給料も高くなりますが、ホームヘルパーの給料に関しては地域ごとの事情によって左右されます。
参照:職業情報提供サイト(job tag)「訪問介護員/ホームヘルパー」
勤続年数によるホームヘルパーの給料の違い
勤続年数によるホームヘルパーの給料についても確認してみましょう。
| 勤続年数 | 令和6年の平均給与 |
| 1年 | 310,280円 |
| 2年 | 328,240円 |
| 3年 | 338,100円 |
| 4年 | 339,400円 |
| 5年 | 339,870円 |
| 6年 | 389,180円 |
| 7年 | 361,800円 |
| 8年 | 366,880円 |
| 9年 | 351,090円 |
| 10年 | 357,590円 |
| 11年 | 348,330円 |
| 12年 | 371,450円 |
| 13年 | 368,900円 |
| 14年 | 347,450円 |
| 15年 | 376,870円 |
| 16年 | 355,920円 |
| 17年 | 353,220円 |
| 18年 | 348,590円 |
| 19年 | 370,740円 |
| 20年以上 | 342,500円 |
上記のとおり、基本的には勤続年数が増えるごとに給料は高くなりますが、年数によっては下がっているケースもあるようです。
参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
ホームヘルパーとほかの事業所による給料の違い
ホームヘルパーとして活躍したい方の中には、そのほかの事業所との給料の違いを知りたい方も多いと思います。
以下に、そのほかの事業所の平均給料を記載していますので参考にしてください。
| 施設の種類 | 平均給料 |
| 訪問介護事業所 | 349,740円 |
| 介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム) | 361,860円 |
| 介護老人保健施設 | 352,900円 |
| 通所介護事業所 | 294,440円 |
| 認知症対応型共同生活介護事業所 (グループホーム) | 302,010円 |
上記5つの事業所と比較してみると、ホームヘルパーの平均給料は3番目に多いことが分かりました。
しかし、上位2つは「介護老人福祉施設」や「介護老人保健施設」といった夜勤勤務のある事業所のため、手当がある分給料も高くなっています。
そのため、夜勤勤務のないそのほかの事業所を比較すると、ホームヘルパーの給料は高いといえるでしょう。
参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
法人の規模によっても給料は変わる
実はホームヘルパーの給料は、法人の大きさによっても異なってきます。
| 法人規模 | 平均給料 |
| 全体 | 28.5万円 |
| 10~99人 | 27.9万円 |
| 100~999人 | 29.3万円 |
| 1000人以上 | 28.4万円 |
こちらの表からも分かるように、法人の規模が大きい事業所ほど給料が高くなります。
参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
他業種とホームヘルパーの給料の比較
他業種とホームヘルパーの給料も比較してみましょう。
| 業種の種類 | 決まって支給する現金給与額 |
| 訪問介護事業所 | 28.5万円 |
| 看護師 | 36.3万円 |
| 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 | 31.1万円 |
| 保育士 | 27.7万円 |
| 販売店員 | 27.1万円 |
近年、福祉業界の給料が上がってきているといわれていますが、まだ十分とはいえないでしょう。
参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
ホームヘルパーの給料を上げる具体的な方法
ホームヘルパーの給料は、増加傾向ではありますが十分とはいえないのが現状です。
そのため、給料を上げるための対策が不可欠です。
ここでは、ホームヘルパーの給料を上げる具体的な方法を紹介していきます。
非正規雇用から正社員へステップアップする
ホームヘルパーの給料は、非正規社員よりも正社員のほうが高い傾向です。
また、正社員のほうがボーナスをはじめ、福利厚生を受けられるため、総合的に見れば高収入となるでしょう。
もちろん、状況によっては正社員として働くことが難しい方もいると思いますが、給料アップやキャリアを積んでいきたい方は検討してみることをおすすめします。
資格を取って収入を上げる
ホームヘルパーを含む福祉業界の給料は、資格の有無によって大きく異なります。
例えば、比較的簡単に取得できる「介護職員初任者研修」であっても、平均給料は24,000円程度高くなります。
また、「介護福祉士」や「社会福祉士」などの国家資格なら、約6万円アップさせることが可能です。
資格は給料に反映されやすくなりますので、積極的に取得していきましょう。
キャリアアップを目指す
サービス提供責任者や管理職へのキャリアアップも、資格と同様に給料を上げやすい項目です。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、管理職である場合とない場合とでは、45,000円程度の差があることが分かっています。
もちろん、役職がつくことで責任も大きくなりますので、自分に合うかどうかを見極めてから判断しましょう。
参照:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
登録ヘルパーの場合は複数の事業所に登録する
登録ヘルパーでの働き方の場合は、1つの事業所ではなく複数の事業所に登録することをおすすめします。
登録が1つの事業所だけだと、自分が働きたい日時や時間と、事業所が働いてほしいタイミングが合わない場合があります。
複数の事業所に登録していれば、空いた時間も働けるケースが増えるため、手っ取り早く給料を増やせるでしょう。
給料が高めの事業所に転職・就職する
ここまで紹介してきた給料を上げる方法は、ケースによって時間がかかるものもあります。
それなら初めから給料の高い事業所に転職・就職すれば、効率的に給料を上げられるでしょう。
給料が高い事業所を選ぶポイントは以下のとおりです。
- ・条件の似ている事業所を比較する
- ・法人規模が大きい事業所を選ぶ
- ・資格補助やキャリアアップ制度がある事業所を選ぶ
- ・処遇改善加算を取得している事業所を選ぶ
ホームヘルパーのスキル・キャリアアップ方法
ホームヘルパーは無資格からでもはじめられますが、できる業務が限られるため給料が低くなりがちです。
そのため、資格や研修などを積極的に取得することが重要となります。
まずは年齢や条件に関係なく取得できる、以下の資格を取るのがおすすめです。
- ・介護職員初任者研修
- ・実務者研修
次に、取得したい資格は国家資格である「介護福祉士」、もしくは「社会福祉士」を取得しましょう。
こちらを取得する場合は、経験年数や必須科目の修了といった受験するための条件があるため、確認しておきましょう。
また、自分がしたい業務によって取得する資格が異なりますので、よく検討してから選ぶことが大切です。
なお、実務経験が3~5年以上ある場合はリーダーや主任、管理職といったキャリアアップの道も選択できるようになりますので、自分の能力に合わせて将来的な働き方を見据えることも大切です。
まとめ
本記事では、ホームヘルパーの給料を詳しく紹介し、稼ぎやすい働き方やキャリアアップの方法も紹介しました。
ホームヘルパーとして安定して収入を得るためには、自分に合った働き方を見つけることが大切です。
また、資格の取得や経験を積むことで、将来的な収入アップも十分に目指せます。
ぜひ今回の内容を参考に、理想の働き方や職場選びに役立ててみてください。

