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30ヘルパーの資格にはどんなものがある?資格の種類や費用を抑えて取得する方法を解説

「ヘルパーになるにはどんな資格が必要なの?」と、気になっている方も多いのではないでしょうか。

ヘルパーの資格はいくつかあるため、それぞれの特徴を押さえた上で取得することが大切です。

そこで本記事では、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)や介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)の内容、資格それぞれの違い、費用を抑えて取得する方法など、詳しくご紹介します。

ヘルパーを目指している方、資格取得に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

ヘルパー資格の種類

ヘルパーは、主に加齢や障害によって身体が不自由になった利用者に向け、必要な介護サービスを提供します。

一口にヘルパーと言っても、さまざまな資格があり、雇用形態に関わらず資格を取得しなければ、ヘルパーとして働くことはできません。

代表的なヘルパーの資格は、以下のとおりです。

  • ・介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
  • ・介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)
  • ・介護福祉士

ここでは、これらのヘルパー資格についてご紹介していきます。

介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)

「介護職員初任者研修」は、介護の基本的な知識や技術を身につけられる資格です。

この資格を取得することにより、ヘルパーとしてはじめて、利用者の自宅で介護サービスが行なえるようになります。

介護職員初任者研修は、学歴や年齢、実務経験、保有資格などの受験資格が設定されておらず、介護職未経験の方でもきちんと研修を受け、修了試験に合格できれば取得できます。

そのため、これから介護職としてのキャリアを築きたいと考えている方には、おすすめの資格です。

介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)

「介護福祉士実務者研修」は、介護職員初任者研修の一つ上に位置づけられており、より専門的で実践的な知識と技術が身につけられる資格です。

この資格も、特に受験の条件は設定されておらず、旧ホームヘルパー2級や介護職員初任者研修の資格を取得していなくても、研修が受けられます。

ただし、取得することで、訪問介護事業所に必要とされる「サービス提供責任者」に就けたり、国家資格である介護福祉士の受験資格を得られたりする点がメリットです。

介護福祉士

「介護福祉士」は、介護に関する専門的な知識や技術を習得していることを証明するもので、介護福祉の分野において唯一の国家資格です。

受験資格のないヘルパー資格とは異なり、これから介護福祉士の資格取得を目指す方は、実務者研修を修了しており、かつ実務経験が3年以上なければ受験できません。

主な仕事内容は、ヘルパーとほとんど変わらず、利用者の身体介護が中心です。

しかし、介護福祉士は国家資格のため、正社員の募集が多く見られ、中には資格手当がつく現場もあることから、給与面の待遇がよくなる傾向にあります。

ヘルパー職が向いている人

ヘルパーに向いている人の特徴として、もっとも重要なのは「気配りができること」です。

利用者にはさまざまな方がいるため、一人ひとりの気持ちや状況を汲み取り、適切にサポートする力が求められます。

また、責任感を持って仕事に取り組める人も向いているでしょう。

身体介護の際は、安全第一で対応することが不可欠であり、誤った対応は利用者のけがや病気の悪化につながることもあります。

そのため、不明点はあらかじめ確認し、誠実に行動できる姿勢が大切です。

介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)とは

ここでは、ヘルパー職の入門資格ともいえる「介護職員初任者研修」について、詳しくご紹介していきます。

ヘルパーとして働くにあたり、介護職員初任者研修の取得を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

取得方法と難易度

介護職員初任者研修は、130時間分の研修を受けた後、修了試験に合格すると取得できます。

この修了試験は、研修の内容を確認するものであるため、そこまで難しい問題は出題されないでしょう。

受講方法は、すべての学習をスクールで行う方法と、通学と通信講座を組み合わせて受講する方法の2つがあります。

なお、スクールによって修了までのスケジュールが異なるため、取得にかかる期間は人それぞれです。

※2025年9月時点

出典:厚生労働省「介護に関する資格等について

費用

介護職員初任者研修の受講費用の相場は、4万~10万円程度です。

スクールのサポート体制や立地などの条件により、費用に差が見られます。

しかし、スクールのキャンペーンや資格取得支援制度を活用して費用を抑えられる場合もあるため、受講前に確認しておきましょう。

カリキュラムと試験内容

介護職員初任者研修は、すべての介護職の基礎的な研修として位置づけられており、介護の基本的な知識や技術、必要な考え方などを学べます。

厚生労働省が発表している研修科目および研修時間数は、以下のとおりです。

研修科目及び研修時間数学習時間
1.職務の理解6時間
2.介護における尊厳の保持・自立支援9時間
3.介護の基本6時間
4.介護・福祉サービスの理解と医療との連携9時間
5.介護におけるコミュニケーション技術6時間
6.老化の理解6時間
7.認知症の理解6時間
8.障害の理解3時間
9.こころとからだのしくみと生活支援技術75時間
10.振り返り4時間
合計130時間

また、修了試験は100点満点のうち70点が合格ラインとなっており、選択問題を中心に出題されます。

※2025年9月時点

出典:厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について(介護職員初任者研修・生活援助従事者研修関係))」

出典:厚生労働省「介護に関する資格等について

取得のメリット

介護職員初任者研修を取得するメリットの一つは、訪問介護事業所の求人に応募できる点です。

無資格でも介護施設で働くことは可能ですが、一部の施設や訪問介護事業所では、有資格者が求められます。

また、資格によって職場の選択肢が広がるため、より自分に合う職場を見つけやすくなるでしょう。

介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)とは

ここでは、より専門的な介護の知識や技能が求められる「介護福祉士実務者研修」についてご紹介していきます。

特に、将来介護福祉士を目指したいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。

取得方法と難易度

介護福祉士実務者研修は、合計450時間のカリキュラムを受講し、修了認定を受けると取得できます。

また、すでに旧ホームヘルパー1級を取得していたり、介護職員初任者研修を修了していたりする場合は、一部の受講科目が免除されます。

費用

介護福祉士実務者研修の受講費用の相場は、無資格の場合で10万~25万円程度です。

資格の取得にかかる費用は、関連資格を保有しているかどうかで異なります。

もし、受講者が介護職員初任者研修を修了している場合は、10万~15万円ほどに抑えられる可能性があります。

カリキュラムと試験内容

厚生労働省の発表によると、介護福祉士実務者研修における科目は、以下のとおりです。

科目学習時間
人間の尊厳と自立5時間
社会の理解Ⅰ5時間
社会の理解Ⅱ30時間
介護の基本Ⅰ10時間
介護の基本Ⅱ20時間
コミュニケーション技術20時間
生活支援技術Ⅰ20時間
生活支援技術Ⅱ30時間
介護過程Ⅰ20時間
介護過程Ⅱ25時間
介護過程Ⅲ45時間
発達と老化の理解Ⅰ10時間
発達と老化の理解Ⅱ20時間
認知症の理解Ⅰ10時間
認知症の理解Ⅱ20時間
障害の理解Ⅰ10時間
障害の理解Ⅱ20時間
こころとからだのしくみⅠ20時間
こころとからだのしくみⅡ60時間
医療的ケア50時間
合計450時間

なお「医療的ケア」に関しては、50時間の学習時間とは別で約2日間の演習が必要です。

※2025年9月時点

出典:厚生労働省「制度改正の概要

取得のメリット

介護福祉士実務者研修を取得するメリットは、介護職員初任者研修に比べて業務範囲が増えることです。

基本的に介護職員による医療行為は禁止されていますが、資格を取得して特定の条件を満たすと、喀痰吸引や経管栄養ができます。

また、介護福祉士実務者研修を修了していることは、介護福祉士の受験資格の一つであるため、さらなるキャリアアップが目指せることも魅力の一つです。

費用を抑えてヘルパー資格を取得する方法

ヘルパー資格の取得には、研修費用がかかります。

しかし、さまざまなサービスを活用すると、費用を抑えたり、無料で受講したりすることも可能です。

ここからは「介護職員初任者研修」や「介護福祉士実務者研修」の研修費用を抑える方法を3つご紹介していきます。

これからヘルパー資格を取りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ハローワークの職業訓練校に通う

ハローワークでは、テキスト代を負担する必要はありますが、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修を無料で受講できます。

ハローワークとは厚生労働省が運営する行政機関で、職業訓練は求職者が就職するに当たり、必要なスキルを身につけるための制度です。

職業訓練を受けられるのは「求職の申請をしており、職業訓練校が行う選考に合格した人」と定められています。

国や市区町村の資格取得支援制度を活用する

国は、労働者のキャリアアップを支援する目的として、教育訓練給付を行っています。

この教育訓練給付とは、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了すると、教育訓練経費の一部が支給されるという制度です。

例えば、介護職員初任者研修は受講費用の最大50%、介護福祉士実務者研修は受講費用の最大80%が修了後に返金されます。

そのほか、お住まいの都道府県や市区町村でも、資格取得や教育支援を行っている場合があるため、確認してみましょう。

※2025年9月時点

出典:厚生労働省「教育訓練給付金

スクールの割引キャンペーンを使う

研修の受講には、通常10万円以上かかることも少なくありません。

しかし、転職エージェントが運営するスクールや、介護施設と連携する資格学校では、研修終了後に紹介された施設へ就職することにより、無料または割引料金で研修を受講できる場合があります。

ただし、就職が決まらなければ受講料を負担する必要があるため、よく注意しましょう。

ヘルパー資格が取れるスクール選びでチェックすべきポイント

ヘルパー資格を取得するには、スクールに通って定められたカリキュラムを受講し、修了試験に合格する必要があります。

そこで、スクールを選ぶ際のポイントを3つご紹介していきます。

自宅からの距離

介護職員初任者研修では、総受講時間である130時間のうち、通信での学習時間の上限が40.5時間と定められています。

そのため、最低でも15日程度は通学して研修を受けなくてはいけません。

スクールが遠いと、通学のモチベーションが下がりやすくなったり、慣れた土地でない場合は通学がストレスになったりするケースもあります。

そのため、自宅からの距離や、通いやすさを確認することは、資格を取得するにあたりとても重要でしょう。

振替受講が可能か

特に、働きながら資格の取得を目指している方は、急に仕事が入ったり、休みが不定休で希望の曜日のクラスに出席できなかったりすることがあるかもしれません。

また、体調不良や家庭の事情により、予期せず欠席となる場合もあるでしょう。

そのようなとき、振替受講が可能なスクールであれば安心して事情を優先でき、受講日を別日に変更することが可能です。

ただし、スクールによって対応は異なるため、振替回数や無料かどうかなど、振替受講の条件は確認しておきましょう。

質問や就職サポートの充実度

通信での受講でも分からないところをすぐに聞ける相談体制が整っているところや、資格取得後の就業支援まで行ってくれるところなど、スクールごとに環境や特徴はさまざまです。

こうした細かいサポートは、受講中や受講後の不安を軽減してくれるため、これから介護職を目指す方でも安心して臨めるでしょう。

まとめ

ヘルパーとして働くためには、関連資格を取得する必要があります。

中でも、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修には、特に受験資格が設けられておらず、介護職未経験の方でも取得を目指せます。

また、合格率も高い傾向にあるため、きちんと受講していれば、不合格になることはほとんどありません。

ヘルパーは大変なこともありますが、利用者やご家族に感謝されることも多く、やりがいを感じられる仕事です。

ヘルパーとして働きたいという方は、ぜひ資格の取得を目指してみてください。